中国の家庭料理に「西紅柿炒鶏蛋」(トマトと卵の炒めもの)というものがあり、これは非常に美味である。中国でこれを食べる日本人は、トマトを炒めることについて抵抗感を覚えながらも、ほとんどの人がこの料理を大好きになってしまう。その割に、日本で見かけることはほとんどない…という不思議な料理だ。
基本的な材料はトマトと卵。そして油と調味料だけである。
▲クックパッドをのぞいてみると…ありますね。
▲こちらはトマトから出る水分をほとんど飛ばしてしまうようです。中国でこのタイプはあまり見かけないです。
【目次】
前々から、ツイッターではこの「西紅柿炒鶏蛋」が話題に上がっていたので、それで作ってみた人がいたのだが、残念ながら上手く作れなかったらしい。そこで、私の作り方をツイートしてみたところ、これまた意外に多くの反応をいただいたので、こちらでもツイートを再構成して、まとめておこうと思う。
【黒色中国流「西紅柿炒鶏蛋」(トマトと卵の炒めもの)の作り方】
▲こちらは私の自作です(笑)
- フライパンを熱して多めに油を引く。
- 念入りにかき混ぜた溶き卵を入れる。
- 卵は手早く全面に熱を加えてすぐに皿に移す。この時に火を入れすぎない。
- その後に切ったトマトを投入してかき混ぜ蓋をして弱火にする。
- トマトの水分がよく出てしんなりしたら、先ほどの卵を投入してかき混ぜ、トマトのソースを卵に含ませて、またフタをしてちょっと待つ。
- フタを開けて、少し強火にしてかき混ぜながら余分な水分を飛ばして味を濃くする。水分を飛ばす前に「だしの素」を入れると、日本人好みなコクが出ます。
- 塩コショウなどで味付けする。醤油は合うけどせっかくの色合いがおかしくなるのが惜しい。でも、オイスターソースがあるのならそれは迷わず入れるべし。オイスターソースと西紅柿炒鶏蛋の組み合わせは最強!w
- 最後に、香りつけのごま油を少量垂らして、出来上がり!
調理のコツ
- 【卵の2段階加熱】…最初に卵をレアに炒めるのと、後でトマトのソースを吸わせて蒸す…という「卵の2段階加熱」が黒色流のコツ。最初から普通のスクランブルエッグを作ってはダメです。最初に卵に火を入れすぎて固くすると、後でトマトの水分を吸いにくくなります。トマトの水分量はものによって違うので、注意深く見ながら、火力を調整し、加熱時間を変えてみて下さい。
- 【「フタと蒸し」で油少なめに】…中国人が「西紅柿炒鶏蛋」を作る時は何も考えずに簡単に作っているように見えますが、あれは油多めになりがちです。上の写真は上海の友人が作ったものですけど、トマトのソースが多めになりすぎるのも考えもの。黒色流はフタをするのと蒸すので、油少なめのヘルシーな出来上がりにしています。ただ最初に入れる油が少なすぎると失敗します。気持ち多めがコツです。
簡単な料理なので、最初は失敗しても3回くらい繰り返せば、上手く出来るようになると思います。
トマトと卵さえあれば簡単に作れるし、ご飯のオカズで日本人にもぴったり。自分の好みに合わせて、具材を足したり、作り方を変えるのも楽しみ。日本でももっと普及してほしいと思う、中国の定番家庭料理です。