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ニコンD3400研究(1)100日間以上使ってみた感想

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今年の3月にニコンD3400を購入してから4ヶ月…既に撮影枚数も1万枚に届くかな…という状況で、最初は不慣れだったものの、ようやく「体の一部」になってまいりました。

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2016年9月に発売され、次世代機がそろそろ出ると噂されているD3400。今さら使用感のレポートなんかブログに書いても読む人は少ないでしょうが、ネットで見るとD3300より格下だの、ファインダーのAFポイントが「点」で見にくいだの…と評判が悪い割に、私自身が使い込んでみたところ、「これって銘機なのかも?」と思うことしきり。これからD3400を買おうか…と迷っている人、既に購入して使っているけどイマイチ…という皆さんのために、これから数回にわたってD3400の特徴、メリット・デメリット、使いこなし方…などを、こちらにまとめておこうと思います。

【目次】

1)軽い・バランスが良い…炭素繊維強化プラスチック製モノコックボディの素晴らしさ

D3400はまず手に持った時の感触が良いです。軽く、手に吸い付くようにしっかりホールディングできます。そしてバランス感が非常に優れています。

色々調べてみますと、ニコンDX系の3千番台と5千番台は、現在炭素繊維強化プラスチックを使ったモノコックボディになっておりまして、金属シャーシを使用してません。それで軽量化しただけじゃなくて、重さが一部に偏りにくい構造になっているのですね。だからD40だと持った時に独特の「ズシッ」とした重量感がありましたが、D3400はどういう構え方をしても手に吸い付くようで気持ちいい。最初店頭で持った時は、「これって展示用のモックアップじゃないの?」と思ったほど軽く感じました。

「炭素繊維って大丈夫なの?」という人もいるでしょうけど、今の時代、銃や戦闘機だって炭素繊維で作ってます。正確には「炭素繊維複合材料」(CFRTP)で、帝人が開発した「Sereebo」(セリーボ)というものです。D5300から採用されている素材ですが、念の為、ニコンに確認したところ、D3400もSereebo製のモノコックボディでした。

D3400のモノコックボディがどんな構造になっているのか資料を探したところ見つからず、ニコンに問い合わせたところ、これは公開されないそうで、どうしても見たかったら自分でバラすしかありません。

でも、とにかく1日中、D3400を持ち歩いたら、重量バランスの良さに気づくと思います。

2)ファインダーの倍率は0.85倍に

D40のファインダー倍率が0.80倍でしたが、D3300から0.85倍になっているのですね。店頭で覗いた瞬間に「おや?」と気づきましたが、これもD3400を選んだ大きな要因でした。

D5600でも良かったんですけど、あちらはファインダー倍率が0.82倍で、ちょっとこじんまりとしているのですね。やっぱり一眼レフを買うからには、光学ファインダーをガッツリのぞきたい。ファインダー倍率が低いと、長時間の撮影で目が疲れるからキツイのです。D3400はエントリー機のくせに、ファインダー倍率だけは大きめ。一日1000枚ぐらいの撮影をやると目が疲れますけど、それ以下だったら、これで充分というファインダーです。

AFポイントが小さな「点」…という欠点はよく指摘されるものの、私の視力は1.2もあるせいか、特に見にくいとは思いませんでした。目が悪い人はD7000番台以上の上位機種にするか、接眼補助レンズを入れた方がいいかも知れません。

Nikon DK-20C 接眼補助レンズ -2.0 DK-20C-2

Nikon DK-20C 接眼補助レンズ -2.0 DK-20C-2

 

3)モードダイヤルが操作しやすくなった!

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▲軍艦部右肩にあるモードダイヤルですが、D3400は非常に使いやすくなってます。しっかりつかめて、しっかりまわせる、滑りにくい形状です。

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▲こちらはD40のモードダイヤル。少し丸っこくて、横のギザギザが滑りやすくて、回しにくいダイヤルでした。

ニコンDX機のエントリークラスって、日本ではパパ・ママ用の子供撮影機みたいな扱いですけど、D3400って一応小さいながらも「プロ仕様」というのか、ガッツリ撮影する人のことをよく考えてくれていると思います。

4)しっかり握れるグリップ

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▲賛否両論あるD3400のグリップですが、ちょっと持った感じだと5千番台に比べて「エグレ」が浅くて、ちょっと太め。5千番台の方がしっかり持てる気がするんですけど、4ヶ月使ってみたら、フィット感が抜群で右手の一部になりますね。少し太めの方がしっかりホールドできるようにも思います。

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▲裏側にもラバーが貼ってますけど、中指と薬指でグリップの「エグレ」を掴み、親指で裏側のラバーをしっかり持つと、それだけでガッシリとホールドできて、握った状態でどれだけ振り回しても、全く滑りません。

D40には裏のラバーがなくてツルンツルンだったので、片手で持って振り回す…というのができず、歩いてたりする時は、滑らないように両手で包むように持つ必要がありました。

D3400のグリップに慣れてから、5千番台を持つと、ちょっと頼りない感じなのですね。長く持てば慣れるのでしょうけど。だから、使い慣れてない状態だと、5千番台の方がいいような気がするんですが、使い慣れるとD3400のグリップは全然問題ありません。

5)ライブビューボタンが上にある(これ重要)

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D3400はライブビューボタン(LV)がボディ背面の上の方にありまして、これが非常に良いのです。

現行のニコン一眼レフ(FX、DX共に)はライブビューボタンって下の方にあるのです。(5千番台はモードダイヤルの横のレバーで切り替えるようになってますが)

ライブビューボタンが上にあると、右手親指をラバーの位置からちょっとズラすだけで押せるので、非常に使いやすいのです。ライブビューに切り替えるために、いちいちカメラを持ち替えたり、ボタンを目視しなくても、指先の感覚で、ササッっと切り替えられます。

人混みや障害物を避けて、カメラを高々と持ち上げて撮影する時に、とっさに片手でカメラを頭上にあげても、すぐにライブビューに切り替えられるのです。

D3400のライブビュー切り替えは、上位モデルに比べて遅いのですが、持ち替えずに片手で切り替えられるので、その「手早さ」を考えると、あまり劣った印象はありません。

6)レリーズモードの切り替えボタンが背面右側の下にある

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▲これも操作しやすいです。迅速に「一コマ撮影」、「連続撮影」、「静音撮影」、そしてセルフタイマーとリモコン操作が切り替えられます。特にこの静音撮影がありがたくて、フォーカスが合った時の「ピピ!」という音を消して、レリーズを押し込んだ時にミラーアップしてシャッターが落ちて一旦止まり、離すとミラーダウンするという仕掛け。静寂を保たないと場の雰囲気が壊れるような場所だと、これは重宝しますね。

7)「なで肩」の丸っこいデザイン

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▲D3400からこうなったわけじゃないんですけど、ボディのデザインが「なで肩」になって、丸っこく持ちやすくなってます。背面上部もなだらかなテーパーになってます。

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▲こちらはD40。今見ると結構無骨なデザインですね。

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▲こちらはD3400の左肩。こちらも「なで肩」です。

この「なで肩」化のお陰で、D3400はホールドした時の感覚が、D40よりも一回り小さいように感じます。

これに加えて先述のモノコックボディ&太めのグリップ&背面のラバーですから、D3400を構えた時の手に吸い付くような感覚って、単なる錯覚じゃなくて、これらの改善の賜物なのでしょう。

8)背面液晶が可動式じゃない!

たまにバリアングルやチルトの液晶と搭載したカメラが欲しくなる時もあるんですけど、やっぱり固定の方が好きですね。

友人がバリアングルのカメラを使ってますが、何度も動かしている内に、接触がおかしくなって映らなくなるトラブルを身近に見ているので、余計な可動部分は要らないな…と思うのです。特に私の場合、旅行に持っていって、旅先で一日中肌身離さず持ち歩いて、ラフな扱いもしますから、壊れる可能性のある可動部分は最初からない方が良いのです。

ハイアングル、ローアングルの撮影の時に不利とはいえ、それは修行すればなんとかなります。

9)バッテリーの持ちがいい

SnapBridge(Bluetoothでスマホに撮影画像を転送する機能)をONにしているとバッテリーの減りはそこそこ早いものの、「機内モード」にしてBluetoothを遮断しておくと、かなり持ちます。私は予備も含めて、バッテリーを4つ持ってますけど、朝から晩まで撮りまくっても、2本あれば充分かな…。旅先では充電がままならないことも少なくないので、バッテリーの持ちが良いのはありがたいです。

10)SnapBridgeは素晴らしい

設定しておけば、撮影画像をどんどんスマホに転送してくれるので、これは非常に便利です。撮影の合間に、すぐメールやSNSで画像を送れます。転送の際に2Mのサイズにしてくれるのも便利です。

最初、設定がまどろっこしく感じるのですが、ちゃんと通信できるようになれば、問題なく使えます。

11)D3400の欠点

エントリー機なので、これだけメリットがあれば充分と思うんですけど、敢えて「欠点」をあげるとすれば…

  • 防塵防滴仕様になってない
    雨が降ったら撮影をお休みするのが、正しいD3400の作法ですが、対応方法はまた後日述べます。
  • Dタイプレンズが使えない
    懐かしのDタイプレンズが使えません。AFは勿論、露出も連動しません。D3300まではAFはNGでも一応使えたんですけどね…。ただ、最近はDタイプレンズでなきゃダメなことも少なくなってきているので、よっぽどDタイプレンズを所有してて、愛着を持ってる人でなければ、問題ないです。
  • すべりやすい
    「なで肩」化のせいなのか、D3400のボティは、グリップと背面のラバー以外の部分がすべりやすいです。これは対処法があるのですが、それはまた後日に。
  • マイク端子がない
    D3300までは外部マイクが挿せたのですが、D3400は内蔵マイクのみの対応です。でも、私はD3400では写真撮影に専念し、動画はあまり使わないので、特に差し支えありません。
  • 付属のストラップがショボい
    これは好みのものに交換しました。D3400の使いこなしにおいて、ストラップは重要なのですが、これもまた後日。
  • 新しい標準ズームレンズ(AF-P)の描写が気に入らないし、扱いにくい
    これも後日、詳しく述べます。単に個人の好みとも言えるでしょうが、私は一世代前の「VR2」の方が好きなので、結局AF-Pは使わなくなりました。
  • ファインダーにゴミが入りやすい
    使用100日足らずで、ファインダーに髪などのゴミが入りました。レンズを外してブロアーをかけても微動だにしないので、フォーカシングスクリーンの内側に入っているのでしょう。これも対策を現在検討中ですので、詳しくは後日。

【注釈】D3400の欠点としてよくあげられるのが、イメージセンサークリーニング機能がないことですが、ここでは全く挙げませんでした。

▲その理由については、こちらをご参照下さい。

それと、D3400では14Bitの撮影ができませんけど、そこまで必要な人は、最初っから上級機を選ぶのが普通だろうな…と思うので、ここで「欠点」として挙げませんでした。

12)とりあえず、ダブルズームキットがオススメ

現在、ダブルズームキット(レンズは共にAF-P)が販売されてますけど、とりあえずこの組み合わせが安いので、よっぽどな事情でも無い限り、ボティ単体や標準ズームだけのキットを選ばずに、ダブルズームキットを選択するのがオススメですね。

AF-Pレンズの描写は個人の好みとしても、「爆速」というのは確かにあります。それに、70-300のレンズは、単体で購入すると結構なお値段になりますからね。ボディ単体とダブルズームキットの価格差は1万円ちょっとぐらい(現在)なので、ボティ単体にプラス1万円で爆速のレンズが2本ついてくると考えれば安いものです。

最近はスマホにカメラがついているので、デジカメが廃れつつあるわけですが、スマホのカメラで1日1千枚も撮影するのは大変ですし、レンズ性能も限界があるわけで、ミラーレスという選択肢もあるものの、やっぱりガッツリと撮影しまくることになれば、一眼レフカメラが欲しくなります。そういう選択肢において、成熟しきっているニコンのエントリー機は、値段もこなれて、性能的にも充分すぎると思うのです。