昨日、最も注目を浴びたツイートはこれであった。
【中国のザリガニ洗濯機、5分間で200匹を洗う】一般人が10年をかけて開発したもので、値段は2万元以上。多くの日本人は中国人の知恵に驚き、これを「ザリガニ洗濯機」と呼んでいる。 http://t.co/Ct0sSkkmJj pic.twitter.com/e4ZjrK2bK4
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 5月 8
私にとって予想外だったのは、「中国ではザリガニを食べるんですか?」という質問が多く寄せられたこと。ザリガニを食べるのって普通だと思っていたけど…違うのかな?
子供の頃に愛読していた、さいとう・たかをの漫画『サバイバル』の中でザリガニを食べるシーンがあったので、そういうのは普通のものだと思っていた。
ウィキペディアを引いても、
海外では食材として利用され、タラバガニに似た味で美味である。市場では、同じ大きさのエビよりも高値で取引される。
ウチダザリガニは、北海道などでヨーロッパ料理の食材として使用されている。
塩茹でや蒸したものをサンドイッチに挟んで食べたり、サラダに混ぜて使われたり、巻き寿司や手巻き寿司に巻いて食べる。ルッコラを添えてパスタなどにも使われる。酢飯と錦糸卵に混ぜてちらし寿司や海鮮丼に使われることもある。
…と紹介されている。
先に打ち明けておくと、私は中国でいろんなものを食べてきたけれど、ザリガニだけは食べたことがない。理由は後述する。
中国でザリガニは「小龍蝦」(シャオロンシア)といって、よく食べられている。ただ、ちょっと注記する必要があるかも知れない。以下は私の個人的な見聞である。
- 私の記憶では中国でザリガニを食べるのが広く流行したのは10年前くらいから始まったことで、それ以前に街中で見た記憶がない。安くて美味しい食材として普及した、と記憶している。
- 中国の街中の普通のレストランで一般的なメニューとしてザリガニが出てくるのを見た記憶がない。
- 中国の一般家庭で普通に出てくるような食材でもないようだ。今まで中国のいろんな家庭で食事に呼ばれたけれど、ザリガニが出てきたことが一度もない。
- ザリガニの料理を主に扱う店が中国の都会には見かけられて、そういうところで食べるものではないか。
- 中国のザリガニ料理屋はまとめて作りおきにしているようなスタイルが多く、それが不衛生である、信用ならんとして食べない中国人もいる。私の周囲の友人は皆そういう人たちばかりだったので、興味を持ちつつも食べる機会は一度もなかった。
ちょうど10年前の05年だったか、上海でテレビニュースを見ている時に、ザリガニの養殖で大儲けした人が紹介されていた。田んぼに水を張って、ザリガニを入れておくだけでどんどん育つし、米よりも手間がかからず、高値で売れるので、ザリガニ成金が続出している…という報道であった。
冒頭のニュースツイートに話を戻すと、ザリガニ洗濯機の開発に着手したのは10年前と言うから、ちょうど私がザリガニ成金のニュースを見たのと同時期である。そんなに開発時間がかかるものだろうか、とも思うのだが、最近の中国は人件費が高騰してきたので、人手をかけてザリガニの泥を落とすような余裕も少なくなってきて、そこで洗濯機が着目されるようになったのか。今後はザリガニだけに限らず、中国の幅広い分野で、今まで人間がやっていた仕事が、機械による自動化にリプレイスされるように思う。