▲1990年代に作られた古い4600C3の「近代化改修」をするために集めたパーツたち…これらを実際に組み込んでみようと思います。
【目次】
4点ブレーキとブレーキブロック
▲左のものが本来の2点式クラッチ・ワッシャー。それをアベイル製の4点式に交換します。
▲ブレーキ・ブロックも新品に交換することにしました。左が新品で、右が使い古したもの。
こうして見ると右はちょっと短めです。触った感じも右の方が少し柔らかい気がします。長年の使用で摩耗していたのと、経年劣化なのか元々材質が柔らかめのものなのかも。ブロックの摩耗で遠心ブレーキがちゃんと動作していなかったのかも知れません。
▲4点式ブレーキ・ワッシャーに新品のブレーキ・ブロックをはめて、スプールに組み込んでみました。
このブレーキ・ワッシャーの脱着はCリング(写真7時方向に針金みたいなのがみえるのがそれです)をマイナスドライバーなどで引っ掻いてやれば簡単に取れます。
▲4点のブレーキ・ブロックは、キャスト時には遠心力で外側に移動し、この写真の円形の「へり」の内側にこすれることによって、回転を制御するわけですが、古いアブの有名な欠点である「浸水バックラッシュ」はこの「ヘリ」の内側に水が貯まることで発生するもの。ブレーキ・ブロックが新品4つになることで、果たしてどれぐらいの効果があるものでしょうか…。
スプールピニオン
▲左が新品のスプールピニオン(No.19373)、右が使い古したもの。右の方が若干削れて短くなっています。このためにスプールが左寄りになって、ラインが平行に巻けなくなる…ということなのですが
▲これは何の工具も要らず、簡単に取り外し/取り付けができます。
▲これでスプール周りの近代化改修は完了。
▲パーミングカップ左側の内側をのぞくとこのようになっています。中央の穴ぼこに、スプールに通したシャフトの先端が入りますので、ここに注油しておきます。
この穴周りのところに、先ほどのスプールピニオンがあたって、スプールの位置が決まるわけですが、考えてみると本当に単純な構造ですね…
ドラグワッシャー
▲ドラグワッシャーの交換は、ハンドル側のネジを外して行います。カップについている2つのネジを外し、ハンドル中央部のボルトカバー(リテーナーと呼ぶらしい)を外します。
▲Eリング(中央の銀色の丸いところに取り付けられているC型の部品)をマイナスドライバーでひっかいてやると簡単に取れます。それから10ミリのレンチでボルトを回してやります。レンチは100均でも売っているような簡単なのでOKです。
▲すると、ハンドルとカップが外れて、プレート部分が現れます。ドラグワッシャーは、この大きな歯車(メインギア)の真ん中の銀色のパーツの下にあります。
▲メインギアを引き抜いてみました。その下に残るワッシャーは無くさないように気をつけて下さい。
▲プレートから引きぬかれたメインギア部分。
▲ガラス瓶の中に入れて、パーツクリーナーで洗浄しておきました。
この後で、パーツを乾燥させて、新しいドラグワッシャー(ストップワッシャー)と交換します。メタルドラグワッシャーと交互に挟んで3枚入るわけですが、そのあたりの作業の写真は撮り忘れました。こちらの分解図をご参照戴ければわかるかと思います。
ちなみに、私が購入したドラグワッシャーはバレーヒルのもの。これはドライタイプのワッシャーなのでグリスも油も一切要りません。
▲新しいドラグワッシャーを組み込んでみました。新しいのはちょっと厚めなので、メインギア内部でぴったり収まらず、ちょっとモッコリしていますが、これで問題ありません。
▲そして、元通りに組み直します。
▲それからラインを巻いてみましたが、ほらこの通り。ちゃんと平行に巻けております!スプールピニオン交換の効果はありました!
▲試しにドラグをギュウギュウに締め込んで、それから親指でラインを押さえながら、ハンドルを回してみました。すると…ビクともしない(笑)。
がんばってハンドルを回してみると、「ズ…ズ…」とちょっとだけ動きました。ドラグワッシャー交換前は同じことをやっても、「ズルズル~」と動いていましたのでかなりドラグ効果はアップしています。
ちなみに交換前のドラグパワーを計測してみたら5.5kgぐらいでした。ドラグワッシャー交換でドラグパワーは2倍弱にはなっているような感じです。
オイルとグリス(バックラッシュ対策)
ちなみに、今回からはABU純正のオイルとグリスしか使わないことにしました。以前はサビ対策のつもりで、カップ右側の駆動部分に5-56をかけていたのですが、どうやらこれが「浸水バックラッシュ」の原因になっているのではないか、という疑いがあり、純正製品だけを少量使用することにしました。右カップ内については、メインギアとピニオンギアだけにグリスを薄く塗布しているだけです。
これらの一連の作業で1時間かかりませんでした。とりあえず家の中で組み上がったリールをいじくり回している分には何の問題もなし。実際の効果はキャストしてみないとわかりません。次回は実釣でのレポートをしてみようと思います。