▲こちらの記事は、幸いなことに非常に多くの方々にご覧いただけました。ところで、タイトルの末尾に(白米編)と書いてあったのが気になった人もいたのではないでしょうか。この記事には「続編」があるのです。
【目次】
中国で体調を崩しやすいのをどうにかしたい
ソロセット焚でご飯を炊く…の前に、玄米の炊き方をご紹介しましたが、長年玄米食に興味を持ちながら、ようやく2年前からスタートに踏み切った理由は、中国で体調を崩しやすいのをどうにかしたい…と悩み続けたからでした。
私の体質や食習慣の問題かも知れませんが、中国にいると、栄養が欠乏するのか、偏りやすいのか…体調を維持するのが大変なのです。ようやく慣れて、体調が安定し始めても、他の地域に移動したり、日本に戻ったりするとまた体調が崩れます。
それで、健康的な食べ物を試したり、ビタミン剤やサプリメントを飲んだり、運動をしてみたり…と色々やってみたのですが、試行錯誤の内に、普段の主食を変えるのが効果的ではないか…と考えるようになりました。
閩北の雑穀料理との出会い
そのきっかけを作ってくれたのが、アモイに旅行した際に出会った閩北(福建省北部)の食文化でした。
たぶん、閩北の山間部では米が貴重だから、雑穀を混ぜるようになったのでは…と思うのですが(似たような食文化は中国の他の地域でもあります)、アモイで友人から、閩北の雑穀を使った料理が健康食として注目を集めている…と聞き、実際に自分も食べてみて、非常に良い物として納得しました。特に高価な食材でもないのですが、食物繊維も栄養素も豊富で、たくさん食べましたけど、胃腸にもたれない。むしろ、胃腸の動きをよくしてくれているようでした。
上の写真はアモイで食べた閩北料理の1つですが、ご飯を雑穀と一緒に炊いて、松の実と干しブドウを散らしています。
でも、よくよく考えてみると、中国では閩北以外の地域の人でも、普段から色んな穀物や豆、芋、タネを食べています。それらを食べることで、中国人は風土にあった栄養素を補給しているのでは…。
閩北料理との出会いをきっかけに、私は日本人特有の白米偏重の食習慣を改めるようになり、意識的に雑穀や豆や芋、そしてタネなど、周囲の中国人がよく食べているものを一緒に摂るようになり、以前から気になっていた「玄米食」に加えて、「雑穀ごはん」を自炊しよう…と思い始めました。
その後、雑穀は本来そんなに高級食材ではないのだから、探せば安く手に入るのではないか…と考えていたところ、日本でも雑穀がちょっとしたブームになって、スーパーなどでも安く売られているのを知りました。
雑穀は各社から発売されておりますが、最近私が常用しているのはこれです。
それほど高いものではありません。アマゾンのレビューを見ると、中身全てが国産ではないそうで、だからこの価格での提供が可能となっているのでしょう。
中国の僻地や奥地へ行き、自力で携行する数少ない調理器具や食材で、過酷な環境に耐えうる体力を養う食事を自炊することを考えると、白米に雑穀米の一袋を加えて、欠乏しがちな栄養素を補えるのは、非常にありがたいです。
但し今まで私は、十六穀を白米に加えて炊く場合は、圧力鍋を使用していたので、「ソロセット焚」で炊けばどうなるのか…ちゃんと炊けるのかが…よくわかりません。
話があんまりニッチ過ぎて、あまり多くの人の参考にはならないでしょうが、十六穀入りの白米をソロセット焚で炊くとどうなるのか…どうすれば上手く炊けるのかを、こちらに記録しておこうと思います。
「ソロセット焚」で十六穀ごはんを炊く(第1回)
▲白米1合を研いで水に30分浸してから水を切り、ソロセット焚に入れたところ。
▲そこに「十六穀ごはん」を1袋(30g入り)投入。ちなみにメーカーの推奨では、白米2~3合に対して1袋です。
▲説明書きによれば、「十六穀ごはん」1袋につき水は60cc加えればよいそうです。私がソロセット焚で白米1合を炊く場合、水は1カップ(200cc)だから、合計260ccとなります。
▲加熱と蒸らしの時間でちょっと悩みました。十六穀が加わり、水も増えた分、加熱と蒸らしの時間も長くするべきですね…そこで、白米1合炊きの場合は4分中火のところを5分中火に、15分弱火のところを17分弱火に。蒸らし時間も17分にしました。
▲蒸らし完了直後の様子…とりあえず上手く出来たみたい。
▲茶碗に盛って細かく観察。実食もして見ると、全体的に水分多めで「ネチャネチャ」した印象。粘り気が出すぎで、ちょっと甘味が強い。失敗とは言えませんが、改善の余地ありです。それと、米1合に雑穀も加えるとなれば、量がかなりあります。一人で食べるには多すぎです。
「ソロセット焚」で十六穀ごはんを炊く(第2回)
▲前回は量が多すぎるのが反省点だったので、第2回では、米と十六穀を合わせて1合にしました。
▲水の量は220ccとしました。それと、今回からはアウトドアでの炊飯を想定して米を研がず、前回のように米単体で水に浸すこともなく、米、雑穀、水をソロセット炊に入れて、写真の状態で30分間、水が浸透するのを待ちました。中国の僻地に行くと水がモッタイナイからです。
加熱・蒸らしの時間は白米の時と同じく、4分中火、15分弱火、15分蒸らしとしました。
▲蒸らし完了直後…見た目は前回とあまり変化なし。
▲但し、茶碗に移してよく混ぜてやると、前回よりもちょっと色が薄め。炊き上がりはネチャネチャ感が少なく、粘り気は少なくなりました。
たぶん十六穀は、水を加えて加熱されると、どれかが粘り気や甘味を出してしまうのではないでしょうか。今回、全体的な食感はふっくらとして、水分不足で固い印象はなく、理想的な仕上がりとなりました。
実食してみると、量的にはこれぐらいで充分。甘味も控えめでした。個人の好みもあるとは思いますが、私としては、
白米+雑穀の1合=水220cc=4分中火=15分弱火=15分蒸らし
…というのが黄金比になりそうです。しばらくこのレシピで繰り返し試して、経験を積んでみようと思います。