南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島にあるスービ(渚碧)礁で5日、中国交通運輸省が建設した灯台の運用開始式典が行われた。
(中略)
中国は灯台建設で実効支配を強化するとともに、非軍事施設の設置をアピールし「軍事拠点化」との批判をかわす狙いとみられる。
この件について、中国側の報道で詳細をあたってみます。
こちらの報道によると、
- スービ(渚碧)礁の灯台は去年10月から建設を始めた。
- 鉄筋コンクリート製、高さ55m、4.5mの灯籠を採用しており、夜間は22海里の距離を5秒周期で照らす。
- 中国交通運輸省は2015年5月より大型多機能灯台の建設を進めており、スービ礁の灯台は、クアルテロン(華陽)礁,ジョンソン南(赤瓜)礁の灯台に続き、南沙水域において建設・使用されることとなった大型多機能灯台の1つである。
…とあります。
写真
▲こちらがそのスービ(渚碧)礁の55mの灯台。青と白のストライプで爽やかな印象ですね。写真中央あたりに青い字がみえますけど、これは「中国●海事」と書いています。建設したのが中国交通運輸省ですから、その下部組織である中国海事局が運用するのでしょう。
この灯台には自動船舶識別装置(AIS)とVHFの無線標識の機能も備えられているそうです。
北斗遥测遥控终端とは?
先の、中国報道の中で「北斗遥测遥控终端を採用して遠距離監視制御を行う」とあり、「北斗」は中国のGPS衛星でしょうけど、「北斗遥测遥控终端」が何のことかわからない。検索してみると…
ありました!たぶんこれのことじゃないでしょうか?北斗のGPS信号と組み合わせて、船に正確な位置を伝える機能を持つようです。
リンク先に灯台の写真が出ていますし、スービ礁で採用されているものと同じものかは不明ですけど、たぶん似たようなものではないかと思います。
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