黒色中国BLOG

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ニコンD3400研究(5)ニコン純正ワイドコンバーターNH-WM75

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2008年に発売となり、去年まで販売されていた18-55mm DXレンズ用のニコン純正ワイドコンバーターがあった。

前々から欲しいと思っていたのだが、最近になってようやく入手できた。

今回はこのワイコンについて書いておきたい。

【目次】

1)フィルター径「52mm」のニコンDXレンズ群

D40の発売以来、ニコンDX機用のレンズにはエントリークラスのラインナップがあり、キットレンズとなる標準ズームレンズ、望遠ズームレンズを始めとして、フィルター径52mmで統一されていた。

▲こちらの2つのレンズもフィルター径52mmである。

ニコンがなぜ52mmで統一したのか…たぶんDXのエントリークラス機はコンパクトサイズを売りにしているので、レンズもそれに伴って小さく軽くするのが前提となり、フィルター径を統一すればフィルターを共有できるし、新しいレンズに買い換えてもフィルターはそのまま使えるので、財布にも優しい…という良心的配慮がされていたのではないか。

2)廉価版広角ズームレンズ不在の9年間

ただ、なぜかDXのレンズでニコン純正の廉価版広角ズームレンズがなかなか出てこなかった。10万円超の広角ズームレンズは2つもある。高価なだけじゃなくて重い。なので、DX機で廉価版の広角ズームレンズとなれば、サードパーティ製を買う人が少なくなかった。

▲ニコンからやっと廉価版広角ズームレンズが発売されたのは去年(2017年)のことである。

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▲それまでの9年間(2008-2017)、ニコン純正のDXフォーマット廉価版広角ズームレンズの空白を埋めていたのが、このワイドコンバーターNH-WM75なのであった。取り付け部分の口径が52mmなので、D3400以前の標準キットレンズならどれでも装着できた。

D3400が発売されたのは、2016年9月。この時から、キットレンズの「フィルター径52mm」という原則が崩され、2017年にAF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VRが発売となり、NH-WM75は、その役割を終えて販売終了となった。

3)D40発売後10年目の転換期

▲こちらの記事でも書いた通り、D3400で新たにキットレンズとなったAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRよりも、一代前のAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II の方が写りが良い。AFは若干もたついてウルサイけれど、使い慣れるとそれほど差し支えがあるものではない。AFがどうしてもまごつくようなら、MFに切り替えてピントを合わせる。

だから、私は「AF-P」の使用をやめて、AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II を再登板させるようになったのだけど、そうなるとNH-WM75が使えるのである。この「メリット」も、「AF-P」の使用をヤメた理由の1つだ。

ケチケチせずに、AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VRを買えばいいじゃないか…と思われる人もいるだろうけど、私の場合、全ては中国での旅行中の撮影が前提になっている。だから荷物はなるべく少なめを心がけ、携行するレンズは最低限にし、どうしても超広角が必要なら、ワイコンで対応する…というのが理にかなっている。実際のところ、10-20mmの画角が必要なことはほとんどないのだし、ワイコンをつけるだけならレンズ交換の必要がないため、ミラーボックス内にゴミが混入するのも避けられる。

たぶんニコンも当初は、DXのエントリー機は初心者やライトユーザーが使うものだから、小型軽量の標準ズームレンズと望遠ズームレンズを販売し、それにワイコンを用意しておけば、ほとんどのユーザーのニーズをカバーできると思っていたのだろう。

ただ、D40発売(2006)以来10年の歳月が過ぎ、ミラーレス機が台頭するようになったので、D3400の発売(2016)を境に、DXエントリー機の方針転換を図り、「コンパクトサイズ」でミラーレス機と張り合うのをヤメて、ダブルズームキットの「52mm径統一」を放棄したのではないか…と思うのである。

4)外観の考察

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▲「ワイコン」というのは安っぽいものとばかり思っていたが、NH-WM75は重厚な作りでズッシリと重い(200g)。定価10080円だから決して安いものでもなかった。初心者向けのDXエントリークラス用で、こんなにシッカリした作りのワイコンを出す必要があったのか…と呆れるほどだが、ニコン純正で出すとなれば、迂闊に手を抜けなかったのか…こういうところに、ニコンという会社の生真面目さが出ているようにも思う。

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▲マスターレンズとなる標準ズームレンズはMADE IN THAILANDなのに、なぜかワイコンはコダワリのMADE IN JAPANである。

5)気になる画質は…

まだ入手したばかりで、部屋の中で試し撮りしただけなので作例としてお見せするものはないが、画質はかなりいい。ググッてみると、収差が…歪みが…というネガティブな意見が少なくないけど、このワイコンを標準ズームレンズにワイド端で使った場合の焦点距離は35mm換算で20.25mmだ。それぐらいの広角レンズなら普通に歪んでいるものだし、コスパやサイズを考えても、充分納得できる描写である。

以前だと、狭い路地や室内を撮影する時に、わざわざ魚眼レンズを持っていった。

▲こちらのレンズは高画質だが、歪みまくるのである。「歪み」が「味」に見えるように色々工夫するものの、使いにくいレンズだ。

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狭い場所での撮影で、あともう一歩下がりたいけど下がれない…みたいなケースがあるけど、このワイコンさえあれば、そういう状況でも対応できる。それと、VRも効くので、20.25mmの超広角でVR付きとなれば、暗い場所でも安定した撮影ができる。

そもそもの玉数が多くないので、大量に出回っているものではないが、中古なら1万円弱、私は美品を5000円位で入手できた。フィルター径52mmのDXフォーマット標準ズームレンズを今後も使い続ける人なら、持っておいて損はないアクセサリーの1つであろう。