チャーハンを作る際、最初に取り掛かるのは「コメを炊く」ということですが、これが結構面倒でして、コメを炊くには
- 炊き干し法(現在日本で行われている一般的な方法)
- 湯取り法(パスタのように大量のお湯で茹でる方法)
▲この2つがあります。
▲第一回でチャレンジしたのは「湯取り法」による炊き方。タイ米は湯取り法で炊くのが一般的…みたいです。
湯取り法のコツについて、ツイッターでたくさんのリプライをいただきましたが、結構大変だったので(私が不慣れなだけなんだけど、上手くできる時もあれば、失敗することもあり、まだ安定してちゃんと炊けない)、今回はインディカ米を炊き干し法で炊くことにしました。
【目次】
炊き干し法でインディカ米を炊く
▲30分ほど水に漬けたインディカ米。これってもっと近寄って見てみると…
▲日本米だと水を吸って形が変わるのですが、インディカ米はほとんど変わりませんでした。吸水性が悪いというのか、だから炒めてもパラパラしてチャーハンにピッタリ…なのでしょうけど。
▲1合のコメを1カップ+50ccの水で炊いてみました。
基本的に炊き干し法だとコメ1合に1カップの水でいいのですが、私はコメのコンディションや料理に合わせて水を少し足したり、足さなかったりするようにしています。
インディカ米は水をあまり吸ってくれないので、炊く際の水分量を多めにしてやるけど、チャーハンにするからあんまりやわらかすぎてなんだし、だから+50ccでとどめておきました。
ガスコンロで中火で4分ぐらい熱して沸騰したら、次は弱火で15分加熱。それから火を止めて15分蒸らしたらできあがり。
▲こちらが15分の蒸らしが終わった時の状況。
▲少し芯が残っている程度の炊き具合。このまま食べるのはちょっと…という感じですが、チャーハンにすると具材の水分や油も加わりますから、この程度の炊き具合で良いみたいです。
具材の下ごしらえ
冷凍庫からベジタブルミックス、中華野菜ミックス、シーフードミックスを各1ツカミ程度出して、ザルに入れて水をかけるとすぐ解凍できます。
▲これがその状態。ただ、これで見てもわかるようにイカが大きいですよね。
冷凍のシーフードミックスは、別にチャーハン用というわけでもなく、特にイカは大きめにカットされています。
▲だからイカを細かく切って火が通りやすいようにします。そうしないとちゃんと炒めてもイカだけ生臭さが残るし、ちゃんと奥まで解凍出来てない…ということになります。ヤングコーンも同様の理由で半分にカットしてやれば火が通りやすいです。
「タマゴと油」でチャーハンの味の大半は決まる
実は、私は15歳の時からチャーハンを自作しているのですが、具材に凝ったり、隠し味を入れたり…という以前に、チャーハンの味の大部分はタマゴと油で決まってしまう…と経験的に思っております。これはもう「ほぼ真理」と言っていいぐらいです。とはいえ、究極のタマゴと油を用意する必要はありません。
タマゴは、スーパーで販売している200円以下の特売のものは避けて、200円以上のもの…税抜き価格で250円前後のものを選んでみて下さい。それだけでかなりグレードアップします。特売のタマゴと250円前後のタマゴの間には、かなり大きな差があります。1個あたりでみれば数円の差でしかないのだから、他の具材や隠し味で頑張るよりも、ちょっと高いタマゴにするだけでチャーハンの味は大幅に上昇するのです。
油は…人それぞれの好みがあるので、これはお好みに任せますが、とにかく新鮮な油、上等な油を使うことです。ラードは融点が低いので、チャーハンを口に入れた時の味の広がり方が良いのですが、ケモノ臭いのが気になるので使ってません。
▲最近、私が愛用しているのはこちら。こめ油は使用量が多くてもベタベタに油っぽくなりにくく、口当たりがスッキリしてて使いやすいです。
▲フライパンに油を入れて、ゆっくり加熱し、煙が出始めた瞬間に溶き卵を投下。サッとかき混ぜるだけで皿に移してください。写真ではまだ火が通ってない、溶き卵状態の部分が見えますけど、後でまた炒めるので、この程度でいいのです。あまり火を加えすぎてタマゴのシットリ感がなくなると、美味しくありません。
▲そして、タマゴを皿に移した後のフライパンに具材を投入。弱火~中火ぐらいで具材の状態を見ながら火力を変えつつ、全体に火を通してやります。シーフードミックスはそれなりに生臭いのですが、完全に生臭みがなくなるまで炒めるのも美味しくないので、炒めるのはほどほどで、塩コショウを適度に加えて生臭みを消してやって下さい。
▲それからご飯をとタマゴを投入。タマゴ側に油が含まれているので、かき混ぜてやると、コメのくっついているのいが自然と解けるし、フライパンに焦げ付きません。ここでも弱火~中火ぐらいで、ゆっくりと温めるように炒めてやって下さい。
中華料理店でやってるような、タップリの油+強火で豪快に炒めるやりかたもありますが、あれを家庭内でやると掃除が大変なのですw。
それと、健康に配慮して油の量を控えたいのもありますから、油少なめ+弱火で、ユックリと全体に丁寧に火を通すようにしています。
この時に重要なのは、焦げ付きにくいコーティングが施してあるフライパンを選ぶことですね。少々高いフライパンでも、それで油の使用量を減らすことができるのならば安いものです。
▲具材がまんべんなくコメと混ざった状態。タマゴに含まれていた油がコメにゆき渡っているので、焦げ付きもなく、パラパラした状態になってくれています。ここで、ユックリと弱火で全体に火を通しつつ、具材から出る水分をコメに染み込ませるようにマゼマゼしてやります。
▲ラオガンマを投入。今回は豆鼓辣油を使ってみました。
ラオガンマそのものにかなり「味」が含まれているし、豆鼓の味もありますから、醤油は入れません。それと、ラオガンマそのものに油が含まれているので、通常のチャーハンを作るつもりで最初に油を普通通り入れていると、ラオガンマ投入後、かなり油っこいチャーハンになってしまいます。
だから、作り始めの時に油の使用量を抑えておく必要があるわけです。
丁寧に全体に火を通し、味を行き渡らせる過程においては弱火を使いますが、最後の段階で強火にして全体の香りを出してやってください。そうすると風味も良くなりま
完成!そしてラオガンマの漬物を…
▲前回までは小さな皿に盛っていましたが、チャーハンは大きめの皿を使った方が盛り付けしやすいのがわかりました。必要最低限の大きさの皿だと、フライパンから移す際にこぼれやすいのです。
そして、ただ単に皿にチャーハンをドサッと乗せるのではなくて、こうやって半球形にしてやると見栄えもするし、中が冷めにくい…というのがわかりました。
プロだと大きなお玉を使って、こういう半球形にするのでしょうが、私は一旦チャーハンを普通に皿へ移した状態からシャモジで真ん中に寄せてやって、半球形の形にしております。
▲頂点に置かれているのはラオガンマの漬物である「香辣菜」(シャンラーツァイ)です。
▲この漬物、中国の安っぽい食堂へ行くと、昼のご飯お代わり自由のランチの時に、取り放題でついてくる漬物に味が似ているので、私は大好きなのですが、まさかこれが日本で手に入るとは思いませんでした!(^^)
ピリ辛でサッパリした味わいで、チャーハンによく合います。
それと、必要最低限の塩コショウとラオガンマ以外に調味料は入ってないので、全体的に薄味になっています。最後に味の濃ゆい漬物が入ることで、お好みに合わせて塩分を調整することもできるわけです。
▲チャーハンのタマゴは火を入れすぎてカスカスになると全然美味しくありません。このシットリ感を残すためには、超強火で一気呵成にやってしまうプロのやり方か、私みたいに弱火でゆっくりやるか…そのいずれかになるわけですが、家庭用の火力の弱いコンロやら、排気能力の低い家庭用の換気扇などを考慮すると、やはり自宅ではゆっくり弱火で作る方法が合っているし、失敗も少ないように思います。
かなり長い説明になりましたが、実際にやってみたらそんなに難しくありません。非常にカンタンです。質問などありましたら、ツイッターか、こちらのコメント欄までお願いします。