以前から購入を悩んでいたASUSのChromebook、「Detachable CZ1」の特価セールがそろそろ終了する…とのことで、「そういえば6月4日は黒色中国の開始記念日(今年で13年目です)ではないか!」と、それらしい「口実」を見つけたので、ついポチってしまいましたw
まだ開梱してから数時間しか経っていないけど、今までずっと購入を検討してきた経緯なども説明できれば、私と同じように購入を悩んでいる人のお役に立てるかと思い、ブログ記事に記録しておきます。
【目次】
CZ1は店頭で実物を確認できない
CZ1の購入を検討し始めた人がぶち当たる最大の障害は、「店頭で実物を確認できない」ことに尽きます。3万円未満の格安デバイスといえど、現物を一度も見たことないものを買うのはちょっとためらいますよね。
東京の方ではどこかで展示してるのかも知れないけど、私の住んでいる地域には1つもありませんでした。CZ1は基本的に学校用で、現在アマゾンで販売しているのは、あくまで「アマゾン限定」の特別なものなのでしょう。
ただCM3だと、Chromebookを扱っているような店ならどこの店でも置いてます。
CZ1は、CM3のディスプレイを少し小さくして(10.5⇒10.1)、そのかわりに硬質ゴムのバンパーをつけて耐衝撃性をマシマシにしたもので中身はほぼ同じ…と私は考えて、リアルの店頭でCM3をいじって、「大体これぐらいのサクサク感ならいいんじゃない?」と割り切って購入を決意しました。
まだ開梱から数時間だし、CM3は持ってないので厳密な比較はできませんけど、基本的な認識としてはそれで間違いないと思います。
開梱の儀
▲こじんまりとした殺風景な箱。こういうのはChromebookらしいですね。実は今まで黙ってましたけど、私はもう10年近くChromebookを使ってまして、これで3台目です。
▲手に取った瞬間の感想は、「意外に重い」ということ。カタログによれば1034g。ただ、漫然と無駄に重い…というよりも、「ガッシリした作りで武器っぽい重み」…といえば伝わるでしょうか。「ミルスペックとは聞いていたけど、確かにこれは頑丈そうだな」と思いました。極限まで軽く薄く設計されたデバイスがあっても、外に頻繁に持ち出す時はそれを衝撃から保護するために、ケースに入れたりしなくちゃいけないから、結果的には重量が増すしかさばる。だったら最初から頑丈な設計にしてちょっと重みが増している方が合理的。このサイズのデバイスで1034gは微妙に重い方ですが、納得できる重さです。これだけでカバンに乱雑に放り込んでいても全然問題なさそうですから。
▲ヨソサマのレビューを見てたら、ファブリック調のケースが安っぽい…とありましたけど、私はそう感じませんでした。高級なスーツケースの表地みたいな感じ。大きなレンズがかっこいいけど、香港で飲茶やる時にテーブルに置いてたら、黒社会のオッサンに怒られそうですね。私、一度経験あるんですw。テーブルに置いてたカメラにレンズキャップがついてねぇ!オマエ隠し撮りしてただろ!と。CZ1を香港で使うならレンズキャップは必須ですね。
▲裏側(キーボード側)の底はファブリックじゃなくて、ゴムっぽい?すごい実用本位の作り。これも好感持てました。
キーボード問題
▲CM3のレビューでよく見るのが「キーボードがたわむ」問題。CZ1も同様なので、こうやってちょっと浮かせて(「エルゴリフトヒンジ」と言うらしい)強く押したら確かに少々たわむのですが…
▲キーボードを「斜め」にしないで、テーブル面にベタ置きにしたら、「たわみ」ません。細けえことは気にしないのが一番です。
ヨソサマのCM3のレビューを見ていると、キーボードの端の方が小さめだから打ちにくいとか書いてましたけど、このサイズのキーボードとしては普通ですね。かなり打ちやすい部類に入ります。昔ポケコンでプログラミングを始めて以来、モバイルPC系をやたら買いまくっていた私からすると(パームもシグマリオンも持ってましたw)、CZ1のキーボードは「最上級」に入る作りの良さ。かなりシッカリした作りです。
それでも、このキーボードには…というよりCZ1には1つの問題があります。
10インチ前後のノートPC全てに言えることですが、画面が小さい上にキーボード位置に画面固定して使うと、首を曲げて下を覗き込むように見続けなくてはいけないので、苦痛なのですね。長時間使うのが辛い。
CZ1のキーボードはカンタンに取り外せるので、Bluetoothキーボードを別途用意して、画面は離して使うか、何らかの台に乗せて位置を高くして、首をかしげなくてもいいようにすれば非常に快適になります。
▲私が最近愛用しているブルートゥース・キーボードは、サンワサプライのSKB-BT32BK。これに限りませんが、「サンワサプライ」って小さいキーボードを作るのが得意ですね。
CZ1を長時間使う際は、コンパクトで使いやすいBluetoothキーボード+本体側にMOFTのタブレットスタンドみたいなものを組み合わせて高さ調整できれば使いやすいと思います。
その他の問題
ACアダプタがかさばりすぎる件
▲電源アダプタが三穴のいわゆる「ミッキー型」(あのネズミのシルエットに似てるから)で、延長コードを挿すようになっておりまして、これは持ち運び時に嵩張ります。元が学校用だから、持ち運んで使うことを前提にしてないのか。または省電力でバッテリーだけでも長時間使えるから、電源アダプタを持ち歩かなくてもいいんじゃない?という考えなのか。
▲電源アダプタをなるべくコンパクトにしたいなら、こういう変換プラグを用意して、付属のケーブルは挿さないことですね。もしくは他にコンパクトサイズのACアダプタを用意するか。
スタイラスペンがヤバいw
▲スタイラスペンには大笑いしました。ウワサ通り、固定がシッカリしすぎて、爪で引っ掛けて抜こうとしたら爪を剥がしそうなぐらいに硬いw。「紛失防止」のため硬くなっているのでしょうね。押し込んだらニョッキ!と飛び出るギミックを入れたらいいんじゃない?という声もありますが、たぶんそれやると壊れやすくなったり、不意にスタイラスペンが何かに当たって飛び出したりする可能性があるので、わざと取り出しにくい設計になっているのでしょう。
そもそも付属のスタイラスペンは細くて持ちにくいし、頻繁にスタイラスペンを使う人なら、別途用意した方がいいかも知れません。
内蔵スピーカーは音楽向けではない
CZ1の内蔵スピーカーは、このサイズにしては大きな音が出るのですが、音質が良くない。講演とかの1人で話している声を聞いている分には問題ないけど、複数人数が同時に話す対談みたいになってくると立体感がないので聞きづらい。音楽を聞くと低音が抜けてシャカシャカした軽い音しか出ず、立体感がないツマラナイ音になります。
私が初めて買ったChromebookは、HPのChromebook11でしたが、あれはキーボードの下にスピーカーが埋め込まれていて、薄くて小さいノートPCなのに、「響鳴」がすごかった。ほとんど音楽再生用に使ってました。
ASUSのT100TA(ウィンタブ機)は2in1で、CZ1と似たような構造ですが、それでもT100TAの方がいい音が出る。CZ1は学校用だから、音楽再生は前提になってないのかも。
▲私が出張時に使っているのがこのスピーカー。エレコムの「LBT-SPP300AVBK」というもの。コンパクトな割にいい音が出ます。黒いテープを前面に貼ってるのはLEDが光るのが作業時に目障りだからです。
▲こちらはその後継機。安くて小さなスピーカーですけど、こういうのがあるだけで全然音が変わってきます。CZ1に音質を求める人は、スピーカーを別途用意した方が良さそうです。
マウス問題
CZ1固有の問題ではありませんが、Chromebookは3ボタンマウスが基本で、それ以上たくさんボタンがあっても設定できないから意味がありません。マウスメーカーから各ボタンの設定ができる拡張機能を用意してくれたらいいんですけど。
3ボタンのブルートゥースマウスはダサいのが多くて使いにくく(一番廉価なクラスなのであまり気合を入れて開発されない)、最近流行りのロジクールのペブルみたいなのは、薄くてコンパクトでしょうけど、私の好みではありません。
やはりヒューマン・インタフェースは使いやすさが第一。実用本位のエルゴノミクスデザインでなければ!
▲最近私が愛用しているのはエレコムのM-BY10BR。サイズ的には無理に小さいわけでもなく持ちやすく、59gの軽さ。Bluetooth5.0の省電力設計で10ヶ月間電池交換不要とか。CZ1とつないでもキビキビ反応して、Bluetoothマウス独特の「気怠さ」がありません(※ただしCZ1はBluetooth 4.2までの対応)ただ、腰の「くびれ」がなく、側面の「滑り止め」がないのでイマイチ使いづらいのが唯一の弱点。
▲今は抗菌タイプの後継機になってます。
CZ1は、キーボードに付属のタッチパッドが優秀なので、あまりマウスの必要性も感じないのですが、前述のようにBluetoothキーボードを入れて、本体を離して高さ調整して使うなら、マウスは必須でして、もう少し小さくて持ちやすいものがないかな…と探しているところです。
「ChromebookはWindows機の3倍効率」説
詳しい人から教えてもらったのですが、「ChromeOSは効率が良いから、ハードウェアのスペック比較でWindows機の3分の1でも同等のパフォーマンスが出る」という説があるらしく、まだCZ1を使い始めて数時間ですが、確かにその説は正しいように思いました。CZ1はメモリ4GBですけどサクサク動きます。ウィンドウズ機だったら12GB相当ということですか。たくさんタブを開いてもサクサク動くので、確かにそれはそうかな…という実感があります。
CZ1に搭載のCPUはMT8183で、Passmarkのスコアを見ると「1878」。
でも、これの3倍だったら「5634」だから、同等のCPUだったらCore i5の3.0GHzぐらい。たまたまスコア6000程度のCPUを搭載したウィンドウズ機を持ってますけど、確かにそれに近いサクサク感はある。
CZ1で動きの早い爆発シーンの多い動画とか見ていると、低スペックの割にコマ落ちもせず、スムーズに再生されるので、「3倍説」はまんざらでもない感じです。本格的に使うなら、有線LANでつないでやるといいのかも知れません。通信の速度と安定性だけは、「3倍説」でカバーできませんので。
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コロナが収束しつつあり、まだ中国や香港とは自由な往来ができないけど、日本国内で動き回るために、持ち運びやすいPCを探しております。ツイッターでの「黒色中国」をいつも通りにやろうとすると、どうしてもPCは3台必要になる。1つはChromebookでもいい。できれば乱雑に扱っても、落としても壊れない頑丈なのがいい。そういう条件で探している間に浮上してきたのがCZ1でしたが、触ってみると面白いのですね。
Asus Detachable CM3とかLenovo IdeaPad Duetにハマっている人たちが、なぜあんなに熱くハマれるのか不思議でしたが、このサイズでフルブラウザがサクサク使えるデタッチャブルタイプの10インチ系Chromebookタブレットは確かに面白い。iPadとも2in1のウィンタブとも「似て非なるもの」です。もう少し使い込んでから、改めてレビューを書いてみようと思います。