黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

ウルトラマン大好きな弟を罵倒する愛国的な中国少女…全文翻訳でわかった真相

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こちらのツイートが注目されましたが、動画では彼女の発言の最後の部分が途切れており、字幕がよく見えなかったため、コマ送りで確認したところ、新事実が発覚しましたので、全文を日本語に翻訳してみました。

全文翻訳でわかった「真相」とは?

罵倒されている人物が映像には出てこないのですが、状況や文脈から察して、たぶん弟と思われます。

あの中国少女の発言を全て書きだすと、以下のようになります。

1)「你喜欢奥特曼是吧」

アンタ、ウルトラマンが好きなんでしょ?

※「奥特曼」の発音はaoteman=ウルトラマンの音訳。「是吧」は「そうなんでしょ?」という確認の意味だが、ここでは言質を取るため詰問するような口調。

2)「你现在去日本住!」

今すぐ日本に行って住め!

3)「你知道我们现在幸福生活是革命前辈换来的吗?」

私達の現在の幸福な生活は革命先輩(の犠牲)と引き換えに得たのを知らないの?
※ここでの「革命先輩」とは政権奪取以前に中国共産党に参加して革命事業に従事した先輩たちを意味する。「换来」は「引き換え」ということだから、日本軍と戦った中国共産党の革命戦士の尊い犠牲によって現在の幸福な生活がある…と言いたいのだろう。

4)「你知道日本人杀了多少中国人吗?」

日本人がどれだけ多くの中国人を殺したか知らないの?

※この質問は先の「革命前辈换来」(革命先輩の尊い犠牲と引き換え)にかけて強調している。

5)「你现在去日本住啊!」

今すぐ日本に行って住みなさいよ!

※ようするに、家から出ていけ、中国から出ていけ、オマエはここにいる資格がない!…ということ。

6)「没有亲人,没有朋友,连姐姐都没有!」

(日本には)肉親も、友達も、お姉ちゃんだっていないのよ!

7)「我不知道妈妈为什么会生你这个人!」

どうしてお母さんがアンタみたいなのを産んだのかわかんない!

※「你」は「あなた」だが、その後ろに「这个人」(この人)がつく。这个人はその場にいない人を指して使われる場合…たとえば集合写真の中で「この人誰?」みたいに使うのなら、ただそれだけの意味だが、相手を前にして面と向かって指さしながら、「你这个人!」と言うのは「テメェこのヤロウ!」みたいな語感が加わる。挑発的な呼び方である。

8)「我们这不欢迎你」

私達はアンタなんか歓迎しない

※ここでの「私達」は弟(と思われる)を除く家族全員の意味と考えられる。

9)「这里是中国,你喜欢日本你就去日本啊」

ここは中国よ!アンタが日本を好きなら、日本に行けば!

10)「我给你讲,如果你再说一遍你喜欢日本……」

アンタに言っとくけど、もしアンタがまた日本が好きだって言い出したら…

※「我给你讲」は、直訳すれば「あなたに言っておくけど」というだけの意味だが、この言葉を前において話し出すのは、「宣告」であり、「よく覚えておけ」みたいな「念押し」の意味がある。つまり、脅迫の前置きである。後半の「如果你再说一遍你喜欢日本」は瞬時に途切れるため、ここはコマ送りにしないと判別できなかった。ようするに弟は「日本が好き」と言い出して、それに激怒した姉が説教していたのでした。

彼女の怒りは単なる反日感情ではなく、特定の歴史観によって洗脳されたものである

一連の私のツイートに対して、

事実だから仕方ない。日本が中国を侵略したのは事実。親族を殺されて簡単に赦す方がおかしい。

という意見もあります。私も中国を旅行したり、住んでいた時に、日本軍に親族を殺されたの、半身不随にされた…という中国人と会ったことが何度もありますので、今もその傷が癒えない人々がいるのは知っているし、日本を許せない彼らの感情もわかります。あの少女の祖父母もそういう過去を背負っているのかも知れません。

ただ、全文翻訳から考察してみると、どうもおかしいのです。

あの少女は、「私達の祖父母や親戚がどんな目にあったのか忘れたの?」「祖先が殺されたのを忘れたの?」とは一切言ってません。

「日本軍と戦って尊い犠牲となられた革命先輩と引き換えに得た現在の幸福な生活で、アンタはウルトラマンなんか喜んで見て、『日本が好き』と言い出すとはナニゴトか!」と怒っている。ようするにあの少女は、

オマエは反革命だ!

と弟を糾弾しているわけで、これは年端も行かない小学校低学年(と思われる)の少女が感情のたかぶりで、たまたま思いついたものではないでしょう。中国共産党の革命事業に命を捧げた先人を敬い、現在の幸福な生活を与えてくれている中国共産党に敬意を払わねばならぬ…という明確な意図を持った歴史観による発言です。

没有共产党就没有新中国(共産党がなければ新しい中国はない)

というのは、中国でよく見聞きするスローガンですが、あの少女が絶叫する根底には、この考えがあります。

私も今まで中国で、過去の戦争で傷ついた人々、その子孫や親族との交流が何度もありましたので、彼らに対する同情や贖罪意識はあります。ただ、そういう歴史を利用して、幼い子どもを洗脳し日本を憎悪するように仕向け、中国共産党を礼賛するように「教育」している中国に対し、日本人の我々は何の警戒もせず、中国の言い分を鵜呑みに、「反省」するのが唯一正しい対応なのだ…といわれると、さすがにそれは違うんじゃないか…としか思えないのです。