黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

スピンキャストリールと開高健さん

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昔から気になっていたスピンキャストリールをようやく購入できた。「シェイクスピア」というメーカーの「シナジーTI6U」というモデルである。

シェイクスピア・シナジーTI6U

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これは、スピニングリール用のロッドにつけて使うタイプで、「アンダースピン」と言われるタイプのものだ。中国を旅しながら釣りをしていると、スピニングリールのベール(あの曲がった針金みたなの)が歪むんじゃないか…と心配になる。それと、スピンキャストリールは何かと嵩張るので、もうちょっとコンパクトで、ベールが曲がる恐れのない、簡単に扱えるリールがあれば…と思ったのである。

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色々比較・検討してみたのだけれど、このシェイクスピア・シナジーTI6Uは、コンパクトな割に性能も優れていて、値段も安いのがわかった。それでもボールベアリングは2つ入っている。重さは7.6オンス(約215グラム)

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「シナジーTI6U」の「TI」は「チタン」の意味と思われる。この、ラインのこすれる部分(「ラインガイド」という)がチタンコーティングになっている。

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それと「ピックアップ」と呼ばれるラインを巻き取るための「爪」もチタン製であるらしい。

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ダブルピックアップ」といって、チタンの突起が2つ付いている。巻き上げを始める時に、ピックアップが1つだけだと、最初の巻取りが始まるまで時間がかかる。2つ付いていると巻き上げの開始が早い。それと、ピックアップが2つあることでラインとの摩擦で摩耗するのを分散できる。

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ドラグはここにある。結構操作しやすい。ドラグパワーが幾らなのか不明だが、結構しっかりしている。そもそも大物を釣るようなリールではないので、あまり無理はしない方がいいだろう。

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BAIT CLICKER」は巻き上げた時に「カリカリ」という音がなる機能。ドラグが利いてラインが出ると同じ様に「カリカリ」と音がなる。つまり、ライン・アウト・アラーム標準装備。

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通常、スピンキャストリールはボタンを押してラインの操作をするけれど、アンダースピンの場合は、こちらのレバーで操作を行う。

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ハンドルは右左どちらでも対応可能。

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スピンキャストリールは大きく分けて、重量10オンス(283g)を超えるものと、それ以下のクラスになると思う。

小物用リールなのでなるべく軽いものを、そしてチタン製ラインガイドと、デュアルピックアップでチタンを採用しているもの、なるべくボールベアリングが多いものを…と探していると、TI6Uに辿り着いたのである。これはまた後日使用感をレポートしようと思う。

スピンキャストリールと開高健さん

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そもそも、スピンキャストリールには憧れていた。昔、中国留学の時に購入した開高健さんの『私の釣魚大全』を読んだ影響である。

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文庫本の裏を見るとこんなラベルが…北京留学中に、工人体育館のそばにあった中国図書進出口公司で買ったもの。当時はそこでしか日本の書籍は買えなかった。元が440円の文庫が、人民元で58元である。よーく見ると、このシールの後ろに「FEC40.00」と見える。FECとは「外貨兌換券」のことで、昔外国人は中国の銀行で人民元に直接換金してもらえなかった。FECが通用していた時代にこの文庫本は北京に持ち込まれて値付けされたのだけど、売れ残ってFECが廃止された後に新しい値札のシールを貼られたのである。

昔、私が北京に留学していた時も、市内の公園などで釣り糸を垂れている人を結構みかけた。北京で釣りをする、という発想が全くなかったので、道具は持っていかなかったし、現地でもどこに釣具店があるのかわからなかったので、釣りはまた次回に…と思いながら、この本を読みふけっていたのである。

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この本の中に、「クローズド・フェイス・リール」という言葉が出てくる。これはスピンキャストリールの別称である。開高健さんが北海道でイトウを釣る時に、スピンキャストリールを使うのだが、私はスピンキャストリールをオモチャと思い込んでいたので、それでイトウを釣ろうというのが驚きだった。以来、ずっと憧れていたのだが、ずっと購入の機会を失ったまま、今回ようやく小物釣り用として購入に至ったわけだ。小さいながら、長年の夢が1つ叶った。

私の釣魚大全 (文春文庫 か 1-2)

私の釣魚大全 (文春文庫 か 1-2)