上海の下町を歩いていると、このような光景をよく見かける。
日本の屋外で麻雀をするのは、花見の時にちょっとあるぐらいだが、中国では普段からよく行われている。
下町の家の中は狭いし、近所の人や通行人も交えた方が楽しいので、中国人は屋外で麻雀をするようになったのだろう。
黙々と牌を打ち続ける人たちもいれば、口角泡を飛ばしながら賑やかに楽しむ人たちもいる。
私は普段から、中国人を狡猾で屈強な駆け引きの手練として畏怖しているのだが、そういう中国人が4人も集まって真剣勝負をやっているのだから、やはり気になる。「竜虎相搏つ」とはまさにこのことではないか。だから見ずにはいられない…とは言え、私は麻雀がわからないのだが。
文革時代に禁止されていた麻雀
ちょうど今から50年前、中国では文化大革命が始まったのだが、その頃に麻雀は、「退廃的」との理由で糾弾の対象となっていた。
中国の老人たちは、若かった頃の一時期、麻雀を禁じられていた。あの時代、彼らには他にも色んな苦労があったわけだが、今、中国の老人は、路上で麻雀をやることで、若い時に失った自由を取り戻そうとしているのではないだろうか。