中国の街中に「足浴」とか「洗脚」と書かれた看板を良く見ますが、アレはいわゆる足マッサージ屋でして、大きなオケに温かい薬湯を入れて、そこに足を浸してしばらく経ってから、マッサージをする。足の血行が良くなって、疲れも取れる。私も以前よく行きました。
しかし、アレは店だけでやるものではなくて、中国人だと一般家庭の中でもやってますね。私の友人もよくやってました。大きめのタライにお湯を入れて、しばらく浸しておく。すると、足の皮膚がふやけて、こすってやると汚れが落ちる。
日本に帰ってきてからも、冬になると足湯をよくやるのですが、最近専用のタライを購入してツイッターで写真を投稿してみたところ、
非常に好評だったし、質問も多かったので、ブログで「自宅での足湯のコツ」をまとめて書いてみようと思いました。
【目次】
なぜ足湯なのか…全身浴で足の汚れ・疲れはちゃんと取れない
北京の友人が自宅で足湯をやるのは主に冬でした。冬だとお風呂に入るのが面倒なので、毎日は入らなかったりする。シャワーだけとか、ちょっと身体を拭くだけだったり。不清潔に思うかも知れませんが、アチラの冬はとても寒いし、日本みたいにお風呂にカンタンに入れる住環境ではなかったりするので仕方ないのですね。
ただ、足だけは冬でも汗をかいたり、角質だの老廃物がたまったりで、キレイにしないとすぐ臭くなります。髪を洗って、足湯をやっていれば、数日風呂に入って無くても、清潔は保てるものです。
ただ、お風呂にちゃんと入っていても、足湯は別途やっておいた方がいい。なぜそうなるのかと言いますと…
- 足の汚れを浮き出させてキレイにするには、全身浴で入るお湯よりも、温度高めで、長時間足を浸した方が良い。つまり、全身浴のお風呂で足の汚れがちゃんと浮き出るまで入っていると、熱すぎの長湯でのぼせてしまう。全身浴では足の汚れをちゃんと落とせないのです。
- だから、全身浴とは別で足湯をやる。タップリの熱めのお湯に足を長時間浸して、足の皮膚をふやかして老廃物をこそぎとる。
- 中国で足湯の時に入れる漢方薬?みたいな粉末があって、これがちょっと臭い。アレを入れて全身浴をやったことはないけど、たぶん全身浴でアレは使わないのではないか。足湯の時は足湯用の入浴剤を使って、ニオイや疲れを取るので、やはり全身浴とは別で足湯をやる必要がある。
- 足湯用入浴剤には、水虫用のものがあって、これが非常によく効く。だから、足湯をやる必要がある。
日本人に足湯をすすめると、「お風呂に入る時に足も浸かっているのだから、足湯の必要はないのでは?」とよく言われるのですが、上記のように、全身浴と足湯は別で考えた方がいい。足の汚れ、足の疲れをしっかり取るなら足湯しかないと思うのです。
足湯用のオケは専用で大きいのが一番
今まで私は100均で売っているオケとか、バケツを使って足湯をやってましたが、あれは小さすぎてよくないのです。バケツ2つ買ってきてやったこともありますけど、それでも窮屈で使いやすくありませんでした。
今はネットで足湯専用のオケを売ってますので、それを購入した方が良いです。
▲私が買ったのはこれ。他にも、安いもの、小さいものがあるのですが、足湯用のオケは大きいのがベストです。
▲なぜかと言うと、足湯の際は、オケの中で何かと足を動かすので、お湯を容器イッパイに入れてしまうと、すぐにこぼれてしまいます。この写真で見てもわかるようにお湯は半分からちょっと多めぐらいまでしか入れません。
その上で、冬なんかだとお湯が冷めやすいので、長時間足湯を楽しもうとしたら、オケが小さいとすぐに冷めてしまいます。オケが小さいと差し湯もしにくい。「足のサイズ30cmまで」と書いているので、女性にはそこまで大きなのは不要と思われる人もいるかも知れませんが、女性でもこのサイズを買っておくのをオススメします。
▲それと、オケの底のデコボコで足裏マッサージができるのも便利ですね。座って足湯をするのではなくて、立ち上がって足を動かして体重をかけて、足裏を刺激する。そういうのをやりだすと、やっぱり小さいオケでは不利です。足湯用オケは大きいのがベストです。それと、足湯用のオケは、普段はバケツの代わりにも使えますから、無駄になりません。
入浴剤
中国で売っている足湯用漢方薬?は、日本では入手不能なので、私は普通の入浴剤を使ってます。
▲こういうの、スーパーとかホームセンターに行くと売ってますよね。「バブ」は有名なだけあって、ちょっとお高いのですが、「バブ」以外だと結構お安いものです。それとなぜかこの手のものってたまに叩き売り状態で大安売りやってますね。長期保存しても腐るようなものではないので、私は大安売りしている時にまとめ買いしてます。
▲足湯をする時は、下にバスマットを敷いた方がいいです。
足光粉(水虫用)
▲中国や香港だと、こういうものが売ってます。「足光粉」は商品名と思いきや、一般名詞のようです。
▲百度百科にも載ってました。
▲これは四川省成都で作られているもので、私は香港で買いました。
「药浴型治癬良药」(薬浴型治癬良薬)…つまり、薬湯タイプの癬(皮膚病)を治す良薬…という意味ですね。
これは確かによく効きます。
水虫で足がボロボロになっていても、これを使うとスッキリキレイになりました。
ただ、効きすぎて怖いw。
普段から足湯で足を清潔にしていたら、水虫にもなりにくいと思いますけどね。
私は足湯をキッチリやるようになってから、水虫にはほとんどならなくなりました。
黒酢
▲四川省だと、足湯の時にお酢を入れる習慣があるそうです。私も一度試したことがありますけど、酢が足に染みて、疲れが溶け出るような気がします。実際の薬効はどの程度あるのか不明ですが、気持ちいいのは確かです。四川省で足湯の時に使うのは、保寧醋だそうですが、アチラだと足湯専用の醋も売ってるのだとか。写真の醋は食用ですけど、日本でも安く売ってます。
他に必要なもの
私のオススメとしては…
- 石けん…足を洗うのに使います。
- 軽石…足をこすって角質を取るのに使います。百均で売ってるような安物でも十分です。
- 使い古しの歯ブラシ…足の裏とか指の間を洗うのに使います。
- タオル…足湯の後に足をふくのにも使いますが、足湯に浸かっている間に、やたらと手が濡れる事が多く、それを拭くために用意しておきます。
黒色中国流・足湯の奥義
私のコツを書き出すと、次の通りです。
- お湯は熱めにしておく。どうせすぐ冷めますので。足を入れられないぐらい熱いところから始めて、少しづつ冷めるのを待って足を入れていく。
- 手で感じるお湯の温度と足で感じる温度は違うので、手で「これぐらいなら大丈夫だろ」と思っても、足を入れたら熱くて飛び上がりそうになることってあります。誰かに足湯してあげる時は温度に注意してください。
- 長時間浸すのが好きな人は差し湯も用意してる方がいいです。
- 入浴剤か醋を入れる。他にアロマオイルを入れる人もいるようですが、そのあたりはお好みでご自由にどうぞ。
- 足の皮膚がふやけるぐらいまで浸してから、皮膚を指やツメでこすってやると、垢が出始めます。そこまでいったら、泡立てた石けんで足を洗ってやります。こうすると更に垢や汚れが落ちやすくなります。
- それから、軽石や歯ブラシを使ってゴシゴシやります。驚くほど汚れが出る。
- 中国人だと、カミソリを使って、足表面の角質を削り取ったりするのですが、これを中国語では「修脚」と書きます。店でプロにやってもらうと、彫刻刀みたいなのでコリコリと削ってくれる。やり終えると、足のサイズがちょっと小さくなったのではないか…と思うぐらい角質を取り除いてくれます。ただ、これはキケンなので、素人はやらない方がいいです。私の友人が、中国の足マッサージ屋で修脚をやってもらったのですが、道具や足の消毒がシッカリしてなかったので、足が膨れ上がって、靴に足が入らないぐらいに膨れ上がってしまったことがありました。
- 軽石や歯ブラシでゴシゴシやる時も、やりすぎにはご注意を。後でシッカリと消毒しておくのをオススメします。
- 何度か足湯をやって、角質・老廃物が取れてくると、子供の頃みたいなキレイなたまご肌みたいな足が戻ってきます。歳を取ったら、足の裏の皮膚なんかガチガチで汚いのが普通だと思ってたのですが、ちゃんと熱いお湯でふやかしてキレイにしてやると、かなり改善するものなのですね(個人差はあると思いますが)
- 基本、寝る前にやるのがベストです。足湯をやると、身体がホカホカして、貯めてた疲れが出てきて、グッスリ眠れます(個人差はあると思います)。
女性とか、高齢の人にマッサージも込みでやってあげると、非常に喜んでもらえますね。足湯用のオケさえ用意できたら、後はカンタンなので、ぜひお試しください(^^)