毎日のように、中国の漁船が世界中のアチコチの海でトラブルを起こしていますが、ちょっと気になる記事がありました。
インドネシアの海域であるナトゥナ海(上掲地図の赤字の「South China Sea」の下の「Natuna」の辺り)で、中国の漁船が問題を起こしたようですが、今回の件はちょっと単純ではありません。ツイートで収まりきらない話なので、こちらに書きだしてみます。
▲こちらのRFAの記事。インドネシアがナトゥナ海で「越境漁業」を行う中国漁船を拿捕しようとしたところ、中国海警局の船2隻が現れて拿捕を阻止。インドネシア政府は、ジャカルタに駐在している中国大使を呼び出し、詳しい事情の説明を求める…という内容です。
▲以前、当方のブログ記事でもお伝えしたように、
「ナトゥナ諸島の主権はインドネシアに属しており、中国は異議を示したことはない」
…と中国外務省はナトゥナ諸島の主権がインドネシアに属することを公式に表明しているのですが、今回は中国の漁船がナトゥナ海に侵入するだけではなく、中国海警局の公船もやってきて、インドネシア当局の法執行を妨害したわけで、これはかなり深刻な話です。
「伝説」で領土を主張する中国
上掲の当ブログ記事でも詳しく書きましたが、ナトゥナ諸島に以前、中国人が「王国」を建てたことがある…という中国の主張を検証したところ、この「王」は最低でも157歳まで生存していた…という計算になりました。
どう考えてもこれは「史実」というよりも「伝説」の類なので、中国も表立って「本来は中国古来の領土」とは言わないようですが、やはり本音では、ナトゥナ諸島とその海域に高い関心を持っているようです。
追記
【インドネシア、中国大使呼び出しへ=違法操業の中国漁船の拿捕妨害で説明求める―英メディア】「中国漁船が19日、インドネシア武装船の攻撃や妨害を受けたため、中国海警船が救助に向かった」 https://t.co/OPUM4eIKgu pic.twitter.com/nnXwvQHxUJ
— 黒色中国 (@bci_) 2016年3月21日
▲レコチャイさんの記事ですけど、中国外務省からこのような発表がありました。