電工ナイフについて興味を持つような人は、私のツイッターのフォロワーの中にはたぶんいないのではないか…と思いながら、昨日の記事をツイートしてみたら、意外なほど反応が大きかった。
その内の幾つかをこちらでも紹介しておこう。
@bci_ 私は、日立武蔵の鍛造電工ナイフ一択です。とにかく、雑に使えるのが良いです。電気工事士免許はこれでとりました。 pic.twitter.com/Zo03rtzD4U
— Kazuhiro Matsuyama (@7K4UXI) 2015, 9月 16
@bci_ 日立武蔵はオススメです。 実際に電線の被覆を剥いてみると、電工ナイフの良さがわかると思います。カッターだと刃が飛んだりして危険です。ある程度力を入れても芯線を切らない程度の切れ味ですが、沢山被覆を剥いても切れ味を維持します。
— Kazuhiro Matsuyama (@7K4UXI) 2015, 9月 16
▲「日立武蔵」の鍛造電工ナイフは、電工ナイフについてネットで調べると必ず出てくる銘品である。長年使い込まれて黒光りするブレードが美しい。とてもシンプルで完成されたデザインである。
@bci_ 海軍ナイフは、それ単体で太いロープを切れないらしいです。 で、ナイフを押しあて、上から木槌など叩き切ったと聞きます。 その為、衝撃に強いブレードの形になったらしいです。 ロープを切るには波刃が適していて、最近のは殆ど波刃です。 保安庁はパン切包丁様を使っています。
— 杉本佳男 (@Yoshio_Sugimoto) 2015, 9月 16
▲これは非常に納得のいく説明であった。というのも、私も1度電工ナイフを見たことがあるのだが、単に電線の皮むきをする程度の仕事に使うにはブレードが太すぎる。峰の方の厚みがかなりあるのだ。木槌で叩き切ると聞いてなんとなく状況を理解した。それと、そういう用途であれば、セイフティーロックが発達しなかったのもうなづける。
ツイッターで電工ナイフについて皆さんと語っている内に見えてきたのだが、現在の電工ナイフは2つの方向性があって、
▲1つは、ホーザンや、日立武蔵、SK11のように、海軍ナイフのベーシックな形状を守りながらも、ブレードの材質に拘ったもの。ホーザンは「SK4」というカーボン鋼を使用しており硬度(HRC)は60。これは業務用の洋包丁に匹敵する。日立武蔵は鍛造品である。
▲もう1つのカテゴリーは、マーベル社の製品でセイフティーロックを採用したり、フィンガーグルーブをつけたりして、海軍ナイフとしての基本形を進化させているもの…となる。ちなみにMDX-03のブレード材はカーボン鋼。MDX-01はステンレス。MDX-01はデザインと材質の両方で、実用性に重きを置いて、電工ナイフを設計しなおしたような作りになっている。
なぜ私が今頃になって電工ナイフに関心を持っているのかと言えば、「ジャパニーズ・オピネル」を探し始めたのがきっかけだが、それに加えて折りたたみ可能な小型包丁を探しているためだ。旅先でちょっと調理をする時のために、少し大きめで扱いやすいものを探している。いつもは中華包丁を使っているため、一般のナイフのようにブレードにRがかかっているのは使い慣れない。できれば刃が真っ直ぐのものを探しており、それで電工ナイフに行き着いた…というわけだ。
電工ナイフをアウトドアで使用する事例は、アマゾンのコメントを見て散見されるが、使いやすいものかは不明。中華包丁は刃が真っ直ぐに見えて、少し緩やかなカーブを描いている。全くの真っ直ぐだとちょっと使いにくいかも知れない。とりあえず、上掲のどれかを購入して試しに使用してみようと思う。