黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【鯉釣り百匹】(8)フックに関する考察

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私がパンコイを始めた当初、2号のオフセットフック(写真上)と6号のマスバリ(写真下)を状況に合わせて使い分けていた。

▲こちらでも、そのように書いている。ただし、鯉釣り百匹のチャレンジを始めてから、何十匹と鯉を釣り上げている内に、この2つは非常に頼りなく思えてきた。

今回は、この半年近く、ずっと悩んでいるフックのことについて書いてみたい。

【目次】

私の鯉釣りの目標 

私が鯉を百匹も釣ろうと考えだしたのは、

▲こちらでも書いたように、中国で鯉を始めとして、四大家魚と呼ばれるソウギョアオウオコクレンハクレンを釣ろうと思い、まずはその練習として鯉を徹底的に極めてみたいからである。

なので、最終目標は四大家魚のメーターオーバーであるが、上掲の2つのフックは60~70cm台の鯉を釣っている現状でも頼りない。オフセットフック2号はファイトの時にたわむのが感じられるし、マスバリ6号は折れてしまった。

そこで、もっと頑丈なフックを探し始めた。

使いやすかった『中華マスバリ1号』

そういえば、中国でガンユイを狙っている時に買ったフックがあったな…と思い出したのがこれ。中国の釣具店で購入したマスバリ1号である。

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私の鯉釣り百匹のほとんどの釣果はこのフックで得られた。手頃な大きさで、ラインを通すアイ(カン)が大きくて結びやすく、フックポイントが非常に鋭く貫通力が高く、折れたことは1度もない。

ただし、これは今、手元に6本残っているだけで、後日同じものを中国の釣具店で探したものの見つからなかった。

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上は中華マスバリ1号、下はマスバリ6号である。しかし、写真を見てわかるように、中華マスバリ1号は少し「ヒネリ」が入っている。これは最初からではなくて、鯉釣りをしている内に曲がったものだ。中華マスバリ1号がどのような鋼材を使用しているのかは不明だが、たぶんこれは柔らかい鋼材で、それに鋭い針先をつけることでフッキング性能を高めているのだろう。

ただし…この中華マスバリ1号で、たくさんの鯉を釣っている内に、この「ヒネリ」が入った方が、フッキングが良いのではないか…と思い出した。そういえば、そういうフックがあったような…

驚きの高性能…がまかつ『カン付き大鯉』

最初から「ヒネリ」が入ったフックというのは何種類かある。それに加えて私の個人的な希望を言うと、カン付きのもので(実は私は目が悪いので細いラインを器用に結ぶのが苦手である)、大きくて頑丈なのがあれば、非常に使いやすいわけだ。

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ほどなくして、すぐに見つかった。がまかつの『カン付き大鯉』…巨鯉専用フックである。ここまで自分の希望にピッタリのものが見つかるのも珍しい。

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『カン付き大鯉』は3サイズあり、写真左から18号、19号、20号…となっている。ただし、あんまり大きくて、すぐに使う気にはなれなかった。

前回の釣行でも、カン付き大鯉を投入するのは8匹目からである。7匹目までは中華マスバリ1号であった。

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カン付き大鯉20号(写真上)は、大きさ的にはオフセットフック2号(下)より、少し小さめである。オフセットフック2号は、フッキングに不信感があった。やわらかいフックなので、貫通力が弱いのか…それであまり使わなくなったのだ。

しかし、カン付き大鯉は軸が太く、これでは貫通力も弱いのではないか…やっぱり小さくて鋭い中華マスバリ1号の方が…と思っていたのである。

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但し、実際にカン付き大鯉を投入してみると、脅威の貫通力を実証した。

中華マスバリ1号は、アタリがあってから、アワセを入れると、ちょっと「ググッ」とタメがあってから貫通する。

カン付き大鯉は、合わせた瞬間に「サクッ」と入る。いや、実際はその「サクッ」もない。瞬時に貫通して、何の手応えもない。それぐらい鋭い。フッキングした後で、鯉が暴れまわっても、フックが「たわむ」ような感覚は一切ない。微動だにしない頑丈なフックである。(あくまでも個人の感想です)

がまかつ『カン付き大鯉』にも弱点はあった

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この写真はピンぼけだが、鼻の上あたりにスレがかりした事例。

食パンをつけたカン付き大鯉をキャストすると、群れのど真ん中に落ちたらしく、一斉にたくさんの鯉が食パンを奪い合い、それでスレがかりしたのであろうが、これがちょっとかすった程度ではなく、ちゃんと貫通していた。

鯉の鼻周りは曲面なので、引っかかりにくいと思うのだが、それでもカン付き大鯉は貫通する。ただし、完全無欠のフックでもなかった。

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13匹目をヒットさせた後、ランディング寸前の時に突如「ピィキーン!」という甲高い音を立てて、突然ラインのテンションはなくなり、鯉は逃げてしまった。ラインが切れたのか、フックが外れたのか…と思いきや、フックが折れていたのである(!)。新品でまだ5匹しか釣ってないのに…これはどうしたことなのか。

がまかつお客様センターに聞いてみました

がまかつの釣り針とは長い付き合いで、私は絶対の信頼を置いている。何と言っても世界のがまかつである。それが、こんなに簡単に折れるのは何か相当の理由があるに違いない。品質不良ではない。何か事情があるはずなのだ…と確信し、がまかつのお客様センターに電話をして話を聞いてみた。

それをまとめると…

  • カン付き大鯉に使用している鋼材は、他のフックと同じもの。
  • ただし、同社のマスバリと比較すれば、体積比でカーボンの含有率は少な目になっている。
  • これは「粘り」より「鋭さ」を重視したためである。
  • 以前は長期使用を前提として粘りのある、折れないフックを作っていた。
  • 最近の使用者は、同じフックを長期使用せず、交換することが多いので、「粘り」よりも「鋭さ」を重視して、カーボン含有率を少なめにし、硬度を高めるようにしている。

…との回答であった。

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がまかつからの回答を得た後の、私の考察だが、カン付き大鯉は、かなり軸の太いフックである。そうなると私が当初心配したように、貫通力は弱まるはずである。

たぶんそれをカバーするために、太くなった分、鋭さを高める必要があったのではないか。軸が太くなった分、ある程度の強度は確保できているだろう…と判断し、粘りよりも硬度を重視した…でも金属疲労には弱かった…ということなのかも知れない。

ちなみに、私は最初、カン付き大鯉に施されている「NSB塗装」が強度に影響を与えているのではないか…と疑っていた。またの名を「NSB焼付塗装」とも言う。焼き付けの時に強度が失われるのでは…と思ったが、これはお客様センターによれば、何の関係もないそうだ。

カン付き大鯉18号と20号の違い

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がまかつのカン付き大鯉の18号と19号は線径1.46ミリ。20号は1.56ミリとなっている。折れ防止のために太軸を選ぶなら、19号ではなく20号だ。ちなみにパーセンテージでいえば7%増しの太軸となっている。

前回の釣行の際、13匹目で18号が折れ、そこから20号にチェンジして7匹(その内2匹は記録としてはノーカウント)釣り上げているので、線径1.56ミリの20号ならすぐに折れるわけでもないようだ。

ただし、これは60~70cm台の鯉を狙っている状態においての話。中国で四大家魚のメーターオーバーを狙うようになった場合、硬度重視のカン付き大鯉は耐えてくれるのか。がまかつのお客様センターによれば、あくまでも日本国内の魚種を基準に設計されており、海外遠征については想定外となっているらしい。但し、代わりになるフックを教えてもらえた。

がまかつお客様センター推奨のフック 

  • 対象魚はメーターオーバーの四大家魚
  • カン付きで頑丈なもの

この2つの条件に合うがまかつのフックは次のようになるらしい。

管付石鯛

確かにこれは頑丈そう…何と言っても石鯛用である。大きさは22号が最大。頑丈な石鯛の歯に耐え、強い引きに耐えられる強靭性を備えているのだろう。

チューンド管ムロ

貫通性を考慮したバーブの大きさ。 ワンランク細軸化する事で、不必要な強度と重さを取り除き、貫通性を向上させました。
貫通性能と強度に優れたニードルポイント。 組み紐状のハリスをスムーズに通すアップアイ仕様。 掛けた魚をホールドするバランスドバーブ。 平打ち加工でフトコロ強度UP!

 上記はがまかつ公式ウェブサイトの解説だけど、これの開発コンセプトは、細軸化で貫通性を高めた…ということで、たぶん「粘り」がある素材が使用されているのではないか。私が愛用している「中華マスバリ1号」がそのまま大きくなった…というのを想像した。

シングルフック62 バーティカルヘビー

ディープウォーターにおいての貫通性を重視し、太すぎないワイヤー径とフックポイントの角度・位置を計算して設計。
長時間にわたるファイトを想定し、スロートの長さとベンドフォルムで安定したホールド性能を持たせています。
100kg超のターゲットを想定した8/0から、近海のブリクラスにも適した5/0まで、大型魚にターゲットを絞ったジギングを幅広くサポートします。

これは…カンパチやマグロを釣る時に使うフックですね。鯉や四大家魚を対象に使うには大きすぎるかな…これの最小サイズが5/0号なので、まず試しに最小サイズを使ってみるのもいいかも知れません。

とりあえず、いま手持ちの『カン付き大鯉20号』で80cmオーバーを狙いつつ、どれほどの強度があるのかを確かめつつ、更に強靭で使いやすいフックを探してみようと思っています。