中国軍のナイフファイティングhttps://t.co/A648bHDMeL
— 黒色中国 (@bci_) August 15, 2020
一見、オーバーアクションで「芝居臭い」が、体の回転運動を利用してナイフの威力を最大化する動作になっている。突き刺さす時に「殺!」(シャッー!)と叫ぶけど、確かにこれは「一撃必殺」の攻撃方法だ。
▲こちらの動画、中国軍人の顔芸が変すぎて、「面白い動画」として認識されがちですが、
一応昔、それなりに真面目に、剣術やらナイフファイティングを学んだことのある私にとっては、「あ!そういうやり方があったんだ!」という驚きに満ちた動画でした。
それと、この動画に出てくる軍人さんは、中国ではそれなりに有名?なその道の達人らしいのです。
中国軍式「匕首刺殺術」
▲元になっているのは、こちらの動画らしいのですが、タイトルには「偵察兵10個動作全解匕首刺殺術」とありまして、顔芸軍人は、第76集団軍の某合成旅団の偵察班長の田景華さん…とのこと。階級は不明です。
この動画がキッカケになったのか、中国では人気のある軍人さんのようで、百度で検索するといろいろ出てきます。
▲こちらは動画からスクショを起こして作ったページみたいですが、
“只有平时多流汗,战时才能少流血”
(平時に多くの汗を流した者だけが、戦時には流血が少なくできる)
とか言ってまして、田班長はストイックでカッコいいですね。
中国軍式ナイフファイティングは実用的なのか?
ナイフファイティングはいろんな流派があるので、一概には言えないものの、お互いにナイフを持っている者同士の戦闘であれば、敵の攻撃範囲に入らないように間合いを詰めずに離れて、なるべく切っ先を利用して、まずは敵の手や腕など切りやすい範囲にある部位を切ってから、敵の弱めてトドメを刺すように持っていく。
田班長の中国式の場合だと、握り方(アイスピックみたいな持ち方)からしてリーチが短くなるため、攻撃範囲で損をしますね。
ただ、中国式の場合、破壊力を最大化するのを前提に全てを組み上げているので、
- まずは顔芸で威嚇して、
- ナイフの威力を最大化するためにバックストロークを大きく取って、
- その際に敵に踏み込まれたり、切りつけられるのを防御するためにナイフを持ってない左手を前面に突き出したり、顔面を守ったりする
- 攻撃時にはナイフを持った右手の動きと同時に、左手を勢いよく後ろに動かし、勢いをつけて、肩が前に出るようにしてリーチをかせぎ、アイスピックグリップで握ったナイフを突き立てる。
- 足を同時に踏み出して威力を増し、大声で「殺!」(シャーッ!)と叫ぶことで敵を威嚇する
- またすぐに左手を前に突き出して防御と威嚇をしながら、ナイフを持った右手を体の後ろに持っていって、次の攻撃の態勢をつくる
- 注釈すると、最初に腰の鞘からナイフを取り出す時の握りがアイスピックグリップなので、持ち変えることなくそのまま攻撃に移り、状況によってはハンマーグリップ(包丁を持つ時と同じ握り)も使い分けてますね。だからアイスピックグリップが中国軍式の基本というわけではないようです。
だから、なるべくこちらが切られないように間合いに気をつけながらチマチマと攻撃範囲ギリギリで、小さく切りつけるようなナイフファイティングとは全然考え方が違うわけです。最初から殺しにかかってる感じ。
ただ、左手の動きなんかを見てると、中国式は匕首刺殺術はカンフーの要素を取り入れているのかも知れません。右手の動きと左手は常に対になって、全身の勢いを作るような動作になってます。
ためしに動画の解説通り真似してみましたが、なかなか疲れました。
最近は中国の都市部にしか行かないので経験ありませんが、田舎の方に行くと腰に大きなナイフ(刀と言った方がいいかも知れない)を下げた人がいて、脅された経験もありました。
もしそういう中国人に軍隊経験があって、匕首刺殺術を習得していたら、ああやって顔と声で脅しながらドンドン踏み込んできて、全身を使って勢いをつけ、大きなナイフを頭や首あたりに貫通させてくるわけで、油断できませんね。
コロナで当分中国には行けないわけですが、もし次に中国でナイフを持った人に出会ったら、用心しようと思いました(^^)
▲トレーニング用のゴム製ナイフというのがありまして、刃の部分にチョークをつける溝がついたのがあったはず(参考にあげているアマゾンのリンクのものは溝の有無は不明)。刃はついてなくても、目にあたると怪我するので、ゴーグルも一緒に使用すれば、お友達なんかと安全にナイフファイティングの練習ができますね。 ナイフとか包丁はどこにでもある武器で、長い人生の中で、ナイフで襲われる可能性も高いので、かじった程度でもナイフファイティングを練習した経験があれば、攻撃を防ぐ上で何かと役立つことがあるかも知れません。