黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

中国人の日本人に対するネガティブな感情のルーツ

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表題の件、以前から考えていたことをOTORIKISOJIさんから質問された。

中国に留学していたり、長らく住んだ経験から、私は中国人の反日感情を「ナマ」で体験してきた。多数の中国人の憎悪に直面し、私は1人で激しい嫌悪感をぶつけられ、何度も屈辱的な思いをさせられたのが、「黒色中国」なるものを始めるキッカケとなり、表題の件をずっと考え続けたわけだが、この機会に、私の「回答」をこちらにも記録しておきたい。

そもそも中国人は昔から中華思想で、周囲の他民族を見下している。

ただ、19世紀になってから近代化の過程において、やっと育て上げた北洋艦隊を壊滅させられ、日清戦争に敗北する。この戦争の敗北は、中国の近代化の挫折でもある。

そこから、日本へ留学生を派遣し、「日本に学ぶ」ようになったものの、対華21カ条要求への反発から五四運動が始まる。

今でも反日抗議活動で、「国恥記念日」だの「日貨排斥」(日本製品不買運動)があるけど、その起点となったのは、五四運動である。

ただ、中国は辛亥革命を経て、中華民国を立ち上げても、まだ統一された「中国」「中国人」という概念が広く浸透されていたわけではなかった。

それから満州事変があり、日中戦争と続くわけだが、中国は一致団結して日本と戦うこと、日本への敵愾心を共有することで、「中国人」というアイデンティティを形成していったように思う。

長らく見下していた東方の異民族に、近代化で負け、戦争に破れ、台湾を奪われ、屈辱的な要求を突きつけられ、満州を奪われ、日中戦争に突入する。日清戦争(1895)から第二次世界大戦集結(1945)までの50年間、中国は日本への劣等感、敗北感、屈辱、敵愾心を抱えながら、日本への報復を目標に近代化を推し進め、日本への憎悪を国民の「アイデンティティ」にしたわけで、こういうのは戦後70年程度で簡単に消え去るものではない。

上書き不能なレベルで、国民のDNAに刻み込まれているものだから、よっぽどなことがない限り、中国人が日本人に対するネガティブな感情を捨て去ることはないだろう。少なくとも、私が生きている間はずっとこのままだ。

こんなことを書くと、「そんな風に中国人を決めつけるのはヤメロ!」とか、「反中こじらせて偏見で凝り固まりやがってw」という人も出てくるだろうが(この15年間、ツイッターでそういってくる人が大量にいたのである)、実は中国人の僧侶と話し合った結果、たどり着いた答えである。

私が生きている間に、中国人が日本人へのネガティブな感情を放棄して、反日感情を捨て去って、一緒に仲良く、手を取り合って前を向いて生きるような時代が来るとは全く期待していない。

「中国人はそういう奴らだから、潰してしまえ!やり返せ!」とも考えない。

中国人に対して、差別も嫌がらせも誹謗中傷もしない。

中国人はああいう人達なのだから、叶わない夢とか無駄な期待は最初から持たずに、もっと中国人がどんな人達なのかを深く理解する。理解した上で彼らの行動を予測し、問題を回避する。ガマンして無理に仲良くするよりも、これ以上お互いに嫌な思いをせずに済む方法を探した方が良いのではないか。

その「方法」をより多くの人と共有できて、誰かの役に立つのなら、私が中国人からさんざん苦しめられたことも無駄にならないのでは…と考えて、この15年間「黒色中国」を続けてきたわけです。

ちょうど良い「年始の挨拶」になりました。本年もよろしくお願いいたします。

「中国人とはどういう人達なのか?」を知る上で、この本はとても参考になりました。中華思想について解説した本は他にもありますし、もう30年も前の本ですけど、内容は古びておらず、中国へ行って、実際に中国人と交流する中で、この本の内容を思い出すことが多々ありました。ご興味ある方はぜひご一読ください。