▲この後で、何度か実釣でアンバサダー4600c3のテストをしてみたのですが、思いがけずバックラッシュ問題が解決しておりました。
なぜ解決できたのかは不明なんですけど、この件でお困りの同志の皆さんは結構いるみたいなので、私がどのように問題を解決したのかを記録しておきます。
実験は9gのワームで
▲実験には9フィート・ミディアムのベイトロッドに、9gのジグヘッドワーム(コアマン・パワーヘッド+アルカリ)を使用してます。
4600c3に約4号のPEを巻いて飛ばす場合、最軽量で6gぐらいが限界ですが、9gだとかなり余裕を持って飛ばせます。慣れると50m以上は飛ばせました。
▲ロッドについてはこちらを御覧ください。
【実験結果】4点ブレーキは必要なかった
▲4点ブレーキに交換していたのですが、全くバックラッシュしない…サミングせずにルアーを着水させてもバックラッシュしませんでしたw
つまり効きすぎているのですね。
そこで元の2点ブレーキに戻して投げてみたところ、9gのジグヘッドを投げている分にはほぼバックラッシュしませんでした。
「ほぼ」というのは、
- 逆風がキツイ状態。
- 軽すぎるルアーを投げた時。
- 勢いをつけすぎてキャスト直後にバックラッシュ。
- キャスコンを完全に緩めた状態。
▲これらの状況の時はバックラッシュが発生したためです。ただ、どれも軽微ですぐに修復できました。
たぶん数百回のキャストをしてますけど、ひどいバックラッシュにはなりませんでした。
【実験結果】「浸水バックラッシュ」もなかった
丸アブは長く使うと、ブレーキ部分に水が入り込んでバックラッシュが起きる…とよく言われますが、全然発生しませんでした。
▲実は5年前の「近代化改修」でも同様のことを書いているのですが、その後、謎のバックラッシュに見舞われましてw、それ以来、4600C3をまた使わなくなっていたのでした。
でも、今回は大丈夫?かな。心当たりがあるのは、
- リールをバラす時の3本のネジをちゃんとドライバーで増し締めする。
▲ここを手で閉めると力が弱いために、水が入り込みやすいのかも知れません。 - 太いラインだとバックラッシュが起きにくい。
▲とはいえ、4号は太すぎなので、3号に交換する予定ですが。5年前は2号でした。 - コグホイール交換が作用している?
▲5年前との大きな違いはそれぐらいしかありません。 - 注油は最低限に控える。
▲スプレーでの注油は一切せずに、アブ純正のオイルとグリスしか使ってません。 - 長いロッドを使っているから?
▲短いロッドで遠投しようとすると、つい力んでしまいますが、それだと初速が早すぎてバックラッシュになる。実験では9フィートのロッドを使っており、グリップ部分が短くて持ちにくいため、素早くスイングするのが無理。ロッドの長さを利用して遠心力で飛ばすようになっています。それが奏功したのかも知れません。
想像されるバックラッシュの原因
- 古い丸アブは、何十年と長期に渡って使われる事が多く、中古で入手する人も多い。機構的にほとんど壊れる場所がないけど、消耗部品があって、それらを交換しないとバックラッシュになるのではないか?
- 長期使用で摩耗しやすい消耗部品でバックラッシュに直接関わりがありそうなのは、ブレーキブロック、スプールピニオンの2つ。
- コグホイールも怪しいかも知れない。これは安価だし交換がカンタンなので、ついでにボールベアリング付きのものに交換するのが良い。
- それと、丸アブ使用者には心当たりがあると思われるが、リールをバラして、組み上げる際にブレーキブロックが飛び出した状態で閉めようとして、ブレーキワッシャーを曲げたり、そのためにブレーキブロックがちゃんと動かないようになっているケースがあるのでは?
- 5-56とか、シリコンオイルなどをスプレーすることで、ブレーキ部分にそれらが入り込んで滑るようになっている可能性はある。
▲バックラッシュにお困りの人は、これらの点を再確認してみた方がよいかも知れません。
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この度の実験で、何百回とキャストしましたけど、全然トラブルらしいトラブルは発生していません。これだと、本当に古い丸アブを実戦投入できそうな気がしてきました。バックラッシュ問題さえ解消すれば、頑丈な丸アブは信頼できますから、中国の奥地でも安心して持っていけます…もうしばらくテストを続けてみようと思います。
▲いろいろ使ってきましたが、アブのリールのメンテナンスには、この2つで充分ですね。他にもいいオイル・グリスはいろいろあるので試しましたが、結局は純正に戻ってきます。