黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

5年後の自分へ…「本当に知りたい人」へ伝えられる自分になれ

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はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾』ということで、「5年後の自分へ」というお題を戴きましたが、こういうのって何を書けばいいんでしょうね。

まずは、今までの黒色中国を振り返ってみようと思います。

そもそもの始まり

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2005年の反日デモの時に私は上海にいて、荒れ狂うデモ隊に偶然遭遇しました。もし私が日本人だとバレたら大変なことになる。だから、じっと黙って、気づかれないように静かに立ち去りました。

でも、逃げているだけでいいのか。

当時、日本のメディアが伝える中国の話を見ていても、中国語が出来て中国に住んだこともある自分にとっては、違和感が強かった。何かが間違っているというのか、大事なところが伝わってないような気がする。

「落とし穴」はなぜ「落とし穴」なのか?

「落とし穴」は、そこを通る人が、穴があるのを知らないから「落とし穴」なわけで、どこに落とし穴があるのかを予め知っていれば、ただの「穴」に過ぎません。

「穴」である本質は何も変わらないけれど、人がその存在を知ることで、「落とし穴」はただの「穴」になる。知らなければ、普通の「穴」も「落とし穴」になる。

中国について理解してない、というのはそういうことではないか。「チャイナリスク」は、中国の側にあるものではなくて、どこに「落とし穴」があるのか知らずに中国に近づく人そのものがリスクではないのか。

ちゃんと中国を理解できてないと、また中国人が反日デモで暴れだしても、かつての私のようにわけもわからないまま、とにかくコソコソ逃げることしか出来ない。

もしくは、間違った理解をすると、中国人を見下し侮辱して、必要のない摩擦を自ら広げることになるかも知れない。

こういう時代に、中国に居合わせた日本人として、やらなきゃいけないことがあるんじゃないか。

そんなことをずっと考えていました。

中国人の老教師が、最後の授業で学生に贈った言葉

昔、私が中国語を学んだ時に、定年間際の中国人の先生が、最後の授業で次のように言いました。

「みなさんはこれからも中国語を正しく学んで下さい。中国語を正しく理解しなければ、中国を正しく理解することはできません。中国語を学んだ日本人が、中国を正しく理解しなければ、他の日本人が中国を誤解するようになります。他の日本人はみなさんを通じて中国を理解するのです。みなさんには中国語を学んだ日本人としての責任があるのです」

今考えると、この老教師が言うところの「中国を正しく理解し伝える」とは、(中国の立場で)ということだったんじゃないかと思う。

私は、この老教師の言葉を思い出して、日本の立場で、日本人のために、正しく中国を理解して伝える必要があると考え始めました。

そして、「黒色中国」を始めるようになったわけです。

『天津大爆発』でやっと自分のスタイルがつかめた

2009年からブログとツイッターを始めましたけど、自分の情報発信のスタイルがつかめたのは2015年夏の天津大爆発以後だと思います。

それまでは、中国に批判的な情報を知りたいと思うのは、主に右の人だけで、それ以外の人に情報発信をしても意味がない、無益なことだと思っていました。

実際、黒色中国を始めて以来、左の人からはずっと嫌われていたし、「あなたは中国に留学していたのに、なんてことをしているんだ!」と怒ってくる日本人や中国人もいました。中国語を学んだ人間は、中国礼賛以外やっちゃダメという暗黙のルールがある。本当はそんなルールないんだけど、そう思い込んでいる人がいる。

でも、天津大爆発の時には、たくさんの人が私のツイートやブログを見てくれました。それは、大事件だから注目を集めたという以上に、中国のことは今の多くの日本人にとって気になる関心事であるけれど、中国のことは右とか左の立場に絡め取られやすいので、私もそこに雁字搦めになって、本来知りたいを思っている人にちゃんと伝わるようになってなかった。

日本の立場で、日本人のために、正しく中国を理解して伝える」というのが全然できてなかった。

天津大爆発という大きな事件を伝えるのに、右も左もありませんでした。多くの日本人が、被災の実態を、被災者の状況を知りたがった。私はそれらを早く正しく伝えるのに必死で、そういう時にわざわざ右やら左の話を持ち込んで来る人は、ただ邪魔なだけでしかなかった。

こんな人達は、本来中国のことも、日本のことすらどうでもいい。他人の不幸に鈍感で、国や政治を上から目線で語ることで、特別な人間になったつもりの、忌まわしい人達でしかなかった。

本当に知りたい人、本当に伝えなきゃいけない人は、右とも左とも関係なく、全く別のところにいて、普段は声をかけてくれることもないけど、この人達を忘れて、右とか左に絡め取られてしまうと、大手のメディアと同じようになるのではないか。

私が2005年の反日デモの直後に、日本のメディアを見て違和感を覚えたのは、彼らがサイレントマジョリティの読者や視聴者を忘れて、右とか左の「声」に惑わされているからだろう…と天津大爆発を通じて気づきました。

この「気づき」を、5年後の自分にも忘れずにいてほしい。

今の時代に、個人だからこそ出来ること、ブログだからこそ伝えられることがある。

ようやくそれがわかってきたところです。

赤い帝国・中国が滅びる日

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