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【上海ガニの対日輸出を停止】陽澄湖産の上海カニは何が違うのか?そして上海カニの安全性について

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昨日話題になったツイートはこちら。ブログを書いている今もRTが微増していますけど、皆さんの「ツボ」としては、中国がブランド保護のために対日輸出を停止した…というところにあったようですが、確かに日本では産地関係なく、何でもかんでも『上海ガニ』ということになっています。

ニュースでは陽澄湖産のものが、日本ではブランドとして認知されていない…ということでしたが、この点について触れてみたいと思います。

陽澄湖とは?

▲陽澄湖は上海の北西にある湖で、蘇州市にあります。

私は陽澄湖に釣りに行ったことがあるのですが、非常に大きな淡水湖です。日本で中国の湖と言えば、環境汚染で水が七色とか、魚が大量死…などの印象がありますけど、陽澄湖は少なくとも見た目はキレイです。

陽澄湖で育った上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)が、中国&中華圏では有名なのですが、日本だと特に産地は区別されることなく、そもそも日本人で陽澄湖を知っている人も少ないわけで、陽澄湖の「ブランド」も認知されていないわけです。しかし…

 ▲という事情がありまして…

▲陽澄湖産も食べたことありますけど、「非陽澄湖産」との明確な差が私にはわかりませんでした。

陽澄湖産上海蟹の特徴

百度百科で「陽澄湖大閘蟹」の外観と識別方法の項目を見てみると…

阳澄湖清水大闸蟹青背、白肚、金爪、黄毛,个体强壮厚实,煮后呈亮橘红色

陽澄湖清水大閘蟹は背が青く、肚は白く、金色の爪に黄色い毛で、個体は強壮で厚実、茹でるとオレンジ色に輝く…

…とあります。

湖底が泥地のところで上海ガニを育てると、肚が黒くなるけれど、陽澄湖は砂地なので、肚が白くなるとか。

泥地で育てた上海ガニを陽澄湖へ持って行ってしばらく置くと肚が白くなるという話もあり、この手の話は上海にいるとよく聞くので、私はあまり気にせず陽澄湖以外の産地の上海ガニを食べておりました。

死骸を食べるため腸内に大量の細菌?

更に百度百科を読み進めると、気になることが書かれていました。

由于阳澄湖清水大闸蟹生活在江、河、湖底的泥沟里,喜欢吃小动物的尸体,肠道内还有大量细菌,加上蟹含有丰富的蛋白质(比猪肉、鱼肉高好几倍),死后蛋白质会迅速分解,细菌大量繁殖,极易变坏,因此不要吃死蟹,也不要吃没有经过彻底煮熟的蟹。

陽澄湖清水大閘蟹は江、河、湖の底の泥溝の中におり、小動物の死体を好んで食べ、腸内には大量の細菌があり、加えてカニには豊富なタンパク質が含まれるが(豚肉、魚肉の数倍)、死後タンパク質は迅速に分解し、細菌が大量に繁殖し、傷みやすい。このため、死んだカニは食べてはならず、ちゃんと茹でてないカニも食べてはならない。

ようするに、湖底の泥の中で死骸を食べているカニだから、タンパク質豊富だけど細菌も大量に含まれていて…ということで、汚染のヒドイところで育ったカニだと、水や泥だけじゃなく、食べている死骸も汚染されている可能性があるわけです。

だから、汚水が流れ込むような環境で育った上海カニは食べない方が良さそうですね。

上海の郊外だと、カニを育てる養殖池が、たくさんあって、そういうところだと、汚染された水が流れ込むような環境ではなかったりするので(中国だから断言はできませんが)、私はそういうところで育った上海カニの方が安心して食べられるような気がします。上掲の友人の実家が養殖した上海カニも、そういう養殖池で育ったもので、充分美味しいものでした。

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