黒色中国BLOG

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今さらニコンUの理由

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▲香港に行ってた時の経験も含め、このしばらくは新型コロナウイルス肺炎のことばかり書いているけど、そうこうしているうちに、日本での感染がヒドくなってしまった。中国へ逃げようかと思っていたのだが、中国の各地で、日本からやってくる人を隔離するようになっているので、いま動くのも考えものである。

…というわけで、毎日陰気なニュースばかり見ててもつまらないので、

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▲新しいカメラを買いました。「新しい」といっても、もう20年以上前のフィルム一眼レフカメラ、ニコンUなのですが…。

【目次】

(1)2019年問題

「なぜ今さらそんなものを…」という人も少なくないだろう。この記事に検索でたどりつく人は、ニコンUのメリットを知っててたどり着いたのか、知らずになんとなく興味を持っているのか…どっちだろうか?

実はニコンU、現在において非常に興味深い「メリット」のあるカメラなのでした。

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▲そもそもは、家族の写真をフィルムで残しておこうとして、なおかつ「日付」が欲しかったので、デート機能があるコンパクトカメラを探していた。

ところが、「2019年問題」というのがあって、大半のフィルムコンパクトカメラは、2019年以後のデート機能が使えない。そこで、2020年以後もデート機能が使えるコンパクトカメラを探しているうちに、「別にコンパクトカメラでなくても、それなりに小さかったらいいんじゃない?」という事に気づき、ニコンUに注目したのでした。

(2)握りやすく、左手が失業しない

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▲写真だけ見ているとわかりにくいかも知れないが、ニコンUは本当に小さい。その後のD40…D3000系列の始祖にあたるらしい。D40に比べると、フィルムを使うため横幅は少し広めだが、イメージセンサーだの大きなバッテリーがないからボディが薄い。握った時の感覚がすこぶるいい。

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▲それと露出モードダイヤルが左側にあるのがいい。D40やD3000系列ではモードダイヤルは右側に移動する。そうなると左手が失業して、右手ばかりが忙しくなるのである。ニコンUだと右手はグリップを握りつつコマンドダイヤルを回転させ、左手は露出モードダイヤルを回転させる。右手と左手がバランスよく仕事を分担できるのがいい。

ニコンのデジタル一眼レフを使い慣れていると、ニコンUは全くマニュアルも読まずにすぐ使える。いつもと同じ操作感で、スイスイ写真が撮れてしまう。これもニコンUの嬉しいところである。

(3)見やすいファインダー、露出計も正確

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▲ニコンUのファインダーについて、ネットで調べているとあまり良い話は見当たらないのだが、実際に覗いてみると見やすいし、そんなに小さくも感じない。

たぶん…だが、ニコンUが発売された2001年当時、他のニコンのフィルムカメラのファインダーは倍率も大きく、見やすかったので、それとの比較であまり良い評価を得てないのではないか。その後に出現したD40やD3400に使い慣れていると、ニコンUのファインダーがそんなに悪いとは思えない。そもそも、私はコンパクトカメラを探していたのだから、それに比べたらファインダーは格段に良い。

それと、露出が極めて正確なのもいい。全く補正しないで、自動で1本撮ってみたけど、キレイに露出が揃っていた。「3D-6分割測光」だそうで、ややこしい理屈はよくわからないが、たしかにこれは効果があるみたいだ。

最近はフィルムのコンパクトカメラが人気で価格が高騰しているけど、ちょっと大きいぐらいのサイズで、これだけのクオリティのフィルムカメラが手に入るのは嬉しい。

唯一、注意しておくポイントがあるとすれば、AFが合焦した際の「ピ!」という音がないこと。何の音もなくピントが合う。最初は故障か、音が出る設定になってないのか…と考え、マニュアルをくまなく読んでみたが、そもそもそういう機能がない。代わりに、ファインダー内に「●」印が点灯するので、それを目安にすればよいのだが、この点だけはデジタル一眼レフのニコンで慣れている人間にはもどかしい。

(4)Gタイプレンズが使える!

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ニコンUは、一見すると安物の素人向けカメラっぽいのだが、なんとGタイプレンズが使える。ニコンの最新のレンズが使えるわけで、これが大きな決め手になった。

いまはDXフォーマットの一眼レフばかり使っているけど、今後はフルサイズも使おうと思っている。ミラーレスの時代になって、一眼レフのフルサイズがかなり価格的にこなれてきたのである。

ただ、ボディは少し後回しにして、先にレンズを揃えながら、フィルムで遊んでいたい…ということを考える内に、「ニコンU」という選択肢もありかな、と思いついた次第。

写真ではDX用の35mmF1.8Gがついているけど、このレンズはDX用ながら、フルサイズのカメラでも一応は使える。F5.6以下なら周辺があまりケラレることもなく、注意してよく見れば四隅が少し暗いかな…という程度のケラレである。

▲AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gについては、こちらの記事に詳しく書いた。ニコンU…またはフィルムカメラでこのレンズを使う際に、問題になるのは、ケラレよりも、「樽型の歪み」ではないだろうか。

そもそも35mm f/1.8Gは、デジタルカメラで「歪み補正」をするのが前提で設計されているのではないか?と思われる節があり、フィルムカメラで使うと「歪み補正機能」はないので、そのまんま歪んだ画像になる。樽型の歪みなので、なんとなく被写体が膨張したような、締りのない描写になる。

それが気にならないような写真を撮るのであれば、発色も悪くないし、軽いので使いやすいレンズである。私の場合、デジタルの方で使うために購入し、それを流用しているわけだが、フィルムカメラで使用するためにわざわざ購入するようなレンズではない…ということはご忠告しておく。

(5)とにかく安い! 

ニコンUは大ヒットしたそうで、そのためか数が多い。ネットでも店舗でも中古のものがたくさんみつかる。基本的に素人の使うカメラだったためか、あまりハードな使われ方はしてないのが少なくない。価格は2000円台から4000円台。たまに500円とかで投げ売りされているのもあるとか。後継機のニコンU2は数が少なく、人気も高いため、少し割高になるし、見つけにくいのだが、ニコンUはカンタンに見つけられる。私は美品を2600円で入手できた。

この数ヶ月、ニコンU系列の修理を受け付けてくれる業者を探してみたが、基本的に取り扱ってくれない。F80は今でも修理してくれる業者が複数あるのだが、ニコンU、Us、U2は部品がないとのことで、対応してくれないのだ。

ただ、ニコンUだと程度の良い中古品をカンタンに見つけられるので、無理に修理しなくても、別の中古品を買った方が手っ取り早いし、安い。

Nikon U

Nikon U

  • メディア: エレクトロニクス
 

▲最近は、アマゾンでも中古カメラを扱ってますね。アマゾンの返品ポリシーが適用されるので、安心できます。 香港でも探しましたが、あちらでは1000HKD以上だったので、日本より高い。というより、「実用品」として正当な評価を受けている…ということなのでしょうが。

フィルムカメラブームで、機械式のカメラと、コンパクトカメラが大人気だけど、フィルムカメラ時代の最末期に出た廉価版AF一眼レフカメラは、ほぼ手付かずのジャンルらしい。

あと2台ぐらいは予備を押さえておいて、新型コロナウイルス肺炎が収まるのを待ちつつ、フィルムで遊ぶつもりです(^^)

関連資料

ニコンU・Us・F80の使い方

ニコンU・Us・F80の使い方

  • 発売日: 2002/07/01
  • メディア: 単行本