黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

「旭日旗の五輪会場持ち込みを禁止したい人たち」の心情

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▲こちらの記事は、寝起きの10分で書いたのだが、大変多くの人々に読まれ、たくさんの反応をいただきました。ありがとうございます。

例によって、左右双方から叩かれ(なぜこうなるのでしょうねw)、たくさん読まれるのは嬉しいことばかりじゃないのですが、今朝TLに流れてきたツイートを見ると、やはりウンザリしました。

【目次】

「反日」ではなく、当然の嫌悪感として

▲現代日本における旭日旗とは、結局こういう人たちのものなのだ。

このツイートに関する私の意見は以下の通りです。

 今の日本のネットでは、旭日旗を全肯定しないと、すぐに「サヨク」だの「ザイニチ」という罵倒をいただくことになりますが、「旭日旗の五輪会場持ち込みを禁止したい人たち」の心情としては、別に日本が嫌いとか憎んでいるわけじゃなく、現代日本で自衛隊でもない人達が、旭日旗をおぞましい形で隣国憎悪のために利用し、それをデモだけにとどまらず、オリンピックという場で、国際社会に醜態をさらすことに、嫌悪感があるのでしょう。

中国における旭日旗への感情

旭日旗への反感を持つのは韓国だけではありません。

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▲こちらは、2014年9月に発生した事案。天津から来た30歳ぐらいの男子が、旭日旗のTシャツ(しかも、「大日本帝国海軍」と書かれている)を着用して泰山に登ったところ、怒り狂った群衆に包囲され、大騒動になりました。

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この30歳男は、幼い頃から日本で育ち、日本でもこのように着用していたため、問題ないと思ったらしい。警官が事態の悪化を防いで、その場を離れたため、それ以上の騒ぎにはならなかったようですが。

たぶん、この青年は悪気はなかったものと思います。日本で育って、日本での旭日旗の感覚しか持ってなかった…中国での旭日旗に対する感情を持っていなかったため、こうした騒動になったのかと思います。

こういうのは、反日教育とか関係ありません。それだけ、旭日旗に対して、旗が象徴する歴史に対して、敏感な思いを持っている人がいる…ということ。

私自身は「旭日旗を何が何でも拒絶するぞ!許さんぞ!」という考えではないのですが、オリンピックには世界中から色んな人が集まるわけで、そこに旭日旗を持ち込んで、「嫌なら日本に来るな」と開き直るのは大きな間違いだと思う。国際的なスポーツイベントのホスト国としての責任、しかるべき態度というのがあると考えるのです。

危惧しているのは、中韓だけではない

私は冒頭で挙げた記事の通り、旭日旗の持ち込みを禁止すべきではない…という考えですが、禁止したい人たちとは同じ心情を持っています。もう、これ以上日本を貶めるのはヤメほしい…日本のネガキャンをやめてくれ…ということです。

 ▲今年3月のツイートだけど、マレーシア華僑の知人にこう言われたのは2017年のこと。たぶん香港かマレーシアで、在特会の報道を見たのではないかと思われます(知人はその2箇所を行ったり来たりしているため)。日本の右傾化(っていうか、レイシズムへの傾倒か)や、旭日旗の使われ方に対して危惧するのは中国や韓国だけではありません。こうしたアジアでの反応は、日本の報道で扱われることが少ないので、認知されていないだけと思われますが。

東京オリンピックは、日本政府が、安倍政権が長年取り組んできた「観光立国」の総仕上げとしての一面もあります。そこで、旭日旗を掲げて偏狭な隣国憎悪を世界に見せつけ、日本のネガキャンを盛大にやらかすのは、極めて自己破滅的な愚行ではないでしょうか。オリンピックをレイシストの祭典にしてはいけません。

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