【YOUTUBE】『「地図にない軍用空港」中国の脅威“最前線”に迫る』
— 黒色中国 (@bci_) 2021年3月14日
カメラが向かったのは、台湾海峡に面した福建省・寧徳市。習近平国家主席が30代後半のころ、自治体トップを務めたゆかりの地です。そこである“異変”が起きていました。https://t.co/6z55NXklJM
毎朝、YOUTUBEで中国関連の動画をチェックしているのですが、これを見つけた時には、驚いてすかさずツイートしたのを覚えてます。日本の民放のニュース枠でやるには、かなり内容がすごかったのです。現地取材をした日本人スタッフは、スパイ容疑で逮捕されることを一切考えなかったのか?と。
ただ、この動画を後で見ようとしたら、「非公開」になっておりまして、変だな…と思っていたら…
每次看到这样的新闻,我就很奇怪,明明外媒已经把机场的高清照片都摆出来了,然后中国媒体又自己把照片涂模糊,这种脑残行为究竟是为了什么? pic.twitter.com/uIG07VQbhg
— Yin Sun|孫寅 (@SSSY1986) 2021年3月16日
▲こちらのツイートが回ってきました。やっぱり問題になってたのですね。そして…
【重要】『日本メディアが福建省の軍用空港をこっそり撮影、中国紙「スパイ行為だ」』
— 黒色中国 (@bci_) 2021年3月17日
米華字メディア多維新聞は、日本メディアが福建省で軍用車をこっそり撮影して報じたとして、中国政府系紙・環球時報が批判したと報じた。https://t.co/uwT0YnZG7Y
▲環球時報も批判した、と。ようするに国際問題になっていたのですね。
元の動画は削除されてますが、まだ残っている情報を元に、報道内容を再現。そして、私の方で見つけた関連情報も追記しておきます。
【目次】
- 【追記】動画ありました
- インターネットアーカイブで文字起こしの記事は読めます。
- 実は去年11月に毎日新聞が報じていた
- グーグルマップで場所を確認できます
- 空港のそばに謎の施設
- 「地図にない軍用空港」は他にもある
- ちなみに、馬暦坪空港のすぐ近くに…
【追記】動画ありました
▲私のブログ記事の公開後に気づいたのですが、ウェブアーカイブに削除されたYOUTUBEの動画が残っているのを教えていただきました。ありがとうございました(^^)。
以下の文章は、動画発見前の内容になります。
インターネットアーカイブで文字起こしの記事は読めます。
▲本来は、こちらにも動画が貼り付けられていたようですが、動画は見えなくなっても、文字は残っております。
実は去年11月に毎日新聞が報じていた
▲有料記事で、途中までしか読めませんけど、テレ朝が報じたのと同じ空港のことですね。タイトルが、「米国と世界 地図にない最前線 福建省、台北まで260キロ 中国、山中に軍用空港」で、もしかしたらテレ朝は、この毎日の記事をベースに取材をしたのかな?
グーグルマップで場所を確認できます
毎日の記事によると、「地図にない軍用空港」は、「中国福建省の寧徳市霞浦県」にあるとのこと。
▲グーグルマップで検索したらすぐに出ました。かなり広い範囲ですが、緑に覆われた中に、ぽっかりと一文字の形で、開けた場所が目立ちますね。
▲地名にちなんで、仮に「馬暦坪空港」(マリピンくうこう)と呼びましょうか。
▲グーグルアースで3Dの画像を見ましたが、この地域の高台になっている山の上を空港に建設したようです。
▲空港の東側には迷彩塗装の格納庫?らしきものが…全部で24個。単純に考えれば24機ですか。
空港のそばに謎の施設
「格納庫」の北側を見ると、「加油站」(ガソリンスタンド)と見えますが、それらしき雰囲気ではありません。グーグルマップの衛星写真は、地図とはズレるのでそこは無視するとして(そもそも県道973号線はここを通っていない)、この施設…一体なんでしょうね?グラウンドらしきものが見えるから学校?かな。
▲(クリックで拡大できます)グーグルアースで3D画像を引っ張ってみると、「学校」は、馬暦坪空港に隣接してますけど、そもそもこの周囲は農地ばかりで山の上だし、わざわざこんな立派な学校を作るような立地じゃないと思うのですね。たぶん、パイロットの宿舎で、グラウンドでトレーニングとかしてたりするのでしょうか。
* * * * *
テレ朝の番組が用意した衛星写真では、黒っぽい戦闘機と、白っぽい戦闘機がたくさん写ってまして、黒いのはたぶんJ-20(ステルス戦闘機)かな…という感じでした。だから、馬暦坪空港が軍用空港であるのは間違いない。
でも、レコチャイの記事を見ると、環球時報は激おこで、
「日本メディアの報道に明らかな脚色があった」
と書いて、捏造みたいな言い方してますけど、最後のシメは、
「日本メディアによる軽はずみな行為は中国の民衆の反感と警戒を呼び起こし、中国で普通に働き生活する日本人にまで影響を及ぼすことになる」
という「脅し」になってまして、中共的には、かなり痛かったのでしょうね。
「地図にない軍用空港」は他にもある
実は、私が昔よく行ってた友人の家も、昼夜関係なく、ジェットエンジンの轟音が鳴り響くことがあって、聞いてみたら、軍用空港があるとのことでした。地図にも載ってないし、その周囲を探っても、いろいろな障害物に囲まれていて、中を覗き込めない。そこからスクランブル発進をしているとかじゃなくて、軍用機の試験場?という噂でしたが。
▲こちらでも書きましたけど、中国で本当に行っちゃダメなところは、何も書いてないのです。「ここは軍事施設だから立入禁止です」と書いちゃうと、そこに重要な軍事施設があるのがバレちゃうので。「軍事禁区」の看板が出てるところもあるけど、そこは隠すまでもなく堂々たる軍事施設なので、とりあえず書いてる、みたいな。
動画を見てると、テレ朝のカメラが、馬暦坪空港のかなり近くまで接近して、地元民に聞き込みをしていたので、大丈夫かな?と心配だったのですが、私の友人の家の近くの試験場と同じく、付近に行くのはOKでも、報道しちゃマズイ場所だったようですね。
ちなみに、馬暦坪空港のすぐ近くに…
一連の報道を見ると、
「あんなところに軍用空港を作って、台湾や尖閣をねらってやがるのか!ケシカラン!」
という人も多いとは思いますが、ちょっと落ち着いて地図をよく見て下さい。
▲上の丸で囲ったのが馬暦坪空港。下の四角で囲ったのが馬祖列島。馬祖列島は水色の点線で結ばれてますけど、これは台湾につながってます。ここって、台湾が大陸近くで持っている領土なのですが、
▲北竿空港と南竿空港という2つの空港がある。
現在は共に民用で、軍用じゃないそうですが、台湾は福建省寧徳市のすぐ近くに、アレだけの立派な「足場」を持っているわけで、有事の際を考えると、尖閣や台湾本島の件とは別で、中国が軍用空港の1つぐらい持ってても、おかしくはない立地ではないのかな、と思います。
最後の最後に中国擁護みたいなオチになっちゃいましたけど、テレ朝の報道では、こういう基礎的な情報が抜け落ちていて、環球時報が言うのとはまた別の意味で「恣意的」すぎるように思ったので、付け加えておきました。
▲一応、こちらの本にも馬祖列島の情報は掲載されているようです。