デジタル人民元について、構想が出てきた頃からずっと着目していたのだが、全体像を理解できる情報がなく、誰か本を書いてくれないだろうか…と思いつつ待っていたら数年がすぎ、この8月になって突如3冊が刊行された。
『デジタル人民元 紅いチャイナのマネー覇権構想』はその1つだが、著者は他でもない中川コージさんである。ツイッターで彼の非常にわかりやすくディープな中国観を拝見していたので、迷わずポチったのであった。
ワニブックスに新書があったのは初めて知った。そういえば最近、中国関連でワニブックスはがんばっているようだ。そういう意味でもこの本には注目した。面白いことに本書は紙版だけで、Kindle版が存在しない。
価格は税込みで1045円。新書としては高い方だが、全271ページで分厚い。「中身」もシッポまでアンコが詰まったムチムチのプリプリ…中川コージさんのお話をこれだけのボリュームでガッツリ読めるのだからコスパは良い。
▲まだ全部読んでいないのだが、デジタル人民元の始まりから説き起こし、米中対立、マネー覇権と続き…基軸通貨、中国の金融国際化、貿易商圏の拡大、一帯一路、人類運命共同体構想(習近平の演説などでよく出てくる)と、デジタル人民元が関わる全分野を解説してくれている。私が欲しかったのはこういう本だ!\(^o^)/
▲最後、「日本はこのゲームをどう戦うか」という章で締めくくられるのだが、こういう我々が知るべき結論を曖昧にせずにコンセプチャルに組んでいくのは中川さんらしい。
▲ただ、気になったのは最後の方にある「紅くもなく、黒くもない…」の箇所だ。
▲「黒くもないチャイナ情報」!うむむむむ…
ともかく、中身をキッチリ読み込んで勉強させていただきます(^^)