香港デモ発生から、ずっと中国軍介入の噂がありますが、最近の状況をみるに、混乱がひどくなるばかりで、
【視聴推奨動画】『中国軍、香港「威嚇」の動画 デモ隊制圧をイメージか』
— 黒色中国 (@bci_) August 1, 2019
中国軍駐香港部隊のプロモビデオ「反恐」を発見しましたので、転載しておきます。動画を見ればわかりますが、中国軍は香港人をマジで「ヤル」つもりですね。陸海空連携での本格的な戦闘で、これは「暴動鎮圧」ではありません pic.twitter.com/lumRW89mlO
▲こういう動画が公開されたことからもわかるように、中国側もそのつもりが皆無なわけではないようです。
そうした中で、今朝ツイッターを見ていると…
これは、中国解放軍が香港の隣にある深圳市で集まり、 香港に突入する準備をしている様子。@PMCroninHudsonの映像。pic.twitter.com/sAtgunm12K
— Martin Fackler (@martfack) August 5, 2019
▲こんなツイートがありましたので、映像をよく見て検証してみました。
【目次】
(1)よく見ると解放軍ではなく「特警」
▲映像の最初の方をキャプチャしてみましたが(クリックで拡大できます)、「特警」という文字が見えますね。
▲わかりやすく拡大してみました(クリックで拡大できます)。
「特警 POLICE」と書かれています。
これは「解放軍」ではなく「特警」です。
(2)「突入する準備をしている」…でも武装してない
▲それと、後ろにみえる整列した人達ですが(クリックで拡大できます)、これって中国の街角でみかける普通のお巡りさんの格好ですね。
▲こちらはもっとわかりやすい(クリックで拡大できます)。「突入する準備をしている」というわりに、タクティカルな装備を身に着けず、動画で見える範囲では武器を持っていません。
(3)特警と武警の違い…特警は解放軍ではない
「特警も準軍事組織だから、軍と呼んで良いんじゃないの?」という人もいるでしょう。それは確かにそうですね。特警はかなりの「装備」を持っているので、準軍事組織であることには違いないです。
似たような組織として、中国には「武警」というのもありますが、その違いを確かめてみると…
▲こちらに解説がありました。
▲こちらを要訳すると…
- 武警は現役軍人編成、特警は国家公務員編成
- 武警は中央軍事委員会(中国共産党)の指揮下、特警は公安部の指揮下。
- 武警は中国の武装力量の1つ。特警は武装力量に含まれない。
- 中国の「武装力量」とは、人民解放軍、人民武装警察(武警)、民兵組織で、中央軍事委員会(中国共産党)が統一指揮する。
▲中国の「武装力量」については、こちらに解説があります。
日本で例えたら、自衛隊は防衛省の軍事組織だけど、SATは警察の特殊部隊で自衛隊ではない…という感じかな。
ただ、正確には「中央軍事委員会」は、中国政府の組織ではなく、中国共産党の機関になります。
とにかく、中国の特警を「解放軍」と呼ぶのは間違い…ということになります。
(4)70周年の式典の映像?
偽情報ですよ
— Tetsuro Tesla998 (@saveourplanet_9) August 5, 2019
解放軍ではなく警察ですし、この70周年の式典の映像ですhttps://t.co/atV6ySJZQI
▲ちなみに、こういう情報もありました。
冒頭で書いたように、香港の状況が悪化しているのは確かで、中国軍の介入も一応チラつかせているわけですが、この手の「アムール通信」案件を安易に信じて拡散するのは、いたずらに混乱を招くだけでしょう。