黒色中国BLOG

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ラオガンマ大全

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 ツイッターでお約束していた通り、日本で現在入手可能なラオガンマの全て(派生商品も含む)を集めてみました。

日本でラオガンマを購入して食べてみよう…とする際に困るのは、

  • ラオガンマは種類によって味が大きく異なり、それぞれに個性があって、用途に向き不向きがある。
  • 日本で全種類を揃えている販売店は稀。
    (一般的に日本の業務スーパーや小売店では料理に調味料として使う「豆鼓辣油」が主流で、これは「食べるラー油」的に使用するのには適さない)
  • 中国食材店でも全種類を揃えているわけではない。
  • ラベルに書かれている「使用例」は、違う種類でも同じものが使われていて、明らかに不向きな「使用例」があったりする。
    (例えば「風味鶏」の使用例に「回鍋肉」が掲載されていたりする)

…という事情があり、とりあえず偶然見つけたものを購入し、試しにご飯に乗っけたり、ラーメンに入れてみたら、ちょっと微妙な味だった…ということになるわけです。

そこで黒色中国では、日本で販売されているラオガンマの全容を解明し、味の特徴や使用例について、こちらにて情報共有することに致しました。

今回は収集したラオガンマの分析から得られた情報と、各ラオガンマの特徴を、こちらにまとめておきます。

【目次】

ラオガンマ研究

ラオガンマの歴史

▲日本におけるラオガンマ研究の第一人者である如月隼人先生によるラオガンマ創業のエピソード。創業者の陶華碧さん(ラオガンマのラベルとフタに描かれている顔の女性)の半生がよくわかります。ラオガンマを理解する上で、創業ヒストリーは極めて重要な情報になっています。

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▲ラオガンマの創業者、陶華碧さん。ツイッターでは「おじさんと思ってたw」という発言がよく見られますが女性です。実は私も長らく男性だと思っていましたけど…ラベルやフタの顔写真が微妙に小さくて見えにくいのです…

ラオガンマの安全性(HACCP、ISO14001、緑色食品)

「中国製の食品って大丈夫なの?」と心配される人が少なくないと思いますが、ラオガンマはHACCPISO14001を取得しており、国際的な安全基準を満たしている製品と言えます。

なぜ中国製のラー油がそれらの国際規格を取得しているのか…ということを考えるのですが、たぶんラオガンマ社としては、早期から全世界の華人を対象に販売することを想定し、輸出しやすくするために、これらの国際規格を取得したのではないか…と思われます。

更に言うと、中国国内の品質証明である「緑色食品」も取得しています。

「中国の食品品質証明なんか信用できるかww」という人もいるかも知れませんが、

▲ラオガンマ社は、「2018年の営業収入は44億4,700万元(約720億円)」だそうで、そんじょそこらのショボい零細メーカーではありません。大量のラー油を中国をはじめ、全世界に販売し、もし人体に問題があるようなら、とっくの昔に騒動になっているでしょうから、その点は安心しても良いのではないか…と思われます。

ラオガンマは全部で何種類あるのか?

 ▲こちらのツイートでは「4分類」「9+2(9つのラオガンマと2つの派生商品)」とご紹介しましたが、その後の情報収集により、「5分類」「9+5」(9つのラオガンマと5の派生商品)の存在が確認されました。

それとは別で、「全素」という精進料理系ラオガンマが存在するのも判明しています(「素」とは「素食」=精進料理のこと)。「素」の場合、肉はモチロン、ニンニクも入りません。そして現在のところ、「全素」のラオガンマは、日本での販売が確認されていません。

こちらの記事で紹介するのは、現在私が収集できている「9+5」のみとなります。新種は発見次第、こちらに追記する予定です。

瓶のサイズ

ラオガンマの製品は4種類の包装(瓶のサイズ違い三種と袋詰」のサイズがあり、大きさによって「使い分け」があります。

  • 中瓶…大瓶よりも小さい瓶だけど、大瓶と同じ価格で販売されていることが多い。中瓶に比べて中身がゴージャスで高級タイプ。現在のところ3種類が確認されている。
  • 大瓶…一般的なラオガンマ。現在のところ6種類が確認されている。
  • 小瓶…ラー油以外の派生商品。現在のところ、「香辣醤」(味噌)、「香辣菜」(漬物)、「紅油腐乳」(豆腐を加工した調味料)の3種類が確認されている。
  • 袋詰…こちらも派生商品。現在、「香辣菜」(漬物)と火鍋スープの2種類が確認されている。

…の以上となっております。

ラオガンマとは何か?(肉と豆…2つの方向性)

ラオガンマは大きくわけると2つの方向性があるラー油です。

  1. 「豆鼓」が入るか入らないか…豆鼓(とうち)とは黒大豆に塩を加えて発酵させたもの。「中華納豆」と呼ばれることもありますが、こちらは糸を引きません。単純に言えば「粒のままの豆味噌」みたいなものです。味が濃厚で塩分が高いため、これが入るか入らないかでかなり「味の方向性」が変わってきます。
  2. 「肉系」か「豆系」か…「ラオガンマは普通のラー油」は何が違うのかといえば、ラオガンマには肉か豆の具材が入っていること。ようするに、動物性タンパク質か植物性タンパク質が入ることで風味や旨味、食感を増す…ということで、ラオガンマの正体は「タンパク質入りラー油」と言えます。肉系のラオガンマは旨味が濃厚ですが、ちょっとケモノ臭くなるのが難点。豆系のラオガンマはサッパリした味わいながら食感を高めて、料理に程よいアクセントをつけてくれます。

「調味料系」と「薬味系」(用途別分類)

ラオガンマを「用途別」で考えた場合、「調味料系」か「薬味系」…という分け方が出来ると思います。

たとえば、「豆鼓ラー油」という豆鼓がタップリ入ったラオガンマがありますけど、塩分が強いので、ご飯に乗っけて食べるのはキツイ感じ。麻婆豆腐を作る際に豆板醤の代わりに使うと良い感じです(実際には豆板醤と並用するのがベストですが)。

「玉葱辣油」ならご飯や麺、餃子との相性もいいのですが、玉葱辣油を調理の際に使う…たとえば麻婆豆腐を作る際の豆板醤の代用に使うのは不向きな気がします。

こういうのは個人差もあるのでなんとも断定しにくいものの、ラオガンマは各種の個性が強くて、個人の味覚の差はあれど、用途には向き不向きがある…というのを理解していただければ良いかと思われます。

ラオガンマ分類法

黒色中国では上記のような分析から、ラオガンマを4つのカテゴリーに分類しました。

(1)高級中瓶系

(2)豆系大瓶

(3)肉系大瓶

(4)小瓶系(派生商品)

(5)袋詰(派生商品)

では次に、全種類のラベルの写真と共に解説を致します。

(1)高級中瓶系

現在3種類を確認。2つは日本向けのラベル、1つは欧米向けと思われます。

油辣椒・玉葱辣油(玉ねぎラー油)

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▲数年前に、日本では桃屋の「食べるラー油」が流行りましたが、あれに最も近いのが「玉ねぎ辣油」になります。ラオガンマを始めてみたいけど、どれを買えばいいのかわからない…と迷われたのなら、まずはこれからスタートして下さい。味にクセもなく、さほど辛くもなく、どんな料理にでも合うでしょう。

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こちらは大豆が入っておりポリポリとした食感が楽しめ、肉と豆鼓は入ってません。これだけでご飯を何杯でも食べられそうですが、ラーメンの薬味にしたり、餃子に入れても合うと思います。最も汎用性の高いラオガンマになります。

【追記】玉葱ラー油には、輸出者が「ラオガンマ・ジャパン」のものと、「株式会社嘉恒貿易」のものがあり、この2つは本当に同じものなのか…というのが疑問だったのですが

▲その後、両社のものを入手した上で検証を行い、全く同じものであることが判明しました。詳しくは上掲の記事を御覧ください。

油辣椒・牛肉豆鼓辣油

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▲豆鼓と牛肉そぼろが入ってます。玉葱辣油に比べると、味は濃厚で塩分も高め。肉系ラオガンマの中では最もケモノ臭くない感じ。ご飯に乗せて食べてもいいと思いますが、中国の友人に聞いてみたら、このラオガンマが一番好きで、これで作るチャーハンが美味しいとか。

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ネットで中国での使用例を見ても、主食系(マントウやご飯など)に合わせて食べる事例が紹介されておりました。

ざっくりと用途を大別すると、

  • 汁麺に合わせるなら「玉ねぎラー油」
  • ご飯ものに合わせるなら「牛肉豆鼓ラー油」

…と言えるのではないかと思われます。

香菇油辣椒(しいたけラー油)

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▲しいたけラー油は高級中瓶系の中で異色の存在で、なおかつラオガンマシリーズ全体でみても変わり種の商品です。まず、ラベルもフタも白いのですが…

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▲ラベルを見ると、重量がオンス表記になっており、英語(Oil Chilli Condiment with Mushroom)が書かれております。

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▲こちらのラベルを見ればわかるように、本来は中国語と英語のラベルだった上に、日本語のラベルを貼り付けています。

これらのことから推察するに、「しいたけラー油」は、中国国内向けではなく、日本輸出用でもなく、欧米向けの商品ではないか…と考えられます。

その上で更に言うと、ラオガンマの中でもかなりの「異色」の製品となっておりまして、タップリとシイタケのざく切りが入り、豆板醤、長ネギ、生姜、ニンニク、ピーナッツも加え、ザックリと説明すると「シイタケのラー油漬け」を瓶詰めにしました…という感じ。このまま温めたら「料理」として出せるような一品です。

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一言で申し上げて、「美味しい!」のですが、他のラオガンマシリーズと比べても、かなり違うものとなっています。たぶんその「違い」をわかりやすくするために、これだけ「白フタ・白ラベル」になっているのかな…と思われます。

(2)豆系大瓶

大豆やピーナッツ、大豆加工品などを用いたラオガンマ。どんな料理にも合わせやすいです。後述しますが、「ファースト・ラオガンマ」は植物系ではないかと推察されます。

豆鼓辣油(和名なし)

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▲豆鼓辣油は、最もベーシックなラオガンマですが、ザックリ言うと、「瓶いっぱいに豆鼓をぶち込んで隙間にラー油をタップリ入れた」という感じです。

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塩分と味が濃厚で、そのままご飯や麺にかけて食べてもいいとは思うのですが、肉や野菜と合わせて料理に使う方が適しているようにも思われます。

ピーナッツ辣油(中国語名なし)

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▲日本における一般的な「ラー油」に最も近いのがこれ。ザックリ説明すると「日本の普通のラー油に塩と砂糖で味付けしてピーナッツが入っている」というものです。何にでも合うし使いやすく、風味がとても香ばしいです。

北京大学で日本人初の経営学博士号を取得し、帰国後に政治・経済・学術・メディアなどの幅広い分野で活躍されている戦略科学者の中川コージ博士は、ラオガンマ社の経営研究の第一人者でもあり、長年にわたる研究の成果を

▲こちらの雑誌にて発表されましたが、そちらによると、

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調理用にもOKだが、紹興酒などを飲みながら中身のピーナッツを食べるのもオススメ」と絶賛されておりました。

私もこのピーナッツを食べてみたのですが、長くラー油の中に浸されているけれど、ピーナッツのパリッとした食感は失われず、表面はシットリとラー油に濡れて、これは確かに酒のツマミとしては極上もの!…さすがは中川博士のオススメです(^^)

もういっそのこと、ピーナッツをたくさん買ってきて、このラオガンマの中に漬け込んで置こうかと思うぐらいに素晴らしい。「ピーナッツ辣油」を購入された人は必ずこの「ピーナッツだけを酒のツマミに食べる」のをお試し下さい。

辣三丁油辣椒(三種ミックス辣油)

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▲和名は「三種ミックス辣油」ですが、私は辣三丁(ラーサンディン)と呼んでいます。辣三丁は豆腐・ザーサイ・ピーナッツが入っています。そのまま使うよりも、料理に合わせるのに適しています。私は炒めものを作る際に使っています。肉を入れなくても、辣三丁と野菜を炒めるだけで、豆腐・ザーサイ・ピーナッツの食感がミックスされて、風味も食感もよくなります。

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特にラー油の絡んだザーサイを噛むとまるで肉みたいな味がするし、豆腐(小さい固い豆腐…揚げているのか干しているのかは不明)とピーナッツのポリポリした食感が良いです。我が家では玉葱辣油に次いで消費量の多いラオガンマとなっております。

(3)肉系大瓶

このカテゴリーは鶏肉1種類、豚肉2種類を確認しています。肉が入ることで味に「強い個性」があるので、どんなものにでも合う…とはいかないと思うのですが、使い分けることで美味しくいただけるものと思われます。

風味鶏油辣椒(骨付き鶏肉辣油)

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▲「風味鶏」(フォンウェイジー)とは中国の鶏肉を使った料理の名前で、それをイメージした鶏肉入りラー油…ということになります。フタをあけて鼻を近づけてみると、ローストチキンの油のニオイがします。

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▲この真中に見えるのが鶏肉。かなり固いので、何らかの方法で水分を抜いているのでしょう。最初、常温保存の瓶詰め食品の中に「肉」が入っているというのは、「大丈夫なの?」と思いましたが、ここまで乾燥しているのなら大丈夫かと。

最初はちょっと「ケモノっぽいニオイ」が強く感じるのですが、実際にご飯と一緒に食べたりすると非常に美味しく、気になりません。「肉系ラオガンマ」の中では最もとっつきやすいタイプです。

【追記】(19年3月7日)

風味鶏には骨が入っている…という情報があり、たしかにラベルにもそのように書かれているのですが、半分ぐらい食べたところでようやく骨を発見しました!しかもかなり大きい!(ピーナッツ2つ分ぐらいの大きさ)。とても大きいので間違って飲み込むことはないと思いますが、小さい骨もあるのかも知れません。とにかく、風味鶏を食べる場合は、骨にご注意ください

干煸肉丝油辣椒(千切り豚肉辣油)

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▲和名に「千切り豚肉」とあるので、下の中国語名も「千なんとか」と思っていたのですが、この字は「千」じゃなくて「干」です。

「干煸肉丝」(ガンビェンロウスー)という四川省の料理があり、それをイメージしたラオガンマになります。

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▲けっこう大きな肉が入ってますけど、こちらもかなり固いです。常温保存でもラー油漬け状態なら腐ることはないだろう…と思われる感じ。豚肉の旨味がシッカリ出ているので、これって何かの野菜と炒めたらすぐに一品できあがりそうな感じです。まだ購入して間がないので、こちらは料理法については研究できていません。

肉丝豆豉油辣椒(中華納豆&豚肉辣油)

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▲大瓶系ラオガンマの最高峰とも言える「肉丝豆豉油辣椒」。ようするに「全部のせ」状態です。

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▲今までは肉系か豆系か…豆鼓が入るか入らないか…みたいな話をしてきましたが、こちらは「豚肉も豆鼓も入れました!」というもの。だから風味も味も非常に濃厚です。ただ、豆鼓を入れた分、豚肉の量は減るので、先程の「千切り豚肉」に比べると肉肉しい感じが減って、ケモノ臭さも減少するので、豆鼓と合わせた結果「2で割って」マイルドになった感じです。

(4)小瓶系(派生商品)

小瓶に入ったものは、同じラオガンマの製品でも、いわゆる「ラー油」ではなくて、派生商品になります。

香辣酱(みそ)

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▲日本で売られている桃屋の瓶詰めみたいなサイズです。

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▲中身はこんなの。そら豆と小麦粉で作った味噌をラー油の中に沈めてみました…という感じ。確かにコクはあって美味しくはありますが、何に使えばいいのかよくわかりません。

これは、今後中国のネットで使用事例を探してこようと思います。

香辣菜(漬物)

f:id:blackchinainfo:20190211145629j:plain▲こちらも小さい瓶なのですが、ラオガンマシリーズの中で、唯一これだけ、陶華碧さんのお写真が白黒になっています。なぜでしょうね?

f:id:blackchinainfo:20190211180915j:plain▲開けた瞬間に懐かしいニオイが…酸っぱ辛いというのか。中国の安食堂で、大盛りご飯おかわり自由に、肉塊がドカッと乗ってくるような昼の定食でついてくるあの漬物ですね。青菜と唐辛子のチョット辛いあれ。これはまた食欲をそそられます。まさかこれが日本でも入手可能になるとは思いませんでした(^^)

紅油腐乳(腐乳のラー油漬け)

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▲「腐乳」(ふにゅう)とは豆腐をコウジにつけて発酵させたもの。

▲詳しくはこちらを御覧ください。

その腐乳をラー油(紅油)に漬け込んだものがこちらになります。

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▲こちらを見ると、八角や茴香(ウイキョウ)で香り付けもしているようです。

私は以前、空芯菜を炒める時に腐乳を入れておりました。そうすると味に深みが出ます。この紅油腐乳ならではの特別な使い方があるのかは不明。こちらも今後調査後に追記する予定です。

(5)袋詰(派生商品)

香辣菜(漬物)

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▲こちらは瓶詰めの香辣菜と中身は同じもので、少量を袋詰にしたものです。

ただし、注意したいのは、私が店頭で購入したのは1袋60グラム入りのものでした。ネットで見ると80グラムになっております。たった20グラムの差で2種類のパッケージを用意する理由がよくわかりません。本当に袋詰の香辣菜がサイズ違いで2種類あるのか、それとも何かの間違いなのかは現在調査中です。

火鍋底料(火鍋スープ)

こちらはまだ入手できておりません。入手でき次第、こちらに追記します。

初めてのラオガンマはどれにすべきか?

ツイッターで「ラオガンマを購入したいけど、どれから始めればいいのかわからない…」というお問い合わせがよくありますので、説明しておきますと

  • 初めてのラオガンマなら、玉葱辣油(一番美味しい)かピーナッツ辣油(日本でもある普通の辣油にピーナッツが入って味付けしている)が使いやすいです。
  • 牛肉豆鼓辣油は好き嫌いが分かれそう。
  • その他の肉系はケモノ臭があってこれも好き嫌い分かれそう。
  • 料理に使うなら豆鼓ラー油辣三丁…ということになります。

日本における一般的な「ラー油」の使い方は

  • ラーメンに入れる。
  • 餃子に入れる。

▲というようなものと思われますが、この用途に適合するのは玉葱辣油ピーナッツ辣油になります。

豆鼓入りのラオガンマは、味も塩分が多めなので、これで味つけをする…という使い方になります。冒頭に掲載した陶華碧さんの創業エピソードを読んでいただきたいのですが、元々ラオガンマは涼粉(あちらの麺料理)を食べる際に使っていたのですが、単に辛味をつける…というよりも味付け的な要素が強いです。

ですので、豆鼓入りラオガンマはご飯にのせて食べる…という使い方はできます。ただ、「豆鼓ラー油」(豆鼓しか入ってない)は豆鼓多すぎなのでかなりキツイ。「牛肉豆鼓」だと豆鼓の量が減って牛肉そぼろが入っているのでご飯向き…となります。

肉系ラオガンマで「日本のラー油」的な使い方ができるのは風味鶏だけで、牛肉豆鼓がまぁ使えなくもないか…というところ。他の豚肉入りはケモノ臭が強く調理向き…となります。

ただ、人によっては「味が濃くても塩分多めでも構わない」「ケモノ臭さも気に成らない」ということがあるでしょうから、上記はあくまでも私の味覚での話です。

ラオガンマの購入について

▲こちらのツイートでも述べましたが(連投なのでクリックして御覧ください)、黒色中国はリアルでの実店舗でラオガンマを購入されることを推奨します。

上掲の各種類の紹介ではネット購入のためのリンクも貼っていますが、ネット購入はお近くにラオガンマを扱う店舗がない、買いに行く時間がない…という時に利用されるのがベストと考えます。

ラオガンマの賞味期限

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▲こちらは2019年2月初旬に日本国内で入手したラオガンマのフタですが、「2020.02.09」というのは賞味期限になります。つまり1年近くは美味しく食べられる…ということ。

幾つかのお店を回ってみましたが、これより後の賞味期限が書かれたラオガンマは発見できませんでした。

もしこれが中国で生産されてすぐに日本に輸出されたラオガンマだとしたら、輸送や通関手続きなども考慮して生産から最短で1か月ぐらいで日本の店頭に並んだのではないか…そう考えると、ラオガンマは生産から「13ヶ月間」の賞味期限ということになります。

ラオガンマのフタが開けにくいのは有名な話ですが、これは強力に密封しているからです。さすがにHACCPやらISO14001を取得していると言っても、瓶の中身はタンパク質入りの油ですから、酸化による劣化を防ぐ必要があります。

だから、ラオガンマを購入するなら、なるべく生産されてから間もないもの…新しいラオガンマを手に入れるのが最善の選択となります。

私がネットではなくリアルの店舗でのラオガンマ購入をオススメするのは、この点もありまして、ネット購入だったら古いラオガンマから送られてくるでしょうから、なるべく店舗で新しいラオガンマを選んで購入するのが賢明です。

そして、ラオガンマは常温保存可能ですけど、開栓後は冷蔵庫で保存して、なるべく早めに使い切るのがベストと考えます。

【追記】賞味期限は製造から14ヶ月~18ヶ月

▲その後、ラオガンマの賞味期限は製造から14ヶ月なのが判明しました。ただ、米国や台湾では18ヶ月のものもあるそうです。詳しくはこちらの記事を御覧ください(2019年3月9日)。

ラオガンマの運搬について

ラオガンマを購入し、持ち帰る際に気をつけなくてはいけないのは、「横倒し厳禁」ということです。

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▲「横倒し厳禁」って書いてますね。横倒しするとどうなるのか…中身がラー油ですからね…フタの密閉性がキツイと言っても、やっぱり漏れてくるみたいです。

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▲ただ、瓶そのものはかなりシッカリした作りで、使い終わっても捨てるのがモッタイナイぐらい。

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▲今まで10本以上のラオガンマを買って持ち帰ってますけど、まだ割れたことはないです。

実は、私のカバンは小さくて、ラオガンマを「タテ」に収納することができなくて、いつも「横倒し」しているのですけど(オイオイw)、まだ漏れたことがないのですね。

ただ、一応漏れても大丈夫なように、レジ袋にくるんでます。季節的な要因で漏れにくいのか(冬で寒くてラー油がタレにくくなっている?)、わかりませんけど、とにかく基本は「横倒し禁止」。もし横倒しするなら自己責任で。横倒ししなくても、運搬の際はラー油を通さない袋に包んで、ラー油がこぼれても大丈夫なように配慮した方がいいでしょう。

フタが開かない!

ツイッターで「ラオガンマのフタが開かない!」というツイートをよく見かけます。私自身、最初は全然開けられなくてかなり悩んだのですが、そういう時は「湯せん」して下さい。すぐ開きます。ラオガンマのガラス瓶は頑丈なのでなかなか割れないのですが、直火にかけたり熱湯を直接瓶にかけたりするのはヤメといた方がいいでしょう。

私がオススメする方法としては…

  • ヤカンにお湯をタップリ沸かす。
  • 沸騰したら、ラオガンマのフタの中心めがけてお湯をかける。
  • この場合のお湯の量は「ドバドバ」かけるのではなくて、少量を途切れなく「スーッ」とかけるのがコツです。大量のお湯をいっきにぶっかけても中の空気は膨張しないので、フタだけにお湯を少しづつ長い時間かけてやって、瓶の中の温度を上昇させた方が空気が膨張しやすいのです。
  • お湯をかけ終わったら、表面の水気を拭って、タオルかなにかでフタと瓶の底に当てて、すべりにくく、力が伝わりやすいようにして「エイヤッ!」と力を込めれば開きます。

一度やればコツがつかめるのですが、お湯をかけたら本当にカンタンに開きます。

ラオガンマの食べ方…具材とラー油は分ける?

ツイッターで問い合わせがありましたので、こちらに追記します。

ラオガンマの具材とラー油を分けて使うのか、分けずに一緒に使うのか…という質問でしたが、これはどっちとも「アリ」です。

「分けて使う」のがやりやすいのは、

  • ピーナッツ辣油
  • 辣三丁

…の2つですね。

ピーナッツ辣油は元々内容物がほとんど唐辛子かピーナッツで、後は油ですから、スプーンでラー油だけすくって使うもよし。唐辛子とピーナッツも一緒にすくってもよし。ただ、こういうのは日本のラーメン屋にいって餃子のタレにラー油を入れる時でも同じだと思います。

辣三丁は、ラオガンマシリーズの中でも最も「具だくさん」のタイプになる(他にも具だくさんはあるのだけど具材とラー油がほぼ一体化している、辣三丁はラー油と具材を分離しやすい)ので、私はラー油だけ欲しい時は辣三丁から取り、炒めものを作る時に辣三丁の具材だけを取って使っています。具材に充分ラー油が染み込んでいるので、程よく辛味がつきます。

「ファースト・ラオガンマ」はどれなのか?

陶華碧さんが1989年に貴州省貴陽市で食堂を開業し、涼粉に加えるための唐辛子味噌が評判を呼び…というのが、「ラオガンマ伝説」となっておりますが、この時に陶華碧さんが作られたラオガンマを私は「ファーストラオガンマ」と呼んでいます。

この「ファーストラオガンマ」は、今の商品ラインナップの中でどれになるのか?というのが謎なのですが、一般的に中国の食堂のテーブルに置かれているラオガンマはシンプルなものです。

そうすると、豆系大瓶の

  • 豆鼓辣油
  • ピーナッツ辣油

のいずかになるのでは…と考えています。

この「ファーストラオガンマ」については今後も調査を継続します。

後記

現在、日本で入手しているラオガンマの情報は以上となります。あと数種類「未入手」のものがあるようなので、そちらは手に入り次第、追記しようと思います。

ラオガンマに関する情報提供、ご質問・お問い合わせなどありましたら、こちらのコメント欄か、ツイッターの方でお願い致しますm(__)m

ラオガンマ関連記事

▲私が初めてラオガンマを食べた時に書いたレビュー。実は去年の12月まで食べたことがなかったのです。ラオガンマ入りのトマ玉ラーメンも作ってみました。

▲私がラオガンマを食べるのが遅かったのは、香港に居た時に現地のレストランの自家製ラー油にハマっておりまして、その中でも殻付きのカニを砕いてタップリのニンニクと唐辛子を入れて作った「ゴールデンクラブオイル」は最上級のものでした。

▲風味鶏油辣椒のレビュー。こちらの考察は、私の「ラオガンマ論」の原型になったものでした。

▲5種類の簡単なレビュー。「日記」としてまとめたラオガンマの考察だったのですが、こちらが非常によく読まれまして、それが「大全」の編纂のキッカケになりました。

▲日本を代表するラオガンマ研究者・中川コージ博士が執筆されたラオガンマに関する記事が掲載されております。

▲ラオガンマを豆板醤代わりに麻婆豆腐を作ってみたらどうなるか実験しました。結果は失敗(ラオガンマはあくまでもラー油なので、油を切って使わなければ単に油っこくなってしまうし、豆板醤のような深みのある味にはならない)だったのですが、これがラオガンマを使った料理を作る上で良い経験になりました。

▲ラオガンマを使った麻婆豆腐3回目の挑戦(2回目も失敗だったので未掲載)。豆板醤1+ラオガンマ(豆鼓ラー油を油少なめで)1+甜麺醤1の割合で使用し、マロニーで汁を吸わせて「麻婆春雨」ならぬ「麻婆マロニー」状態で旨味も辛味も吸い上げて一緒に食べる…というもの。これでラオガンマ麻婆豆腐は完成したのでした。

▲国外で購入したラオガンマは日本に持ち込み可能なのか?今まで戴いたリプライのまとめに加え、日本の税関にお話しを伺い、動物検疫所(農林水産省の機関)にラオガンマの情報を送って判断して戴きました。

更新履歴

  • 2018年2月16日:4分類9+2種類を5分類9+5種類に。
    それに伴い、小瓶系に紅油腐乳を追加。「袋詰」のカテゴリーを新設し、香辣菜と火鍋底料を追加。