中国にも鉄道はたくさん走っているけれど、実はこの手の「踏切」というものがほとんどない。上海でも北の方で1箇所みたことがあるのみだ。 https://t.co/liQGPvRR6i
— 黒色中国 (@bci_) September 15, 2019
他の人への引用RTで少し言及しただけで、多くのRTを集めることがあるけど、ツイッターには鉄ちゃんが多いのかな…そういう私も鉄道は好きな方ですがw。
【まとめ】『何気なく撮影した踏切の映像を、中国のソーシャルメディアにUPしたらたちまち一千万回以上のアクセスを獲得→コメントを読んだら納得の感想が書かれていた』 - Togetter https://t.co/baxSk7bmoq
— 黒色中国 (@bci_) September 20, 2019
この件はまとめにもなったり、多くのリプライをもらったりで、面白かったので、こちらで私が調べた件も追記して記録しておこうと思います。
【目次】
続々と寄せられる中国の踏切情報
私が留学していた25年前ですけど、今の内環高架路が鉄路になってまして、踏切もありましたよ。ちゃんとカンカンカンと鳴って警手もいました。ただ、旅客列車は一日3本くらいしか走ってなかったのでほぼ「閉まらずの踏切」でしたけどね(笑)
— 台湾史.jp (@TaiwanHistoryJP) 2019年9月15日
▲こちらは北京の話と思われますけど、私も北京にいたので見たことあるんですよね…どこだったのかはよく覚えていないのですが。
広州駅から東に進むとあります pic.twitter.com/bvSo0Q7r0S
— ボーゲン-中国鉄道ライター (@borgen1973) 2019年9月15日
▲著名な中国鉄道ライターのボーゲンさんからリプライをいただけました\(^o^)/。広州駅周辺は私もなんどか行ったことありますけど、確かにありましたね。
五道口の市場の先にありましたね。僕は语言学院(大学に成るはるか以前)だったのでたまに汽笛も聞きました
— Diep Anh Quan (@DiepAnhQuan1) 2019年9月15日
▲私が北京に居た時に、この語言学院の周辺を歩いたことがあるんですけど、確かあったかな…北京大学へ向かう途中に木材置き場?みたいなのがあって、そこに引き込み線があったと記憶。今はもう開発が進んでいて、残っているかは不明ですが。
黒竜江省の哈尔滨工业大学のすぐそばにもありました。
— 深山 (@Huka_yaMa) 2019年9月15日
人力だったような気がしますw
他地域ではあまり見ないんですね。
▲そうそう、私が北京や上海で見た踏切も人力だったと記憶。それと、日本のとはちょっと違う形でしたが、写真とか撮ってないからちゃんと思い出せません…
中国語で「踏切」は「道口」(ダオコウ)と言う
ウィキべディアを調べると冒頭に誇らしげに、
>主要的电气化复线铁路干线(如京广线、京沪线及陇海线等)已经实现铁路与公路的全立体交叉(但京哈线于北京市水南庄仍有一个铁路道口)。
とありますね。https://t.co/dEqvFjg8yj pic.twitter.com/rUzETHbvOj— Mtodo (@Mtodo) 2019年9月15日
▲いつも有益な情報をいただいているMtodoさんからのリプライ。私も百度百科の方で調べてみました。
▲こちらが百度百科での踏切の項目。中国語で踏切は「道口」(ダオコウ)と言います。
中国の踏切についての情報は以下の通り。
主要的电气化复线铁路干线(如京广线、京沪线及陇海线等)已经实现铁路与公路的全立体交叉。尚有部分单线非电气化铁路仍有铁路道口的存在,例如湘桂线、宁芜线及各货运侧线(例如平南铁路在前海深港现代服务业合作区前湾一路的铁路道口,深圳地铁大学城处往前走1000米)等。
▲つまり、主要な電化された複線の幹線は既に立体交差になっており、単線非電化の路線にわずかに踏切が残っている…とのこと。例としてあげられている平南鉄路(深センの平湖から媽湾港を結ぶ路線…中文情報はこちら)の「前海深港現代服務業合作区前湾一路的鉄路道口」は行ったことあります!そういえばあった!でも写真は撮らなかった(´Д⊂グスン
それと、「深セン地鉄大学城」の付近にもあるとか。次に深センへ行った時に写真を撮って来ようかな。たぶんそのうち無くなっちゃうと思うので。
中国の踏切といえば「手帕口」
中国の踏切の動画ってないのかな…と思い調べてみると、たくさん出てくるのが「手帕口道口」。正式名称は「農服所道口」というらしいですが。
▲北京にある踏切だから、行きやすく、記録にも残りやすかったものと思われ。
元々はこの付近に「農民服務所」があったから、「農服所道口」と呼ばれたけれど、都市化が進んで農民服務所がなくなったので、付近の地名「手帕口」で呼ばれるようになったとのこと。
▲こちらはその手帕口道口を東風4B型が通過する動画。見ればわかりますけど、日本みたいに遮断棒が降りてくるタイプじゃなくて、車輪の付いた柵がスライドしてくる「校門」みたいなタイプですね。道路幅があるので、日本みたいな遮断棒でやるとトンデモなく長いのを用意しなきゃならないからでしょうけど。
https://www.bilibili.com/video/av21836961
▲中国の動画を漁るにはやはりビリビリが一番です。特に手帕口道口の真髄を堪能したいのなら、こちらの動画がオススメ。手帕口道口の詰め合わせで全22分の大作です(^^)
動画を見てて気付いたのですが、中国は列車が長いのと(客車でも十数両編成が普通。貨物なら当然もっと長い)、中国の道幅が広いために、踏切があると待ち時間が長く、渋滞が激しいので、立体交差化が徹底して進められたようにも思います。
▲ちなみに、手帕口道口は立体交差化されて、今はなくなったようです。
中国の踏切の閉じているところから開くまでの動画
ネットで中国の踏切の動画を探しても、遮断棒…じゃなくて遮断扉が閉じられるところや、開かれるところがちゃんと写っているのが少ないのですね。鉄ちゃん的には通過する列車を撮影しているわけで、踏切の開け締めには興味ないみたいで。
https://www.bilibili.com/video/av19972796
▲こちらは閉じられている状態の警報機のやかましい音や音声(「请注意!…」と繰り返されている)も記録されており、遮断扉が開くところまでちゃんと撮影されております。場所は北京みたいです。
中国らしいワイルドな踏切
他に中国らしい踏切はないのかなぁ…と探していると…スゴイのがありました!
https://www.bilibili.com/video/av60188550
▲とにかく見てください!スゴイので!
▲…っていうか、これって車道を列車が横断しているだけだから、「踏切」じゃないような。しかも貨物で、後ろの車両は燃料?のタンクかな。もし自動車が追突したら大惨事ですけど、踏切を設けずに警笛を鳴らしまくって「オラオラ!」と威圧して通るのはさすが中国という気がします。一応、機関車の先頭に見張りの人が3人いますけどね。
この「ワイルド」タイプと、一つ前の「请注意!」のタイプを見ても、中国の踏切は日本と違ってあまり「情緒」がないというのか、単にやかましいだけなので、冒頭の引用RTの元動画(関西にある阪急電車の踏切らしい)みたいな、日本社会の原風景に溶け込んでいる美しい旋律のような踏切は中国にはないのですね。だから、中国人にとって日本の踏切は珍しく感じるのではないかと思われます。
▲こちら頭の方で紹介したボーゲンさんの著書になります。 こんなブログ記事書いてたら、久しぶりに中国で鉄道旅をしたくなってきました(^^)