中国でコイ科大型魚を釣り上げるべく、鯉釣り修行を始めることにしましたが、伝統的な手竿によるウキ釣りとか、ブッコミ釣りよりも、パンコイは簡単で必要な道具も少なく、鯉を探して釣り歩く「攻め」の釣りができますから、まずはパンコイで訓練することにしました。
【目次】
パンコイとは?
これはググれば詳しく解説してるサイトがたくさんありますから、こちらでは説明はしませんけど、簡単に言えば食パンをエサにして釣る方法です。コイは水面に浮いているものを吸い込んでしまう習性があるので、それを利用した釣法になります。ずっと鯉を観察していると、落ち葉を吸い込んだり、ペットボトルのキャップを吸い込んだりしています。もしそういう状況を見かけたら、じっくり観察することをオススメします。鯉の吸い込みの間合いがわかります。
日本のコイは、普段から付近住民からパンをもらっているのでパンで釣れるのだ…という説もあるんですけど、試しに中国の公園の池で、小さいフナに焼餅をあげたら喜んで食べておりました。
もしかしたら中国ではフナに焼餅を与える習慣があるのかも知れないけど、たぶん中国のコイやフナでも食パンを食べるはず。食パンを食べなければ、焼餅とかマントウとかギョウザをエサにすればいいわけです(ギョウザは浮かないと思いますけど)。
私の釣り方
パンコイについて解説しているサイトは他にもありますけど、中国のコイ科大型魚を釣ることを前提に試行錯誤しております。こういうのは他の皆さんの参考になるかも…と思いまして、こちらに紹介しておこうと思います。
- ロッドは長いものを使用する
日本でパンコイをやっている人を見ると、バスタックルの流用がよく見られますけど、私は9フィート6インチの固めのスピニングロッドを使っています。▲ちなみに私が現在使用しているのはこちらになります。
ロッドが長い方が、ノーシンカーでもよく飛びますし、大物と余裕をもってやりとりできます。コイは一度かかると大暴れして逃げまわりますけど、長いロッドの方がやり取りも楽。コイが岩陰に回り込んでラインを切ろうとする時も長いロッドの方が回避しやすいです。
それと、中国で釣り旅をする時にはあまりたくさんのロッドを持ち歩けないので、なるべく長く伸ばせるテレスコロッドを用意するようにしています。なので、パンコイの場合もこれを流用するのを前提にしました。それとしっかりしたロッドの方が寄せやすく、魚を傷めませんからこの点でも有利です。
それと、鯉は巧みに逃げまわって水中の岩などにラインを擦って切ろうとしますから、リーダーは余裕をもって長めにしています。太いラインとリーダーを結ぶと結び目が大きくなりますし、そうなるとガイドにひっかかりやすくなり、あまり飛ばなくなる。結び目がガイドに引っかからないように、ラインを出してしまうと、短いロッドでリーダーが長い場合、非常にキャストしにくいので、やっぱり長いロッドでなければ…と言う結論になるわけです。 - リールは4000番のスピニング
食パンをノーシンカーで遠くに飛ばすためには、スピニングタックルでないとまずは無理です。私は4000番のスピニング・リールにPE3号を100m巻いています。ドラグ9kgのリールで8割ぐらいドラグを締めた状態で70cm台の鯉をヒットさせたことがあるのですが、その時はヒットから数秒の間に30mほど走られました。鯉は全く油断なりません。▲ちなみに私が使用しているのはこれ。ラインがオレンジ色なので、水面にパンを流すパンコイでは、ラインが見やすくて非常に使いやすいです。
40ポンドですから18kgぐらいまで対応可能。コイが逃げまわり始めると、岩で擦られて、この太さでも油断しているとあっという間に切られます。 - リーダーはフロロの25ポンド
▲私が使用しているのはこれ。ヤマトヨテグスのフロロショックリーダーの一番太いものです。これは日本だと何処にでも手に入ります。上海でも太いフロロショックリーダーを探しましたけど、25ポンドが最も太いものでそれ以上はありませんでした。上海でそれを買うと90元もしましたので、フロロショックリーダーは日本でまとめ買いして持って行った方が良いです。
これを1ヒロ出して電車結びでPEラインにつなげます。
あんまりリーダーが太いと鯉に悟られやすいかも知れませんが、日本で試してみる限り、見切られるのは3分の1くらいの確率。それがリーダーのせいかは不明ですけど。中国の水は透明度が低いのでたぶん大丈夫じゃないかと思います。それに、これより細くなってしまうと、メーターオーバーの大型魚を狙う上では心配になってきます。そしてこれよりも丈夫なフロロラインになると、硬すぎて水流に流した時に不自然な動きになるかも知れない。当分はこれで試してみようと思っています。 - フックは2種類を使い分ける。
上は2号のオフセットフック。下のはマス針です。
飛距離を稼ぐために大きめのパンをつける時はオフセットフックを使いますが、それだと食いが悪い時がありますので、普段はマス針を使用しています。オフセットフックのサイズは80cmぐらいまでの鯉が対象なら2号が丁度良いと思います。私はパロマーノットで結んでいます。あまり細い軸のものだと、大物をかけた時に曲がってしまいます。最近は中国で購入した大きめの軸の太いマス針を使用しています。写真のマス針はちょっとカエシが残っているように見えますけど、実釣の際には必ずカエシを潰しています。その方が釣り上げた後が楽です。
- ウェーディング
釣り場の状況にもよりますけど、パンコイの場合はウェーディングした方が絶対に有利です。岸からのキャストだと、流れに上手く乗せてコントロールしにくいことが多いです。それと、フッキングした後でも、岩場に回りこまれそうになったりしますから、なるべく自由に動ける範囲を広げるためにウェーディングした方が良いと思います。ロケーションにもよりますが、鯉釣りの場合、チェストウェーダーまでは要らないと思います。ヒップウェーダーで充分です。あまり深場に入り込もうとせずに、ポイントを変えた方が効率がいいと思います。
それと、鯉は陸にあげると暴れまわるので可哀想です。魚体が傷んでしまいます。水中だと結構大人しいので、ランディングの時はウェーディングして、フィッシュグリップを使いながらも水中から引き上げず、魚体に負荷がかかならないように水中でフックを外してリリースするようにしています。 - 考え方
日本の私の周囲でパンコイをやっている人を観察していると、短いバスロッドを使うため、飛距離を稼ぐごうと大きいパンをつけて投げるけど、それだとバイトしてもフッキングしにくいので逃しやすい…というのをよく見かけます。
私の場合は、針を隠れる程度の小さいパンしかつけません。それを長いロッドを使ってなるべく遠くへ飛ばす…という考え方です。フロートリグも使用しません。
長いロッドで遠くへ飛ばし、パンが自然に流れるようにコントロールする。これが基本です。狙っているポイントより少し上に投げ込んで、流し、食わせる。食わせる予定のポイントにパンがさしかかる時に、リーダーがパンより下流に流れないようにキャストの位置を工夫するのがコツです。パンが鯉の目の前に流れて来る前に、リーダーやメインラインが流れてくると、鯉に察知されてしまいます。特に色のついた太いPEを使っていたりすると感づかれやすいように思います。
ポイントのお陰もあるとは思いますが、上記の方法で、1日に10匹ぐらいは余裕で釣れます。と言っても私はまだパンコイを初めてまだ数ヶ月。全部で25匹しか釣り上げておりませんけど。とにかく現段階での私の釣法としては上記にまとめた通りです。