黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【新型コロナウイルス肺炎】(3)中国と香港の健康状態申請カード

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▲こちらの記事は非常に多くの方々にご覧いただきました。ありがとうございます。

上掲の記事の中で、

中国や香港だと、健康状態を申請するカードを書かされまして、それも自己申告といえばそうなんだけど、一応それが虚偽ではないとサインしたり、連絡先(電話番号、メール)を書いたりするので、もし同じ便の利用客に感染者がいた時に、同乗していた人を追跡しやすくなっているんですけどね。

…と書きましたが、この健康状態申請カードはSARSの時もほぼ同様のものがありました。

最近、中国や香港を行き来するようになった人には馴染みがないので、どんなことを書かなきゃいけないのか、心配される人がいるかも知れません。

私は1月末から2月初旬まで、深センにおりましたので、その時の状況も含めて、その「カード」がどんなものか…それを撮影しに行った時のエピソードも紹介しておきます。

【目次】

(1)深セン口岸閉鎖前の様子と健康申請カード

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▲私が深セン入りしたのは1月28日。1月29日に羅湖の口岸(出入境管理所…香港は中国の一部だけど、一応は一国二制度で別の国みたいな扱いなので、外国との行き来と同じようにパスポートチェックや税関があります。口岸は中国語ですが、面倒なのでそのまま使います)を見に行ってきました。

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▲こちらは深セン商業城から羅湖口岸へ向かう陸橋。なぜこの時に羅湖口岸を見たかったのか…ツイッターで「大陸人が香港に殺到している!バイオテロだ!」というようなツイートをよく見かけたからです。実際どうなのか確認したかった。

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▲羅湖口岸の施設の中に入ると、皆さん普通の観光客っぽい。ファミリーの人が多かったです。で、何やら書き書きしておりました。

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▲一体何を書いているのやら…あれ?大きな青い掲示物がありますね。あれって、なにか重要なことを書いてるはずです。

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▲羅湖税関からのお知らせ。「法律に基づき、あなたとその他の皆さんの健康のため、健康カードを書いていただきます。もし、隠し事やウソがあれば法律に基づき責任を追求されます」という内容。ある種の「警告」ですね。中国のこの手の法律では、感染症拡大などで被害があれば、損害賠償請求されることもありますので。

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▲こちらがその健康申請カード。2種類ありましたが、サイズが違うだけで、内容は一緒です。

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▲小さい方で内容を確認いたしますと…

  • 姓名
  • 性別
  • 生年月日
  • 国籍、いつもいる都市
  • 証明証の種類(パスポート以外に、中国・香港を行き来する中国人や華人は色んなタイプの証明証があるので、こういう選択肢がある)
  • 証明証の番号
  • 中国国内の携帯電話番号(「携帯電話番号」というところに注目…みんな携帯電話持ってるだろうし、携帯電話で連絡するのが前提になっているのです。あと、携帯電話番号でその人の国内での動きをビッグデータで追跡できるのでは…と思われ)
  • 14日間内に武漢に居住or行ったことがあるか、健康状態に関する質問
  • 以上の内容が正確であることを保証する…という署名と日付

…となっております。これで、口岸を通過する旅客の状況を把握できるのと、「ウソは許さんぞ」という警告になっているわけです。

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▲こちらは英語版。

中国の口岸で、この書類を書いて提出する時、ほとんど内容の細かいチェックはしてません。とはいえ、イイカゲンなことを書いてると、あとでペナルティを食らうこともあるでしょうから、ちゃんと真面目に書いて提出した方がいいでしょう。

私は大陸内での携帯電話番号を持ってないので書かずに出しましたけど、特に何も言われなかったです。

ただ、大陸内で長距離バスなどに乗る際に、同様の情報を書かされることがあり、その際には携帯電話番号は必須になってるようです。この場合、私は友人の番号を書いておきました。

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▲健康申請カードを真面目に記入する中国人の皆さん。

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▲健康申請カードを書いて、出境審査の列にならぶ中国人の皆さん。これだけ見てるとかなり数が多く見えますけど…近くのお店の人に聞いてみたら、「普段と変わらん」と言ってましたので、特別多いわけじゃないようでした。

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▲健康申請カードを配る職員さん。手袋にマスクだけじゃなく、ゴーグルもしているところに注目。新型肺炎のウイルスは目からも感染する…という情報があったので、ゴーグルも必須になってるわけですが…

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▲撮影中にバレちゃいましたw。こういう時は逃げるが勝ち。何か大声で言ってたような気がしましたが、振り向かず立ち止まらず、そのまま口岸を後にしました。

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▲羅湖口岸の前は広場みたいになってます。普段ここにはたくさん旅行者がたむろっていますが、閑散としておりました。

羅湖口岸は、2月3日の午後3時過ぎには中国側が閉鎖、2月4日からは香港側も閉鎖となり、現時点では再開の見通しが立っていません。香港・深セン間の出入りができるのは深セン湾口岸だけとなっておりました。

(2)深セン湾口岸から香港へ出る場合、香港の健康申請カード

2月5日、深セン湾口岸から香港へ戻りました。

深セン湾口岸に最も近い地下鉄駅は2号線の「海月」駅になります。距離は1.3km。東へ向かってへグイグイ歩いて、左に曲がったら見えてきます。道路標識とかに書いてますので迷うことはないと思います。

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▲グーグルマップで見ると、こんな感じ。「Haiyue」が「海月駅」のこと。グーグルマップ上で「深セン湾口岸」と書いてるところは間違いでして、実際は地図の上の方(深セン湾税関)に向かって歩いて下さい。

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▲口岸につくと陸橋の上からどこかで見た建物が…これって、去年の香港デモの時に、武警の部隊が駐屯していた体育館ですね。今回接近してみたかったけど、遠目に見るだけしか出来ませんでした。残念。

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▲陸橋を降りて進むと、香港式茶餐庁があって、その角を曲がるとバスのチケット売り場があります。ここで必ず香港での行き先の最寄りの場所まで行くバスのチケットを買って下さい。使えるのは人民元だけです。

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▲深セン湾口岸。このお兄さん、李小牧さん似の色男でした。後ろ姿しかお見せできないのが残念w

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▲皆さん、何かを書き書きしてますね…先程紹介した健康申請カード(中国側)を書いているところです。口岸の建物に入ってすぐ回収されます。

私が深セン湾口岸を利用した際、外国人用レーンはガラ空きで、私を含めて4人ぐらいしか並んでいませんでした。4日にここを抜けた他の方の証言でも、ガラ空きだったそうです。

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▲香港への入境審査の前にこの健康申請カードを書かねばなりません。

基本は、中国の健康申請カードと同じ。私は大陸の電話番号も、香港の電話番号も持ってなかったので(最近の連絡は全てSNSなので)、未記入で提出したところ、ものすごく怒られまして、とにかく何でもいいから電話番号を書かねばならない。そういえば、中国の健康申請カードには、「中国国内の携帯電話番号」とあったけど、香港の健康申請カードには、ただ「連絡電話番号」としか書いてないのです。職員さんに話を聞いたら、日本の電話番号を書きなさい…とのことでした。それと、メールアドレスも必須でした。この点、香港ってやっぱりシッカリしてますね。感心しました。

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▲香港の口岸を抜けたところにあるバス停。ココのバス停って毎度イイカゲンで、チケットを買った時は。「21番へ行け」と言われたけど、実際行ってみると「31番へ行け」と言われ、31番に行くと、「ここじゃなくて28番だ」…と言われました。

2月8日から、香港では中国からの入境者を強制隔離するとかで、いま深センから香港入りする人は少ないと思いますけど、今後またいつか再開するでしょうから、その際の参考になれば幸いです。

【おまけ】オススメの映画『コンテイジョン』

コンテイジョン(吹替版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

▲香港で発生した新種のウイルスが、世界に拡大していく様子が描かれた作品ですが、パンデミックが発生する状況を映像で解説した教科書的な内容…と言いましょうか、現実感がありすぎて、フィクションに見えない映画です。私は2003年のSARSの記憶が生々しいので、去年この映画を見てみたくなったのですが、そのお陰で、今回の新型肺炎の件も、切実に対応出来ているように思います。今だからこそぜひご覧頂きたい名作です。