黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

中国の羊肉…DNA検査したらキツネだっただけじゃなく、他もいろいろヤバかった件

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 このツイートに多くの反響が寄せられましたが、その多くは、「キツネの肉の方が希少価値があるのでは」という内容。そういえば、中国ではまとまった量のキツネをどうやって確保しているのか?その真相を探ってみることにしました。

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まずは原文を確認すると…

别再吃这种羊肉片了,用DNA检测都检不出羊肉成分!_参考消息网

▲たぶん、レコチャイのニュースの原文はこちらと思われます。

内容を確認してわかったのは…

  • 低価羊肉は、羊肉と狐肉を合わせて作られている。
    ⇒これはレコチャイの記事でも書いていましたが、こういう「合成肉」もあれば、そもそも羊肉が最初から入ってないものもある…ということです。
  • キツネの皮は高価だが、養殖されたキツネの肉はとても安価で、1斤(約500g)が1人民元ぐらいで売られている。
    ⇒皮を得るための「養殖キツネ」というのがあって、肉は二束三文で叩き売られている…という背景があったわけです。
  • 10月17日、済南市章丘区の食薬監局が羊肉製品の抜き取り検査をしたところ、サンプル124件のうち8件はDNA不合格で、ある「羊肉」は羊の成分が検出されなかった。
  • 塩酸クレンブテロール(盐酸克仑特罗)、ラクトパミン(莱克多巴胺)、サルブタモール(沙丁胺醇)などの残留成分が確認されたものもあった。

人体に有害な「成長促進剤」

塩酸クレンブテロール

塩酸クレンブテロールは赤身を増やす効果があるとして、飼料に混ぜられるそうですが、人体への副作用がEUは1988年に、米国は1991年に、中国は1997年に餌への添加を禁止しているものの、上掲のニュースによれば、中国では今でも使用されていることがある…というわけです。その他、クレンブテロールは筋肉を増やす作用もあるとかで、ドーピングにも使用されるとか、中国で肉を食べたらドーピング検査にひっかかる…ということがあるそうです。

ラクトパミン

ラクトパミンも同じく赤身を増やす効果あるそうですが

▲こちらを読むと

ラクトパミンはこれまで、約25万頭に上る豚の薬害反応に関係しているとされ、その症状として歩行困難や震え、活動過剰、ひづめ障害、呼吸困難、衰弱死などが報告されている。

 …とあります。

ラクトパミンについての質問が多いのでまとめました

▲こちらが非常に詳しく解説していますが、中国では「痩肉精」という名称で取引されているようで、「手のふるえ、めまい、動悸、不整脈」などの副作用があるそうです。たまに死亡する人もいるそうで…。

サルブタモール

サルブタモールは、脂肪燃焼効果と骨格筋増強効果があり、海外ではダイエットやボディビルディングの目的で服用されているそうで、たぶんこれも前の2つと同様、家畜の赤身を増やすために使用される成長促進剤の一種と思われますが、心臓への副作用がある…とのこと。

* * * * *

そういえば、中国にいるとたまに、突如動悸が激しくなったり、胸が苦しくなることがありました…あれってやっぱり、変な肉を食べちゃったのでしょうか…。

ツイッターでいただいたリプライでは、キツネ肉に含まれるエキノコックスなどを心配する声が多かったのですが、私は違法な成長促進剤の残留成分の方が怖いと思いました。これって混ぜもの・ニセモノなしの、ちゃんとした羊肉、豚肉、牛肉にでも、含まれている可能性があるわけですから。

やっぱり、中国にいる時には、食べ物には注意した方がよさそうですね。

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  • 今日の発見 中国では毛皮を得るためにキツネを養殖している/成長促進剤は怖いけど、中国の市場で豚肉を買う時にどうやって見分けたらいいのかよくわからない