黒色中国BLOG

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日本政府が台湾を「国」と認めた日

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昨日の…いや「最近」のニュースで、最も衝撃的だったのはこれだろう。

2021年6月9日、日本の首相が、ついに台湾を「国」として認めた。

ただ、この発言の前から「予兆」はあった。それがツイートの文末に書いた「先の考察」だが、それも含めて、こちらで紹介しておく。

【目次】

6月3日、茂木外相が「台湾国内」と発言

▲こちらは元の記事がRFAのもの。RFAは米国の謀略宣伝系メディアで以前は胡散臭いところもあったが、最近はかなりメディアらしくなって、日本の大手メディア(NHKとか)でもソースとして取り上げられるようになっている。 RFAの「チャイナウオッチング」は正確さは別としても、日本よりも2周先を行くぐらいの速さなので、私は毎朝チェックしているのだが、そこが6月8日時点の記事で、「日米で台湾の取り扱いについて、何かあったんじゃないか」と指摘していたので、ちょうど気になっていたところ、菅首相の発言が出てきた。

上掲の産経の記事では、立憲民主党の枝野幸男代表も、

台湾の名を挙げた上で、感染拡大の抑止に「成功している国」と表現した。

とあるので、与野党共に「台湾=国」認定で、何らかの「合意」を得ているようにも見えます。

議事録にそのまま掲載されるか?

6月3日の茂木外相発言、6月9日の菅首相発言が、国会の会議録に訂正なくそのまま掲載されるのか…が気になるところですが、今のところまだ掲載されてませんね。

一応、書いておくと、議事録でしらべると「台湾国内」という言い方は、かなり前からあって、最も古いのが昭和27年。最も新しい(現在、会議録システムで公開されている)のは平成31年3月8日の青山大人氏(国民民主党)の発言。ただ、これらは議員の発言で、閣僚の発言ではありません。

台湾を「どんな国」として認めるのか

ようするに、菅首相、茂木外相の発言が「失言」として撤回されない限り、現在の日本政府は台湾を、「どんな国かは別として、台湾は国であると認めている」状態なんですね。

台湾は元々「国」である…という主旨のリプライをいくつかいただきましたけど、それは当然として、問題は今後、日本政府が台湾をどんな国として認めることになるのか…が気になるところですね。大きく分類すると…

  1. 台湾の現在の実効支配地域(台湾本島とその周辺の島、澎湖島、金門・馬祖、東沙・南沙の島嶼など)の正当な政権(国)として認める。
  2. 本来の「中華民国」として認める…現在、中華人民共和国が実効支配している「大陸」の領有権・統治権も含めて、台湾にある中華民国政権を「国」として認めてしまう。

おおむね、「台湾は前から国でしょ」という人は、「1」のつもりで言っている。

ただ、中共は「2」の方を意識して文句をつけてくる。

今の日本や米国で、「2」の方で台湾を「国」…つまり「中華民国こそが正統で、中華人民共和国は認めん!」という人は少ないはずなのですね。

ただ、「1」の方で台湾が「国」として認められると、中共からすれば「国家分裂」に受け取るので、中台の緊張が高まる…台湾回収のための実力行使が早まる可能性もある。

いずれにせよ、6月9日の菅首相発言を見るに、我が国も迫りくる中台危機で「一歩踏み込んだ」のは間違いないみたいです。しばらく、注意して見ておこうと思います。

【余談】 中国では台湾を「島国」と呼ぶのもNG

こちらのブログ記事は公開直後から大きな反響をいただいております。ありがとうございます。

その中には、菅首相があまり深く考えずに言及した…という観測をする人が少なくありません。

確かにそうかも知れない。

コロナ対応に関して、オーストラリア、ニュージランドと並べて台湾を挙げ、「3国」と呼んだだけではないか…と。

でも、この件は中国側からは、どのように見えるのか。

▲以前私がツイッターで紹介したエピソードを挙げておきます。連投になっているので、クリックすれば全文読めます。中国では個人の会話ですら、こんな感じです。

菅首相も、長年にわたる政治家の経験から、台湾を「国」扱いすることが、たとえ言葉のアヤであっても、極めて面倒なことになるのは十分知っているはず。だから、冒頭のRFAも、茂木外相の発言を目ざとく取り上げ、産経も菅首相発言をすぐに取り上げたわけです。 真相は、今後慎重に吟味したいですが、とりあえず、本稿が皆さんのご参考になれば幸いです。

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▲日本では「親中派」と知られる蓮舫さんが、2018年に蔡英文総統と面会したことを微博(中国のSNS)で投稿。そこで「総統」という肩書を使ったために、中国人から「オマエはどこの国の総統に会ったというのだ」と、大騒動になったことがありました。つまり、と。外国の政治家が台湾を「国」として認めることが、中国でどれほど深刻な反応になるのか…わかりやすい事例としてこちらの記事もオススメしておきます。