【中国日本人拘束】『朝鮮族男性の案内役と同行 中国「スパイ」と解釈か』関係者は案内役の存在を把握した中国当局が、「極めて高い関心に基づく情報収集」と拡大解釈し、スパイと決めつけた可能性があるとみている。 http://t.co/qmP3YxurtR
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 4
5月に浙江省で拘束されたという愛知県の50代男性は中国を中心に海外情報に長く携わった元公安調査庁職員。退職後数年以上たち、現在は同県内の調査・人材派遣会社に勤めている。中国は外国の元公務員に対する防諜意識が特に高い。中国側が男性を拘束した背景にも、実際の活動内容より職歴からターゲットにした可能性がある。
私も中国にいる間に、何度か拘束されたことがあるので、このニュースは実感を持って読んだ。確かにあの国の治安関係者は、こちらは普通の観光客でも、常に厳しい疑いの目で見ているのだ。
【目次】
「日本のどの機関の者か?」
▼私が中国で拘束された時も、かなりしつこく「日本のどの機関の者か?」と繰り返し質問された。とにかく中国の治安関係者は、日本の政府機関の者が、旅行者を装って情報収集をしている…という被害妄想に取り憑かれてるらしい。日本が平和ボケで堕落したゆるふわ国家であることを教えてやるべきだろう
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 4
中国の普通の観光地とかパンダにカメラを向けている時は問題ないのですが、鉄道の車窓からの風景とか、橋なんかは嫌がりますね。ある時、鉄道に乗っていたら乗務員がほぼつきっきり状態で私の近くの窓のカーテンを閉めて、撮影を妨害してくれました。 @kiyotaka0222
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 4
@kiyotaka0222 任意同行というのか、捕まってその場でずっと質問とか、鉄道に乗っていて写真を撮ったら、別室に強制的に押し込まれて尋問とか、某政府機関の前で写真を撮ったらそのままその政府機関の中に連行されて…とか。なんにせよ痛くない腹をずっと探られるわけですがw
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 10月 4
そういうことが、あの国では結構普通にあるものなのだ。
日清戦争の前に、日本は中国に広くスパイを派遣して、情報を調べさせたという話があり、これは中国のメディアや記念館で日清戦争を語る時に必ずと言っていいほど取り上げられるエピソードである。
▲中国山東省威海市にある『中国甲午戦争博物館陳列館』(日清戦争に関する歴史記念館)の中の展示の1つ「日本間諜在華主要活動範囲示意図」。現在の中国の見解では、日清戦争が始まる前に、日本は中国全土を網羅するスパイ網作り上げて情報収集をしていたそうだ。
あなたは日本のスパイじゃないのか
治安関係者でない普通の中国人からも、「あなたは日本のスパイじゃないのか」と言われることは少なくない。それだけ、中国人は強い猜疑心を持って、日本人を見ている…ということではないだろうか。
だから、私が中国にいる時は、あらぬ疑いをかけられぬように、ちょっと明るい感じの、人畜無害な人間に見えるような服を着るようにしている。日本にいる時よりも意識的に、いつもニコニコして、誰にでも明るく話しかけるようにしている。
カメラもなるべく小さいものを使って、撮影しない時はこまめにカバンやケースに入れたり、服で隠したりしている。政治には全く興味を示さずに、敏感な話はなるべく避ける。中国では「日本人は好色で女好き」という印象が強いので、話の雲行きが怪しくなると、すぐに女性の話か、中国人が好きな食べ物や酒の話に切り替えるようにしている。
そういう「努力」が返って怪しさを増している可能性もあるのだが(笑)、私の香港の友人などは、中国で風景写真を撮るために小高い山に登っただけで、拘束されて数日間、留置場に入れられてしまったので、これは笑い話で済むことではないのだ。
香港人というのは、中国において「内なる敵」の扱いで、私の友人の例以外でも、香港のメディアも一般人も結構厳しい対応をされてきた。その「厳しい対応」が日本人にも及ぶようになったということは、中国の政治の風向きが大きく変わってきた…ということだろう。