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黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

使いみちがなくて捨てられてしまう可哀想な中国の最小額紙幣のはずだった1分紙幣の現在

真相を探る
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中国の貨幣単位は基本「」である。お札を見ると、1元、5元、10元、20元、50元、100元…とある。

但し、「」の下には「」があり、1元=10角である。

さらに「」の下には「」があり、1角=10分である。

つまり1元=10角=100分となる。

現在のレートで1元は17.33円。1角なら1.73円、1分なら0.17円である。

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その0.17円の値打ちしかない1分の紙幣がある。小さい黄色の紙幣で大きさの割に紙は厚め。以前、銀行で人民元に両替する時に、もらうことがあった。別にこんなに細かい単位までキッチリ計算して出さないでもいいのに…どうせ財布の中で邪魔になるだけだし、使う機会も全くない。

今日はこの哀れな紙幣について話してみたい。

友人に使いみちを聞いてみた

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以前、中国で勤務している日本人の友人に、この使いみちのない紙幣について聞いてみたことがあった。

「そういえば、銀行で両替するとフェンチエンをくれるけど、これってどうしてるの?財布の中に溜まって困るでしょ?」

我々はこの黄色い紙片をフェンチエン(分銭)と呼んでいた。

「あ…それは…捨ててる」

「!」

その時、友人の妻(日本人)もそばにいたのだが、友人の妻も私と一緒に驚いた。まさか捨ててるとは思わなかった。友人の妻も私も異口同音に「もったいない!」と言ったのだが…

「だって、使いみちないでしょ。10枚集めて1角にしたらやっと使いみちがあるけど、財布の中で邪魔だから、捨ててる。いちいち貯めこんで10枚集めて…ってことに時間を使ってること自体が無駄だし」

あっさりしたものである。言われてみればそうだけど、一応これはお金である。

「でも、中国人だって捨ててるでしょ」

…と友人は言う。

確かに、たまにこの1分銭の紙幣が落ちているのを見ることがある。誰も拾わない。少なくとも私は誰かが拾い上げるところを見たことがない。持っていても使いみちがほとんどないのだ。

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ちなみに、こちらは1角紙幣と5角紙幣である。こちらはまだ使いみちがあるので馴染み深い小額紙幣である。

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1分紙幣と1角紙幣、5角紙幣の大きさの比較。

私は中国で銀行口座を開いて、日本円を人民元に両替する際には口座に入れてもらい、ATMで現金を引き出すようにしている。だから、最近は銀行でこの黄色い紙幣をもらうこともほぼ無くなってしまった。

先述の友人に「分の単位で買い物をしたことがあるか?」と聞いてみたところ、90年代にトルファン(新疆ウイグル自治区の街)で牛乳を買う時に使ったことがある…という。道端でタライに入れた牛乳に氷を浮かべて売っていて、コップ1杯が5分だったとか。

以前、このエピソードをツイッターでつぶやいた時に、フォロワーの方から、90年代に北京の郊外のバスの運賃で分の単位があった…という情報が得られた。私は残念ながら90年代に北京の郊外でバスに乗ったことがないのだけれど、北京の中心部だと1元でバスに乗れたので、中心部から離れた場所なら、○角○分という単位での乗車料金徴収があったのだろう。

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千円札との比較。これで大体の大きさはわかっていただけるかと思う。まるで子供が使うオモチャの紙幣みたいだ。

私はさすがに捨てるのは勿体無いと思い、本の「しおり」に使っていた。ちょうど1分紙幣は厚みがあるので、短すぎるものの、しおりには向いていた。でも、最近は電子書籍自炊本ばかり読んで、紙の本は遠ざかってしまったので、「しおり」としての出番も失われた。ますます使い道がなくなったのである。

しかし、1分紙幣には意外な「値打ち」があった!

本来、このブログ記事はこれで終わりのはずだった。

しかし、執筆にあたって、一応調べておこうと思い、中国の検索サイトで1分紙幣について引いてみると、意外な情報が出てきたのだ。

www.airmb.com

▲中国の収集家のためのサイトで「1分銭紙幣回収価格」という記事があった。

日本円にして0.17円の紙幣なんて、回収してどうするんだ…と思ったのだが、読み進めると意外なことがわかってきた。

要約すると…

  • 1分銭紙幣には見た目はほぼ同じながら2種類ある。
  • 右上にアラビア数字が使われているものがあり、これは発行数が少ない。一般的なものはローマ数字だけ。
    参考写真⇒こちらをクリック
  • アラビア数字入りのものは発行数が少ないため1枚200~300元で取引されている。

こちらの「アラビア数字付き」の1分紙幣は1980年に発行されたもので、希少価値から価格が高等しているのだろう。本来の額面から考えれば最大で3万倍の高騰である。

「もしかして、今まで手にした1分紙幣の中でアラビア数字の入ったものがあったかな…」と期待したが、私は故意に捨てないにしろ、本のしおりとして使って、そのまま本に挟み込んで放置しているので、一体全てで何枚の1分紙幣も持っているのかわからない。どの本に挟んでいるのかもわからない…でもたぶんそんな希少品の1分紙幣は含まれていないだろう。

タオバオで調べてみました

ちなみにタオバオ(中国のショッピングサイト)で調べてみましたら、たくさん出てきました。

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残念ながらアラビア数字入りのものはありませんでしたが…

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▲これは1枚1元。つまり額面の100倍になっています。100倍でも1元なので価値があるのかないのかよくわからない高騰です。

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▲こちらは100枚セットで19元。1枚にすれば1.9元ですから額面の190倍の高騰。でも100枚で19元にしかならない(笑)。

収集品といえばそれまでですが、これを購入する人はどういう使いみちがあるんでしょうね。映画とかドラマの撮影でたまに昔の紙幣が必要になることがありますけど、1分紙幣の出番があるような作品ってちょっとなさそうですし。

ただ、使いみちがなくて捨てられていた1分紙幣が、時を経て思わぬところで値打ちをあげていたので、ちょっとうれしくなりました(^^)。

私はこうして人民元投資を成功させた: 5年放置で資産4割増 (ありがっち書房)

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人民元の正体 中国主導「アジアインフラ投資銀行」の行末

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