黒色中国BLOG

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【江青女史の食生活】生クリームはオートミールに入れるものなのか?

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江青とは、毛沢東の4度目の妻である。文革時の「四人組」の一人だ。

北京の月刊誌『炎黄春秋』(2014年2月号)に、江青の身の回りの世話をしていた女性看護師のインタビュー記事が掲載され、その内容が産経の記事でも紹介されていた。産経の記事はほどなく掲載が終わるだろうから、その一部を引用してみる。

江青は起きるとまず濃い龍井(ロンジン)茶を1杯飲み、国産の青いインドリンゴを1個食べる。リンゴは看護師が小さく切って、ぬるま湯をかける。江青はそれをゆっくりと食べる。そして、オートミールに生クリームと卵白と水を加えて煮たお粥(かゆ)を1椀食べる。江青の好物はエビやカニ、魚、それに若鶏。主食はご飯よりも麺類で、ステーキやボルシチ、アップルパイなども好んだ。だが、卵の黄身や冷たいままの果物は決して食べなかった。スイカさえも蒸してから口にしたという。

(『靴ヒモも結ばず… 中国誌が明らかにした江青女史の日常生活』産経ニュース、2014年4月15日)

大変、興味深い食生活であると思う。中国では食べ物を「陰」と「陽」に区分して、季節や体調・体質に応じて、食べ合わせを考える。上記を見ると、江青は、陰性のもの(リンゴ、スイカ)を温めて食べていたらしく、卵の黄身のような陽性のキツイものは口にしなかったようだ。

上記の記事に関して、フォロワーの方から、オートミールに加えていたのは本当に生クリームなのだろうか…バターの誤訳ではないか…という疑問があったので、原文を調べてみた。

保健看護士が語る江青の飲食起居

■保健护士谈江青的饮食起居

赵:对,她躺在床上,我得抱她坐起来,赶紧把大睡衣从后面绕过去给她穿上并系好腰带。再往她身后放上个大鸭绒靠垫,她就靠到后面的靠枕上。先喝一杯浓的龙井茶,这是她早上起来第一步。

然后吃苹果。她吃的是绿色皮的印度苹果(国产的),一天一个。护士都给她削好切成块儿,放在一个杯子里面,放上叉子,再倒上温水(她从来不吃凉水果),她得慢慢地把这个苹果吃了。我们就给她去拿麦片粥,美国产的那个老头牌的麦片。我记得那个盒子上图案是个戴卷发头套的老头,我问过程师傅,他说是“老头牌”的。麦片再加了鲜奶油、鸡蛋清和水(蛋黄她从来不吃),搅和煮成粥。早上起来就吃这么一碗麦片粥。

阎长贵:说到凉水果她不吃,冰镇的西瓜她也不吃,要吃就要用锅蒸一蒸。1967年“七·一”党的生日时,主席在游泳池请工作人员吃饭,江青就这样吃西瓜,当时我感到很奇怪,因为我第一次遇到这样的事情。

「麦片再加了鲜奶油」とある。「鲜奶油」は生クリームのことなので、間違いない。

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オートミールに生クリームが入ることはあるのか…というのを調べてみると、ウィキペディアの『オートミール』の項目にブローズ(brose)というオーツ麦のお粥が紹介されている。これには生クリームを入れるものらしい。

昔の上海には租界があり、西洋の影響が強かったので、上海で映画女優していた江青は、西洋風の食生活に馴染みがあり、朝食にオートミールを食べていたものと思われる。

同じように西洋の影響が強い香港では、今でも朝食にオートミールを出す店がある。上掲の写真は私が最近、香港で食べたオートミールだが、生クリームと断定できないものの、何やら麦以外のモノも入っていたような気がする。オーツ麦は食物繊維が多く含まれており、口当たりや喉越しが良くないので、お粥にする時は、生クリームを入れて滑らかにしているのかも知れない。

文革時の江青は、毛沢東の妻だったので、いわゆる「皇后」のような立場である。だから、一般庶民とは食べるものが違うのは当然かも知れないが、もし当時の紅衛兵たちが、江青の食生活を知っていたら、バカバカしくてやってられなかったに違いない。