▲9月21日にカザフスタン各地で反中デモが発生した…というRFAのニュース。香港やベトナムあたりのデモだと日本でも報道されるのですが、カザフスタンの動向ってあまり取り上げられませんね。でも、なぜこの時期に?というのが気にかかったので、ちょっとご紹介しようと思います。
【目次】
一帯一路で加熱する反中感情
要訳すると
- 中国新疆に隣接するカザフスタンで土曜日(21日)、各地で反中デモがあった。
- AFPの記者が現場で目撃したところによると、抗議者は「中国の拡張を終わらせよう」「中国企業にNO」などのスローガンを叫んでいた。
- 警察に鎮圧され57名の抗議者が各地で逮捕された。
- ロイターによると、今回のデモは多数の反中デモの最新の1つに過ぎない。
- フランスに亡命中のカザフスタンの銀行家Mukhtar Ablyazovによると、カザフスタンは中国の「一帯一路」における中央アジアの重要地点であり、過去数年の間に中国は数十の工業実体を設立しており、その他50以上のプロジェクトを計画している。しかし、カザフスタン政府の土地改革処置は民衆の疑念と抗議を引き起こしており、中国の受益が多すぎることを懸念している。しかし、カザフスタン政府は民衆に対して、鎮圧と懲罰的手段を取ったのである…とのこと。
- カザフスタンは中国より高額の融資を受けており、国外からはカザフスタンが中国の「債務のワナ」にハマったのではないかと見られている。今年6月に首都アスタナで建設されているLRT(軽量軌道交通)の作業が停止したが、中国政府が突然融資を撤回したのが原因と見られている。
今年6月に中国とカザフスタンの間で何があったのか知りませんけど、たぶん何らかの「圧力」をかけられたのでしょうか…
新疆の「ウイグル強制収容所」への反対デモ?
哈萨克斯坦昨天爆发了 反对中国一带一路,反对新疆集中营的大游行。 pic.twitter.com/5Pu9fQmXFE
— Inty (@IntyPython) September 21, 2019
▲こちらにカザフスタンのデモの様子を撮影したと思われる動画がありますけど、キャプションには「反对中国一带一路,反对新疆集中营的大游行」とあります。つまり、一帯一路反対と一緒に、新疆の強制収容所についても反対するデモであったと。ただ、この動画を見る限りはわからないですね。
▲日々、香港デモの動画を見ていると、カザフスタンのデモ鎮圧の動画は随分のんびりとして、牧歌的に見えるのですがw、警官が暴力を振るっているようにも見えるので、穏やかなものではなかったみたいです。
ツイート主は米国在住で中国語ができる反中共の人…というぐらいしかわかりません。もしウイグル強制収容所の反対デモなら、RFAが触れていそうなものですが。
あまり情報が多くないので、21日に発生したカザフスタンのデモの実態がどんなものか正確にはわかりませんが、とりあえず中国が推し進める「一帯一路」は、中央アジア側でも「順風満帆」とはいえず、現地住民の反感を招いており、「前途多難」なのは間違いないようです。
カザフスタンを知るための60章 (エリア・スタディーズ134)
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