黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

旅の記念の中華トビー

SPONSORED LINK

中国を旅している時に、釣具店を見つけると必ず中に入ってしまう。

釣りに来たのでなくても、用があって急いでいる時でも、特に欲しいものがなくても、半ば義務のようにして中をのぞくことにしている。

こういうのは釣り人の習性のようなものだろう。その土地独特の釣具があるかも知れないし、見たことが無いような珍しいルアーがあるかも知れない…と期待して入るわけだが、大体は目新しいものもなく、店内を一巡して終わりである。

そこで、イラつく店員に「アンタは何を探しているんだ?」と聞かれた時には毎回、「トビー!」と答えることにしている。

 f:id:blackchinainfo:20180507205450j:plain

「トビー」とは、こんな形のルアーである。スプーンの一種だが、後ろの方に「ヒレ」がついている。

上海で、ガンユイ釣りに苦心惨憺していた頃、一緒に釣りに行っていた現地の友人は、毎回2~3匹は普通に釣り上げていた。

ある日、彼の釣技を盗もうと思って、ずっと観察していたのだけれど、投げ方は荒っぽく、引き方も特に細工はない。ただ、よくよく見てみると、彼が最も多用していたルアーがトビーなのであった。

その時、たまたま私もトビーを1つ持っていたので、それを使ってみると、ほどなくしてアタリがあった(!)。残念なことに、フッキングさせることはできず、逃げられてしまい、日暮れが近づいていたので、その日は納竿となった。

* * * * *

それから気づいたのだが、中国の釣具店には、トビーを置いていることが多いのだ。正確には「トビーの形を真似たニセモノ」であるけど。

中国の川や池の水はあまり透明度が高くない。だからホンモノそっくりの塗装を施したリアル系のルアーではなく、キラキラと輝いて目立つものがよく使われる。その上で、大きく、重く、よく飛ぶルアーが良い…というわけで、スプーンやメタルバイブが多用されるのだけど、その内の有力な選択肢の1つがトビーになっているわけだ。

ところが、「トビー」(Toby)というルアーは、本来アブ社が作ったものなので、今でも何らかの保護されるべき権利があるのか、近年、中国でトビーのコピー製品は少なくなった。もしくは、単純すぎるルアーなので、飽きられて人気がなくなったのかも知れないが。

日本でも売ってはいるのだけど、大体はアブの正規品になるので高いし、タックルベリーのような中古ルアー店をいくつかハシゴして漁れば2つ3つはあるのだけど、地味な塗装をしていたりで、シンプルな銀色のものは見かけられない。。

* * * * *

…というわけで、中国の釣具店に入って、特に目新しいものもなかった場合、トビーのニセモノをを買うようにしている。実は、既に大量のトビーが家にストックしているのだけど、旅の記念でもあるし、トビーはいくらあっても邪魔にならない。いつの日か、今まで買い集めたトビーを全部持って、長い長い釣り旅に出るつもりである。

HOBBY LURE ANGLER'S トビー 風 スプーン 赤

HOBBY LURE ANGLER'S トビー 風 スプーン 赤