黒色中国BLOG

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【新型コロナウイルス肺炎】(4)マスクの再利用法

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ツイッターで、アマゾンのマスクの送料がスゴイことになっている…というのを見かけて、自分でも確認してみましたが、確かにスゴイことになっています。価格ではなく、配送料で値段を吊り上げるのは特に問題にならない?ようで…。

私は1月の末から2月の初旬まで香港と広東省にいました。

香港に着いて間もなく武漢が閉鎖され、それからマスクをする人が増えて品不足になり、あっても高額で、欲しくても手に入らない…という状態になりました。

深センではマスクを着用しないと地下鉄に乗れず、公共の場にも行けない…という状態だったので、マスクの効果とは別で、マスクなしでは生活できない状況なのでした。

そこで、中国では早い内から使用後のマスクを如何にすれば、再利用できるのか…というのが話題になってました。私もそれをツイートで紹介しましたが、今度は日本でそのノウハウが必要となってきたので、改めてこちらに日本語訳もつけて、解説してみようと思います。

【目次】

マスクの再利用法

クソリプがつく前に書いておきますが、マスクの再利用はしない方がいいです。効力も落ちるだろうし、新しいマスクを使用する方が良いに決まっているからです。

ただ、欲しくてもマスクが売ってないのだから、仕方なく再利用するしかない…1つのマスクを大切に、長く使うしかない…というやむにやまれぬ事情から、再利用せざるを得ない…という状況においては、正しい再利用の方法を知っておく必要があると思うのです。

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▲こちらは、1月末にWechat(中国のSNS)で出回っていた広東省衛生健康委員会(日本でいえば保健所にあたる)が配信していた、マスクの再利用法。お医者さんがイラストをつけて解説してくれたもので、再利用は良くないものの(改めて強調しておきます)、ここで書かれていることは中国の保健当局が承認した内容であります。

上掲の漫画の(1)(2)(3)(4)のコマは、家にマスクはないし、店で売ってもないし、一体どうすればいいの?ということです。それから(5)のコマで、3つの再利用法が解説されています。私は中国でこの3つとも全部試してみたので、経験も踏まえて、日本語解説をいたします。

(1)蒸して消毒

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▲これは一番カンタン…蒸気で熱消毒する方法です。鍋で3分蒸し、干して乾燥させる…ただ、それだけです。100均にいけば蒸し器がありますから、それを鍋にいれて蓋をして蒸してやればいいわけです。

▲値段はピンきりです。この手の「花ビラ型」の蒸し器は食べ物を蒸した時に洗うのが面倒だったりします。 

▲こういう穴の空いた1枚の鉄板に足がついているだけのものが使いやすいです。百均で売っているのもこのタイプ。ただ、鍋のサイズにちゃんと合うものを注意して選ぶ必要がありますが。 

蒸して消毒する方法は、私が広東省にいる時に毎日やってたのですが、1度失敗したことがあって、加熱しすぎるとマスクが変形して(何かが縮んだ?)使えなくなりました。鼻周りのパーツがおかしくなっていたのですが、密着性が失われると、隙間からウイルスが入ってくるから効力がないわけです。だから、加熱しすぎないように、注意してください。

熱消毒による殺菌法は、マスクを傷めやすいのが欠点です。それと、蒸し器が使えないと殺菌できないのも困りもの。

丁寧に使えば、3回ぐらいは蒸して再利用できるのですが、それ以上は見た目が悪くなくても、再利用せずに新しいマスクを使うようにしておりました。

【追記】シリコンスチーマーが使える?

本記事公開後、ツイッターで「シリコンスチーマー」を利用するアイデアをいただきました。

 ▲こういうものですね。マスクそのものには水分が含まれないので、水で濡らしてから電子レンジにかければいいのかな…もし試した人がおりましたら、上手いコツを教えて下さい。

(2)アルコールで消毒

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▲消毒用のアルコールを噴射して殺菌する…という方法。

新型肺炎のウイルスはアルコールに弱いのです。

両面消毒するのを忘れずに。これは消毒用アルコールがあって初めてできる方法です。今の御時世、消毒用アルコールはマスクと同じぐらいレアアイテムになってますから、入手できますかね?この方法がありがたいのは、アトマイザー(小さい霧吹きみたいなの…香水を入れたりするアレ。百均でも売ってます)を持ってたら、外出先でもマスクを消毒できることですね。

消毒用アルコールって、普段は日本の業務用食材のスーパーなんかで、安く売っているんですけどね…今でもモノはあるのかな?広東省にいる時に友人が消毒液を持ってましたが、残りが少なかったので、マスクの消毒に使ったのは最初の数日だけでした。

この方法はマスクを傷めずに済むので便利ですね。ただ、消毒用アルコールがないからと言って、他のもので代用する時は注意してください。消毒に不向きなものもありますので。大体その手の「注意」はツイッターかネットで検索したら出てきますから、それを参照にしてください。

(3)紫外線消毒

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紫外線ライトで消毒ができるそうです。

「そんなの家にねぇよ!」

という声が聞こえてきそうですが、おしぼりのスチーマーに紫外線灯がついているのもあったりして、飲食店をやってるような家だと、そういうのがあったりするのかも。

▲中国では使用済みの紙幣を紫外線で消毒しているぐらいで、効果は確かなようです。 

私は深センのホテルに宿泊している時に、スリッパを紫外線消毒するラックがあったので、それを使っておりました。 

 ▲こういうものの、大きいヤツですね。意外と高くないんです。

10分間の照射で消毒OKなので、ムラにならないように5分づつひっくり返して消毒しておりました。

紫外線消毒は全くマスクを傷めないので、もしこの装置があるのなら、オススメです。

紫外線消毒器は、前から気になっていたのですが、私は腕時計が趣味でして、夏に汗などで腕時計が臭う…ブレスやバンドに汗が染み込んだりして、雑菌がわくのが嫌なので、買おうかどうしようかと悩んでいたのです。 

 ▲こういう小型のものもありまして。マスクを消毒するだけなら、このサイズでも充分かと。これを機に購入しようかな…と悩んでいるところです。

 ツイッターで教えてもらえましたが、紫外線灯には2種類あって、殺菌用とレジン硬化用は別らしいのでご注意ください。

マスク1枚の効力は4時間

あと、CCTV(中国の国営テレビ局)で繰り返し放送してた、「マスクの正しい使い方」というのがあって、これを全部説明するのは面倒なのでやりませんけど、それによると一般的なマスク(N95またはそれ以外も含めて、不織布を用いたもの)の効力が持続するのは大体4時間程度らしく、1日2枚は欲しいところ。家族が多いと1日に必要なマスクの数もハンパないですね。

だから入手困難な時には、再利用でもして…となるわけですが、冒頭で書いたように、基本はやっぱり新品を使うことです。再利用法はあくまでも参考として、やむにやまれぬ事情の最後の手段として覚えておいてください。 

「SARS予防」緊急現場報告

「SARS予防」緊急現場報告

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/06/24
  • メディア: 新書
 

▲こちらは、SARSの予防法を解説した本ですが、今回の新型肺炎でも参考になります。いま古書でしか入手できませんが、最寄りの図書館にあればぜひ御覧ください。