ツイッターで私がよく参考にしているアカウントに「中国民報」さんがありますけど、そちらに興味深い写真がツイートされていました。
— 中国民报 (@chinaminbao) 2017年7月31日
中国人民解放軍での食事の様子ですが、壁面の文字に注目です。
毛沢東式「個人崇拝」の復活
▲壁面の文字は、
坚决听习主席的话,做习主席的好战士
断固として習主席に従い、習主席の良き戦士となろう
…と書いてあります。
▲こちらは中国軍の施設内で撮影したものですが、中国軍ではこのスローガンが必ずといっていいほど、しつこく書かれています。ようするに、「党の指揮に従え」ということなのですが
▲このスローガン…以前どこかで見た覚えがあるような…と思い、調べてみますと…
▲文革時代の毛沢東崇拝のスローガンを「習主席」に書き換えたものですね。
念のため、試しに「胡主席」や「江主席」で百度検索してみましたが、それらしきものは見当たりませんでした。
「党の軍隊」から「習近平の軍隊」へ
この文革時代の「毛沢東崇拝」を真似た「習近平崇拝」がいつから始まったのか、「做習主席的好戦士」で検索してみましたが…
▲とりあえずは、こちらの動画と
▲こちらのCCTVのページが引っかかりました。
少なくとも、今年の4月ぐらいから出てきた「スローガン」のようです。
CCTVのページをのぞいてみると、
好兵张楠就是牢记领袖嘱托,以实际行动践行“四有”新一代革命军人要求,做习主席的好战士的模范代表。
良き兵士である張楠こそ、領袖の嘱託を牢記し、実際に「四有」新時代の革命軍人要求を行動実践した習主席の良き戦士の模範代表である。
以热血和生命践行了“做习主席的好战士”的铮铮誓言
熱血と生命をもって、「習主席の良き戦士となる」誓いを立てた。
…と書かれてあります。どうやら、現在の中国軍では、「習主席の良き戦士となる」誓いというのがあるみたいですね。
ちなみに、「四有」とは
▲こちらに解説があります。
- 心中有党(心の中に党あり=党への絶対忠誠)
- 心中有民(心の中に民あり=人民に奉仕せよ)
- 心中有责(心の中に責任あり=使命感を持て)
- 心中有戒(心の中に敬畏あり=権力、党紀国法、群衆・組織への敬畏を持て)
…となっています。
「毛沢東」後の中国では、個人崇拝が忌避されていたのですが、最近の中国軍では、毛沢東を模倣した「習近平崇拝」が理論化され、浸透しているようです。たぶん、習近平の権力基盤を強固にするための施策の1つなのでしょう。
本来、中国軍は「国軍」ではなく「党軍」なのですが、最近は習近平の権力闘争によって、「党軍」から「習軍」へと変貌しつつあるのかも知れません。