【緊迫・南シナ海】『中国が新たに環礁占拠か「灰色」の中国船が常駐、フィリピン漁船追い払う』環礁周辺は伝統的にフィリピンの漁民が漁場にしてきたとされる。中国による南シナ海の実効支配強化の一環とみられ、関係国の緊張が増すのは必至だ https://t.co/b2EiCmU9Hb
— 黒色中国 (@bci_) 2016年3月2日
記事によると、今回新たに中国が占領したのは「ジャクソン環礁」だそうですが、この環礁に関する日本語の情報がありませんでしたので、こちらにまとめておこうと思います。
英語名:Jackson Atoll
【China takes Philippine atoll】 https://t.co/vYSO10GD6G pic.twitter.com/QpyrOTyYlS
— 黒色中国 (@bci_) 2016年3月2日
▲こちらの記事を見たら、環礁の英語名が「Jackson Atoll」なのがわかりました。
▲一応、日本語のウィキペディアによる解説もありましたので内容を確認してみると
中華人民共和国がこの礁を実効支配しているが
…とありました。
以前から実効支配していたけど、新たに占拠した?
正確な事情がよくわからないので、中国側の資料を当たってみようと思います。
中国語名:「五方礁」
▲こちらによると、
- 1935年に中華民国が「北悪礁」の名称を公布。中国の漁民は「五孔」「五風」と呼んでいた(「五方礁」は5つの礁石からなるため)。ちなみに海南方言で「孔」と「風」は発音は同じ。
- 1983年に中華人民共和国が「五方礁」の名称を公布。
- 1987年に中国南沙綜合科考隊が南沙諸島で総合調査を実施。その際に標識が設置された。
- 1995年3月、フィリピン軍が五方礁で中国の設置した標識を破壊。
- 2016年3月、フィリピンが五方礁で故意に廃船を座礁させ、仁愛礁の方式で占領しようとしたため、中国海軍は現場を封鎖し、5隻の船舶を派遣して、フィリピンの漁民が漁に来るのを阻止した。
冒頭の産経のニュースでは、フィリピン紙の記事を紹介する形で、「実効支配強化の一環」とありましたが、一応「中国側の言い分」ながらも、詳細な事情が書かれてありました。
ところで、仁愛礁の方式ってなんでしょう?
フィリピンは如何にしてセカンド・トーマス礁を実効支配したか
▲こちらによると、仁愛礁(セカンド・トーマス礁)は、現在、フィリピンが領有し、実効支配をしているのですが
由于菲律宾57号登陆舰长期坐滩仁爱礁,霸占我国领土,中国守备队监控并定期巡视
とありまして、1999年にフィリピンが仁愛礁で揚陸艦を座礁させることで活動拠点を作り、実効支配に持ち込んだようです。現在、中国は守備隊を定期巡航させているだけ…とのこと。
▲こちらがそのフィリピンが座礁させた「57号揚陸艦」。
中国側の情報から見ると、フィリピンは1999年の時と同じやり方で、ジャクソン環礁の実効支配強化をしようとしていたから、それを阻止するために、公船を派遣したのだ…ということなんでしょうね。
それにしても、フィリピンもなかなかやりますね(笑)。