黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

APS-Cの本当の画質をまだ私たちは知らない

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 ▲こちらの連投で書いた件、非常に気がかりで、しばらく私の探求のテーマになりそうなので、ブログでも記録しておきます。同じようなことを考えている皆さんの参考になれば幸いです。

フジのXシリーズ

もう少し詳細に書くと、私がたまたま某カメラ店で中国の風景の作例写真をみつけて、「へぇーキレイだなぁ…フジのカメラで撮ったのか…どのカメラだろ…」と、見てみると目の前にあるのはAPS-Cのカメラ。「え?これじゃないでしょ?」と思って店員さんに確認すると、APS-Cのカメラで撮ったものだという。たしか、X-T2だったか。

FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T2 ボディ X-T2-B

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  • 発売日: 2016/09/08
  • メディア: エレクトロニクス
 

ただ、その近くにGFX(中版)で撮影された作例写真もあって、それとさっきの写真を比べてみると、歴然たる差が確認できなかった。サイズは連投で書いた通り「四つ切」だったと思う。

大きなサイズ(A2ぐらいかな)に伸ばしたのもあって、そこまで伸ばすとGFXの優位性はあったけど、とりあえず「大伸ばしに耐えうる」程度の画質にしか感じなかった。

そもそも、個人でA2サイズに写真を伸ばすことは、よっぽどの機会がない限りありえないので、そこまでの画質は過剰すぎる気もするし、金額的にGFXは個人が趣味で買うようなものではない。

FUJIFILM GFX100

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  • メディア: エレクトロニクス
 

店員さんに聞いてみると、フジのXシリーズはレンズがいいからAPS-Cでも画質は良い…との説明だった。それと作例写真はちゃんとフジのプリントサービスを利用して云々…と説明を受けた。デジタルのプリントについて私はよくわかってないので、説明は理解できなかったが、とにかくちゃんと最適化し、調整したデータは、APS-Cといえど立派なプリントが作れるのがわかったのであった。

A2サイズの極上白黒プリント

それから別の機会に、たまたま大きな白黒プリントを見せてもらえるチャンスがあった。A2ぐらいの大きさで、トーンが豊かで、抜けとキレのある立派な作品だ。作品そのものが良いのもあるけど、ここまで美しいプリントはどうやれば作れるのか?と思うような仕上がりだった。

さぞかし、立派なカメラ、高価なレンズを使っているんだろう…と思って、詳細を聞いてみたら、「ニコンのD3400」との回答だった。D3400?

私の使っているカメラもD3400だ。まさか、ウソでしょ?ニコンの一番安いエントリーモデルなのだが…

 ▲レンズはこれだった。安物のキットレンズとは別の、中級クラスの標準ズーム。悪いレンズではないが、格別良いレンズでもない。そして最新モデルでもない。いまは中古で1万円台で手に入る。

なぜあんなにキレイなプリントが作れるのか。理由を聞いてみると、プリンターに秘訣があって…とのことだった。エプソンのプリンターに紙がどーのこーのと説明を受けたが、細かいところがよくわからなかった。

この2つの経験で理解できたのは、

  • 良いレンズを使って、
  • ちゃんと調整をして、
  • ちゃんとプリントした写真はAPS-Cといえども充分美しいし、大きなサイズでも大丈夫

ということだった。APS-Cで大伸ばしのプリントを作る人自体がそんなにいないので、認知されていないだけで、実は侮れない実力が秘められていたのだ。

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レンズを調べてみると、実にピンキリだった

www.dxomark.com

「DXOMARK」というサイトがあって、ここで各社のレンズのテストをやっており、そのデータを公開して比較できるようになっている。今まで新旧のAPS-Cのズームレンズの比較をやったことがなかったのだが、改めてやってみると大きな違いがあるのがわかった。

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 ▲一番左の18-55は、D40についてたキットレンズ。当時は安くて良く写る「神レンズ」と呼ばれていたけど、数値で見るとこんなもの。一番右のシグマのレンズに比べたらシャープネスは半分以下になる。驚いたのは、「A2の極上白黒プリント」を撮影した18-85のVRのシャープネスは18-55と同じである。

残念ながら、DXOMARKにはフジのレンズのデータはまだあがってないので、私が店頭でみたプリントを撮影したレンズを比較することはできない。ただ、レンズが作られた時期や価格帯によって雲泥の差になるのはわかった。

A2の極上白黒プリントを作成した人物によると、

  • 昔は、安物のキットレンズを使っていたが、今のレンズに変えて充分な画質を得られるようになった。
  • 重要なのは、RAW現像とプリンター。
  • 同じニコンで他の機種を使ったこともあるが、エントリーモデルかミドルクラスかというよりも、画像処理エンジン(ニコンだと「Expeed」というアレ)の違いが画質に大きな影響を持つ。

ということだった。

D3400は我が愛機ながら、APS-Cの一眼レフなんか、時代遅れの過去のもの…と思っていたが、プリントを仕上げるところまでちゃんとやってる人の作品を見てみると、APS-Cは侮れないし、A2ぐらいのサイズまでなら、D3400でも立派なプリントが作れるのだ。

コロナ第三波で外出しずらくなっている現在、たぶん年末年始もこの調子だろうから、しばらくヒマな状態が続きそうなので、その時間を使って、APS-C機でどれだけの画質が引き出せるのかにチャレンジしようと思っている。