黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

私と香山リカさん

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すでに1週間経ちましたが、記念としてブログにも残しておきます。

詳細は、香山リカさんのエッセイを読んでいただければわかりますが、ようするに、医療通訳を介さず、自分で直接中国人の患者と話してみようとした…ということですね。

エッセイで引用されている私のツイートは下記の2つになります。

これらのツイートは、そもそも受験勉強に励む高校生たちに向けて書いたものでして(この時たまたまTLでそういうのが流行ってたのです)、ツイートの続き(クリックしたら見られます)も、高校生の目線でわかりやすいように、書いたのですが、まさか香山リカさんの目に止まって、中国語の勉強を始められるキッカケになるとは思いませんでした。

私と香山リカさん 

昔、私が育った家庭環境は、あまりよろしくありませんでして、親は離婚し、何度も引っ越しをして、生まれ育った町を離れ、親しい友人とも疎遠になって、家にこもってゲームばっかりしている時がありました。

当時、パソコンやファミコンのゲームは、教育上よくないとか、勉強をしなくなるとか、目が悪くなる、身体が弱くなる…人付き合いをせず、一人でこもって性格が悪くなる…と、ネガティブな評価ばかりされておりまして、親や学校から、ゲームは悪いことのように言われておりました。

そういう頃、私が愛読していたゲーム雑誌に、香山リカさんがエッセイを寄稿されておりまして、ゲーム業界以外の大人が…精神科医という立派な職業の人が、ゲームを肯定的にとらえ、面白い話を書いてくれていたので、「わかってくれる大人」を見つけたような気がして、とても嬉しく、勇気づけられたのでした。

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▲香山リカさんが、ファミ通に連載されていたエッセイをまとめた単行本『ゲーム気分で診てみれば』

* * * * *

それから月日が経って、ツイッターでまた香山リカさんを見かけるようになりました。

ツイッターで彼女は、「反日」のレッテルを貼られ、いつもいろんな人に叩かれている…主に保守的な人たちから、デマを流され、誹謗中傷をされているわけですが、私自身が保守的な考えの人間でも、彼女への嫌悪感はありませんでした。

それは、彼女の活動や発言の「動機」が、反日的なもの、日本への憎悪、邪悪なイデオロギーによるものではなく、ただ弱い立場にある人、困った人を助けるためにやっているのではないか…かつて、居場所を失ってゲームばっかりやってた私を勇気づけてくれたように…と思うからでした。

今回のエッセイを見てもわかることですが、本来医療通訳は彼女の仕事ではないので、別に中国語を勉強しなくてもいいのです。自分の時間とお金を使ってやらなくてもいいのです。ちゃんと医療通訳を準備できない病院のせいなのですから。でも、

――ああ、ここで「おだいじに」とか「心配ないですよ。この薬を飲めばよくなります」くらい中国語で言えたら、旅行中などで心細い思いをしている中国人の患者さんは、きっと喜んでくれるのではないかな……
(「もう中国語を学ばないわけにはいかない、私の理由」より引用)

彼女は患者と真摯に向き合って、ただ医者としての仕事をするだけでなく、心細い思いをしている人のために一歩踏み出して、自分で中国語を学ぼうとしたわけで、この一文を読んだ時に、「あの人は昔と何も変わってない…あの時と同じ、香山リカさんなんだ…」と思ったのでした。

そういう彼女が、中国語を学び始めるキッカケの1つになれたことを、大変光栄に思います。ありがとうございました(^^)