▲さてその「異様」なスピーチが如何なるものかと気になったのだが、私の探し方が悪いのか、日本語でも中国語でも、全文が見つからない。
▲晩餐会スピーチの全文はあった。確かに日本を意識した内容とは思うが、「異様」と呼ぶべきかは人によるだろう。
とりあえず、中国語のニュースで概要を伝えるものは見つかった。全文ではないようだが、それでも結構面白い内容だったので、こちらに記録しておこうと思う。
▲私が読んだ習氏演説に関する中国語の報道はこちら。
你中有我 我中有你(君の中に我あり、我の中に君あり)
まず、タイトルが面白い。
これは演説の一部と思われる「可以说,中英越来越成为你中有我、我中有你的利益共同体」(中英は、君の中に我あり、我の中に君ありの利益共同体になりつつあると言えるでしょう)から来ている。
「君の中に我あり、我の中に君あり」…日本語で書くと何とも生々しい感じだ。
【スーパー動詞「有」の活躍…”你中有我 我中有你”】一見、ナンダカ、恋仲を表現する言葉かなと思う人がいるかもしれません。まあ、学ぶきっかけとして、そんなロマンチックな解釈も面白いですね! https://t.co/rPfcMmm7hX
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 21
この言葉についてググってみたら、「ロマンチック」に感じる人もいるようなので、私だけの思い過ぎでもないのだろう。ちなみに、
【PDF】『你中有我 我中有你』 https://t.co/d2jO3YpxuX ▲こちらによれば、このフレーズは薄煕来が来日した際、日中の経済関係を例えて使った…とある https://t.co/P1QYcCZb0c ▲習近平はそれを意識して英国議会のスピーチに使ったのだろうか
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 21
このフレーズには、こういう過去の経緯もあるそうだ。習近平氏がこれを知ってて使ったのか、たまたまだったのかは不明。中国の政治家がよく使いたがる表現なのかも知れない。
英国はEUで最も孔子学院が多い国
开办孔子学院最多的欧盟国家
…という箇所があった。EU諸国で孔子学院が最も多く開設されているのは英国らしい。
▲「孔子学院って何?」という方はこちらの記事を御覧ください。
中国海軍の兵士がノルマンディ上陸作戦に参加していた?
第二次世界大战期间,24名中国海军学员参加了诺曼底登陆战役,他们不畏艰险,英勇善战,受到丘吉尔首相嘉奖。
第二次世界大戦の際、24名の中国海軍の学員がノルマンディ上陸作戦に参加していたらしい。この場合の「学員」というのがどういう立場なのかは不明。英国に留学でもしていたのだろうか。勇敢に戦ったため、チャーチルから表彰されていたという。つまり、中英は共に血を流してファシズムと戦った「同志」である…と言いたいのだろう。但し、当時の中国海軍と中国共産党は全く無関係である。
意味深なシェークスピアの引用
我们今天所处的时代,是以和平与发展为主题的时代,也是各国同舟共济、携手共进的时代。在这样伟大的时代,站在全面战略伙伴关系的新起点,中英两国携手,恰逢其时。莎士比亚说:“凡是过去,皆为序章。”
「我々が今いる時代は、平和と発展を主題とした時代であります。そして、各国が一致協力して、共に手を携えて進む時代なのです。このような偉大な時代にあって、全面戦略パートナーシップの新しい起点に立ち、中英両国は共に手を携える時なのです。シェークスピアは『全ては過去であり、序章である』と言っています。」
拙訳であるが、こういう内容の箇所がある。『全ては過去であり、序章である』は、私が中国語をそのまま直訳したもので、英語では「What's past is prologue」と書く。日本語訳では「過去はプロローグ」とか訳すそうだが、このシェークスピアの引用がちょっとクセ者らしい。
▲詳しくは、こちらを参考されたし。
【習近平氏に「日本の桜をぜひ」と訪中の公明党代表】『中国外務省は訪日の可能性否定せず』習氏は笑顔でうなずいたというが、中国語で発した習氏の返答の内容は明らかになっていない http://t.co/sbY3aMH3XJ
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 16
習近平氏は来春、日本に来るかも知れないそうだ。その時にどんなスピーチをしてくれるだろうか。『全ては過去であり、序章である』と言うセリフは、日本で使った方がウケただろうに…ちょっと残念である。