長年、カメラを使っていると、ストラップへのコダワリが出てくるわけですが、私はカメラについてくるメーカー名入りのものは使いません。
なるべく細めで、柔らかいものを選んで愛用しています。それは、私のストラップの使い方がちょっと特殊だからそうなってしまうわけですが、今回はその件について書いてみようと思います。
【目次】
1)アルティザンアンドアーティストのストラップ
昔、カメラ雑誌で読んだと思うのですが、赤瀬川原平さんがライカにアルティザンアンドアーティストのストラップを愛用しているのを知って、私も購入しました。もう10年以上使っています。
▲現行商品では、こちらになると思います。
アクリルの布地は柔らかく適度に腰があって、首への負担にもなりません。どんな服装にも合うし、丈夫で長持ちします。
昔は革ストラップを愛用しましたが、革は劣化すると突然切れることがあり、汗を吸収して臭くなることもあり、使わなくなりました。
幅広のナイロン製ストラップを使った時期もありましたが、あれって首に痛かったり、裏地に滑り止めがあるタイプだと返って滑りにくすぎて使いにくかったりするのです。
いろいろこだわって使っている内に、アクリル製のアルティザンアンドアーティストのものに行き着きました。
2)手首への巻き方
私がなぜこの細く柔らかいストラップにこだわって使っているのかと言うと…
▲こんな風に手首に巻いて使うからです。
首から吊り下げていると、その可動範囲の中でしかカメラを構えられません。
D3400は軽いため、長時間片手で持ち続けることが可能で、こうして手首に巻き付けておくと可動範囲が広く、とっさに色んな構えで撮影ができますし、ウッカリ手が滑って落とすこともありません。
リアルでカメラを持っている人を見ると、ストラップを手首に巻き付けている人は、そこそこいるわけですが、巻き付け方は各人それぞれの「お作法」があるようです。
私の場合は…
▲(1)ストラップは最も短くセッティングしておき、ストラップの上から腕を通す。
▲(2)時計回りで右に1回転させて手首に巻く。この時にしっかり引っ張って「たるみ」を無くしておくのがコツ。
▲(3)また上から下に手を抜いて、次は反時計周りでストラップを手に巻き付けたら出来上がり。
これでシッカリと手首に巻き付きながら、ストラップが邪魔にならず、可動範囲も大きく、自由にカメラを構えることが可能になるわけですが、デジタルカメラ時代に、この巻き方は1つの問題があります…
▲ストラップが液晶画面を塞いでしまうのです。撮影後の画像を確認する時や、設定を変える時に毎度イライラさせられます。
▲もしくは、ファインダーを塞いだりして、とっさに構えて覗き込んだら真っ暗で何も見えない!ということもタビタビあるのです。
3)縦吊り化パーツを探す
ストラップがカメラの左右両端に取り付けられている限り、この問題は解決しません。そこで考えたのが「縦吊り」化です。昔のライカM5とかライカCLなんかで縦吊りがあって、ライカの世界だと縦吊り派は少数ながら存在します。三脚穴を利用した縦吊り用パーツもあります。
ただ、ニコンD3400は三脚穴がカメラの中心近くにあるので、ライカ用の縦吊り用パーツを使うと、重心が微妙で使いにくいです。
▲そこで用意したのはこちらのアクセサリー。
▲これを使うと、ストラップを手首に巻き付けずとも、片手でカメラをホールドしやすくなるんですけど、これって自由度があまりなくて、結構窮屈なのです。それと、これだけだと首から吊るせません(※このグリップを使いつつ、ストラップを左側で縦吊りする方法はあるのですが、それだとグリップ使用時はストラップが邪魔で使いづらいのです)
撮影時に、ちょっと中断して両手を使いたい時は頻繁にあるわけで、手首に巻いているストラップをほどいて、首に吊るせる方が便利です。
▲そこで、グリップを取り除いて、このパーツだけを利用します。
▲裏を見るとこんな感じ。これだと三脚穴に取り付けて、ストラップを通す部分は右にあるので、ちょうどいい感じで縦吊り化できるわけです。
▲三脚穴の位置は縦に移動できるので、カメラに合わせて調整できます。
4)「ツメ」を削る
▲ところが、この「ツメ」が邪魔でして…
▲D3400に取り付けると、微妙なところに当たるのです。
▲液晶画面の縁(へり)に当たるのですね。
▲微妙に浮いてます。
▲「ツメ」が邪魔して、ストラップホールが端にズレてしまいます。
▲そこで、ツメを削ってやることにしました。
▲止めネジを外して、少しづつ削ってやりました。
▲ツメを削ると、適切な位置に取り付けられます。
▲ツメを削ってやっても、このパーツが全面的にカメラの底に張り付くように固定できるわけではなく、ちょっと浮くのは変わりないのですが…
▲ツメを削ってやると、カメラ本体のストラップホールと位置がほぼ一緒になります。
▲ストラップを通してみました。
▲これで完成です!理想的な「縦吊り」が実現しました。
5)縦吊り化の効果
▲縦吊り化すると、ストラップはカメラ右側の上下に取り付けられて、左側のストラップホールを使わないので、ストラップを全部右側に集中できます。
▲縦吊り化して手首に巻くとこんな感じ。
▲ストラップが液晶画面やファインダーをふさぐことはありません。
6)エントリー機でしか出来ないことがある
▲私がD3400みたいなエントリー機をこだわって使うのは、手首に巻いて長時間使っても、苦にならないからで、カメラ本体(バッテリー含む)と標準ズームレンズを組み合わせても、650gにしかなりません。私は主に、中国旅行の際、一日中カメラを手にして手当たり次第に撮影するので、軽量小型のカメラが必須なのです。
フルサイズ機で、手首に巻いて使っている人もいるでしょうけど、フルサイズになるとレンズも大きく、重くなるので、長時間の撮影になるとかなり苦しいと思うのですね。私もフルサイズ機の購入を何度も検討したのですが、自分の撮影スタイルを変えるのがイヤだったので、やっぱりD3400に落ち着いた…という経緯があります。
軽いカメラを手首に巻くスタイルだと、いきなり超ローアングルとか、高く持ち上げてライブビューで撮影とか、適当にノーファインダーで撮影したり、自由度が非常に高いので、これに慣れると首から吊り下げるスタイルには戻れません。
エントリー機を使っていると、「格下」扱いを受けることがあるのですが、自分の撮影スタイルに合わせた選択肢があるわけで、エントリー機でないとできないこともある…その点、D3400は私にとって最適のカメラだったと思うのです。