黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

安全が大好きな日本人とリスクを怖れず失敗を糧にする中国人?

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渡辺由佳里さんのコラムを読んでいると、私の脳内でつい「アメリカ人」が「中国人」に変換されてしまった(笑)。私自身の身近な経験でも、同じようなことを思うことは多かったし、私の知人からも同様の話を聞いていたからだ。

中国に長く駐在している商社マンの知人と久しぶりに会った時、最近の日本はどうか?という話をしていたら、渡辺由佳里さんの指摘のような中国人評が出てきたのである。

 知人の話を思い出してみると、

「若い日本人はある程度まとまった金を持っていると、自動車を買おうとする。特にその自動車で行きたいところややりたいことがなくても。中国人なら小さくてもとりあえずビジネスを始める。全く未経験でも、失敗しても、失敗に学びながら続ける。すると、数年後には自動車だけじゃなくて家も持っている。失敗してもまた別のチャレンジをする

 …というような内容であった。ただしこれはもう5年以上前に聞いたことである。中国が今も同じ状況なのかはわからないが、少なくとも私の周りの中国人や香港人にはまだチャレンジを続けている人がいる。

よそ者」にはなぜ成功のチャンスがあるのか

渡辺由佳里さんのコラムをツイートした後、反論も戴いた。要するに、例外もあるぞ…ということだが、チャレンジする日本人がいるのは確かであろう。

たぶんこれは、海外から日本を見ていると、日本はそういう国に見えてしまう…ということではないか。海外でがんばっている人は、現地のがんばっている人と仲良くなって彼らに学んでいる。日本に帰って周囲を見渡すと日常を楽しんでいる人が目に入る。日本にもがんばっている人はいるのだが、海外でがんばっている人が一時帰国の短い滞在中に出会うことは少ない…のかも。たとえば、私の友人の香港人にがんばってリスクをとってチャレンジしているのがいるけれど、その兄弟は何のリスクも取らない安全志向だったりする。「○○人はこうだ」と簡単には言えない。

海外在住者の意見が正しいのか間違っているのか…と日本の例外をとりあげて論ずるよりも、叱咤激励としてありがたく受け取る方が良いのではないか。

非居住者のすすめ (中公新書ラクレ)

非居住者のすすめ (中公新書ラクレ)

 

そういえば、邱永漢さんは、数々の著書の中で、「よそ者」だからこそ成功できる…という話を繰り返し書いていた。「よそ者」になることの「リスク」の中に、成功のヒントがあるのかも。中国は経済発展の時に大きな人口の流動があって、何処に行ってもよそ者が多かった。今の日本に欠けているものがあるとすれば、それはよそ者になるチャンスかも知れない。