黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【速報】劉暁波氏死去

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▲今日は、劉暁波氏が入院している中国医科大学附属第一医院のウェブサイトで「病状報告」の更新が全くないので、心配しておりましたが、先程、劉暁波氏の死去を伝えるツイートをみつけましたので、引用で要訳ツイートを出しました。

関連情報の収集にあたります。

※本記事は随時更新です。

【目次】

胡佳さんのツイート(13日)

▲こちらが上記要訳ツイートの元になっている胡佳さんのツイート。日本の友人からの情報となっています。21時47分のツイートですから、中国時間だと20時47分。それから1時間前ということは現地時間で19時47分あたりの情報となります。

  •  パトカーに警護された「瀋陽殯儀」と書かれたクルマがどこに行ったのかはわからない。
  • 23階の病牢房区域の窓の外の鉄柵は既に撤去された。
  • 見たところ、病院は最初から何もなかったかのように回復させるつもりなのだろう。
  • 瀋陽の各高速道路ではパトカーが多い
  • 劉暁波氏の家族からの情報はなく、公式のニュース、もない。

共同通信の報道(13日)

 ▲こちらは「瀋陽共同」とあるので、共同通信の瀋陽支局の方からの情報でしょうか。もしかしたら、胡佳さんの情報のソースになっている「日本朋友」とは、現地に張り込んでいた日本人記者からの情報かも知れません。

瀋陽市司法局の情報(13日)

劉暁波氏が入院していた病院のある瀋陽市の司法局のウェブサイトに劉暁波氏の死去に関する情報が掲載されていました。

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劉暁波病没(2017-07-13)

劉暁波、男、61歳、2009年12月23日、扇動転覆国家政権罪により、北京第一中級人民法院で懲役11年、政治権利剥奪2年の判決。服役期間に肝臓がんを患い、仮出所して治療を受けていた。中国医科大学附属第一医院は国内の有名な腫瘍の専門家を招いて治療を重ね、米国・ドイツからも肝臓がん治療の専門家を招いて診断に参加し、救命治療にあたったが、劉暁波の病状は悪化し、7月10日に重症監護状態に。7月13日、多臓器不全により死亡。

http://www.syssfj.gov.cn/cms/201707/149995182984410.html

▲URLはこちら。

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▲私がスクリーンキャプチャを撮って数分してから、閲覧できなくなりました(23時7分)。瀋陽市司法局のサイトそのものが現在落ちています。

YOUTUBE(13日)

香港明鏡廣播電台

▲香港の明鏡廣播電台。こちらによれば劉暁波氏が亡くなられたのは北京時間の9時だそうです。

台湾行政院大陸委員会

▲劉暁波氏死去の報にふれて、哀悼の意を表する台湾行政院の大陸委員会のスポークスマン邱垂正さんの音声。

BBC中文網の報道(13日)

▲長文ですが、事前に用意していたものでしょう。今晩の死去については短く、詳細は触れられておりません。

中国医科大学附属第一医院の発表(13日)

劉暁波氏が入院していた病院のニュースリリースをずっとチェックしていましたが、先程ようやくアップされました。

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http://www.cmu1h.com/default/content/index/i/2083

▲URLはこちら。以下、要訳します。

(2017-7-13)劉暁波、治療の甲斐なく死亡

5月31日、身体検査で劉暁波の肝臓に腫瘍と疑われるものを発見。

6月7日、診断により、末期の肝臓がんで全身への転移が確認された。

中国医科大学附属第一医院は、国内の著名な腫瘍の専門家を要請し数度の診察を行い、診断を確定し、標準的な治療を行った。

その間に米独のがん治療の権威を要請し、診療を行った。

多くの治療を経ても、患者の病状は持続的に悪化し、7月10日に重症看護状態に。

多臓器不全により7月13日、死亡した。

内容的には司法局発表と同じですね。司法局が病院の文面をコピペしたのか、その逆なのかは現在不明です。

香港で追悼活動(13日)

 ▲劉暁波氏死去の知らせを聞いて、香港ではすぐに追悼活動が行われたそうです。「支联会」とあるので、「香港市民支援愛国民主運動連合会」ですね。天安門事件の少し前に、中国国内の民主化運動を支援するために作られた組織です。

人民日報英語版のツイート(13日)

意外だったのは、人民日報英語版が劉暁波氏の死亡についてツイートしたことですね。中国国内ではまだ報道されていないのですが。

「劉暁波氏を火葬して遺灰を海に」(14日)

遺体が病院から運び出された後の経緯が朝日新聞のニュースにありましたが、登録しないと全文が読めません。

▲そこで、中国語の報道を探してみたところ、RFAの記事に「海葬」の件がありましたので、要訳します。

  • 劉暁波氏病没後、遺体は現地(瀋陽)で火葬されるだろう。
  • 劉暁波氏の友人であり、学者の莫之許氏によれば、当局が早朝に劉暁波氏の遺体をすぐに仮想し、海に遺灰を撒くように要求したが、家族は海葬を望まず、遺灰を引き取りたいと希望した。
  • その後の双方の協議の状況と結果について、莫之許氏は知らない…と語った。
  • 報道によると、劉暁波氏の遺体は瀋陽市西鶴園殯儀館に送られ、現場は早朝から警備が強化され、公安が車両を検査している。出入りには身分を証明した登記が必要で、記者は追い払われている。

瀋陽市西鶴園殯儀館

▲「西鶴園殯儀館」はまたの名を「於洪殯儀館」というようで、瀋陽市の西部郊外にあります。于洪区にあるため、このような呼び名になっているのでしょう。

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▲劉暁波氏が入院していた中国医科大学附属第一医院から、西鶴園殯儀館は26.4km…クルマで48分ほどの場所にあります。

▲写真がたくさんあるサイトをみつけました。

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▲スクリーンキャプチャを撮りました。クリックで拡大できます。

瀋陽市政府が公開した動画(14日)

14日夜のNHKのニュースを読むと

病床の映像を公開
劉暁波氏が収監されていた刑務所を管轄する瀋陽市政府は14日、劉氏ががんと診断されてから当局側がとった対応をまとめた映像を新たに公開しました。

公開されたのは、およそ6分の映像で、ナレーションの音声とともに字幕で、劉氏と、その対応にあたった当局のことを説明しています。中では、劉氏について「国家と政権の転覆をあおった罪で懲役11年の判決を言い渡された」と紹介していますが、中国の民主化を訴え続けたことやノーベル平和賞を受賞したことなどは、触れられていません。

 …とあります。

▲どうやら、その内容に適合するのは、こちらの動画のようです。

ツイッターでもこのYOUTUBEのURLが拡散されていますが、それらのアカウントはどうも「怪しい」人が多いようで。

これだけ透明性をもって、治療の全容を公開している!と言いたげですね。中国のプロパガンダでしょう。

残念ながら、この動画は「2017年7月」とテロップが表示されたところで、ぶつ切りになっており、続きの動画はありません。

劉暁波氏の遺体、火葬される(15日)

台湾の中央通訊社のニュースによると、劉暁波氏の遺体は本日(15日)の早朝に火葬されたそうです。以下要訳しますと…

  • 瀋陽市政府のスポークスマンによると、火葬の前に簡単な告別式が行われ、劉暁波氏の妻である劉霞さんと、劉暁波氏の兄である劉暁光氏などの親族と友人が参加した。
  • 告別式は瀋陽市「溫南区」の殯儀館で執り行われ、朝6時半から始められた。
    ※訳注:瀋陽市に「溫南区」という区はありません。遺体が運ばれた西鶴園殯儀館は于洪区にあります。この点は後で詳しく確認します。
  • 報道によれば、劉霞さんは劉暁波氏の遺体への告別の際、悲しみの余り耐えきれず、友人に支えられていた。

「溫南区」は「渾南区」の誤記?

 ▲劉暁波氏の告別式と火葬がどこで行われたのかは、中国人ツイーターの間でも議論になっているようです。上掲のツイートを要訳すると、「昨日のニュースでは西鶴園(于洪区)だったけど、なぜ渾南区殯儀館になってんの?」という指摘です。中共が記者と劉暁波氏の支持者を騙すためにフェイクニュースを流したのでは?と続きますが、その真相は現在不明です。

 胡佳さんのツイートによれば、渾南区殯儀館、またの名を東陵殯儀館…と書いています。

 RFAの情報では、火葬が行われたのは「西鶴園殯儀館」と書かれています。

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▲位置を確認したところ、劉暁波氏が入院していた中国医科大学附属第一医院からだと、東陵殯儀館の方が近いのですね。

告別式の様子と流出文書(15日)

15日早朝に瀋陽市で執り行われた劉暁波氏の告別式の写真がツイッターで流出していたので、こちらに転載します。

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▲この写真で、告別式の出席者は6名見えますが、劉霞さんと劉暁光氏(劉暁波氏の兄)の他の4名はその他の親類と友人と思われます。

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▲遺影を抱えているのが劉霞さん。そばに寄り添っているのは弟と思われます。

 ▲明鏡のツイートに何らかの文書の画像が出ています。出処がどういうところからなのかは不明。

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▲要訳しますと、

  • 告別式と火葬は渾南区殯儀館で行われた。
  • 告別式は朝6時半から始められ、モーツァルトの「レクイエム」をBGMに、劉霞さんは最後の告別を行った。
  • 劉霞さんはひどく落ち込んでいたので、弟がそばに付き添っていた。

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  • 火葬が行われ1時間後、遺骨は骨箱に収められ、劉霞さんが受け取ると、骨箱をしっかりと抱きしめた。

▲こちらは先の朝日新聞報道に出てきた莫之許さんのツイートですが、告別式の左側を写した写真を公開してくれています。こちらには「劉暁波氏や劉霞さんの友人は1人もいない」…とのことです

遺骨を海葬(15日)

▲告別式の開始が朝6時半と早かったのが不思議でしたが、当日中の海葬を予定していたためだったようです。

 環球時報英語版が、海上での散骨の様子を写真付きで伝えています。

 ▲こちらのツイートによれば、大連の海上で散骨は行われたようです。

▲海葬については別途、中国の近現代に遡り、歴史的な考察をしてみました。

※新しい情報がありましたら、こちらに追記致します。

劉暁波と中国民主化のゆくえ

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天安門事件から「08憲章」へ 〔中国民主化のための闘いと希望〕

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詩集 牢屋の鼠

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