古い4600C3を現役使用できるようにと、問題の箇所を改善するパーツを買い集めて、実際に組み込んでみた。とりあえずラインはちゃんと平行巻き出来るようになったし、ドラグパワーも強靭なものとなったが、こういうものは実際に現場で試してみる必要がある。最近は忙しくて釣りに行ってるヒマなどないのだが、ちょっと試しに出かけてみた。
【目次】
ちなみに、使用しているのはこちらのライン。PE2号200mである。これは4600C3のスプールにちょうどピッタリ巻くことができる。たまたま以前、別のリールで使うために購入していたラインを巻いてみたら、これがピッタリだった。
この手のオールドアブは、あまり精度がないというのか、おおらかな作りなので、細すぎるラインは向かない。リールのデカール(ステッカー)にも10ポンドからのラインキャパ表記があって、たぶんこれは現在の号数に直せば3号近いはずだから、出来れば3号、細くても2号以下のラインは使用しない方が良いと思う。
キャスティング開始!
最初、キャスコンをキツ目に締めて、28gのメタルバイブを投げてみた。ロッドは7フィートのミディアムヘビィ。異常はなし。それから少しづつキャスコンをゆるめながら、飛距離を伸ばしつつ、スプールの状態を見る。
キャスコンをユルユルにすれば、さすがにバックラッシュするのだが、それでも以前に比べるとモツレは浅く、少し引っ張ってやればすぐに修復できた。
キャスコンの調整が上手くいくと、サミングせずに着水してもバックラッシュはしない。4点式ブレーキになったからといって、それで飛距離が伸びないという印象もない。その代わり飛距離が以前よりも伸びたという印象もない。ただ、安心感は抜群に向上している。
▲1時間ほど連続して投げた後に撮影してみた。これは撮影用にキレイに巻き上げたつもりはない。しばらく投げ続けて、かなり雑に巻いたつもりでも、このようにピッタリ平行巻きになっていた。スプールピニオン交換の効果が現れているのではないか。
古いアブがこんなにキッチリ仕事をしてくれるリールに生まれ変わるとは!…なんとも感無量。スプールピニオンはPFJから取り寄せれば200円程度のパーツなので、もっと早めに気づくべきであったと後悔した。
ただ、28gのメタルバイブはかなり重いので、これでトラブルが起きないのも当然かも知れない…と思い直し、ここで7gのミノーに交換する。4600C3で7gといえば、かなり限界である。
風向きなどを誤ると、バックラッシュは起きた。それでもちょっとつまめばすぐに修復できた。4点式ブレーキがよく効いているお陰であろう。
ついでにシーバスを狙ってみました
釣れない時の言い訳で、「キャスティング練習に来ました」というのがあるわけだが、今回は本当に、「キャスティング実験」に来ている。かといって、釣れないのも面白くないし、釣ってこその実験であろうと思い、まだ時間があるので、本格的に魚を狙ってみることにした。
夕暮れ時にさしかかって、あちこちでパシャパシャと魚の気配を感じるようになった。この時期、バチ抜けのシーズンなので、たぶんバチを狙ってシーバスが出てきたのであろう。
水流を読み、水面に現れる波紋を読み取って、バチの大体のルートを予想する。向かい風にならないようにキャストして、それをゆっくり歩きながら引いてみる…「ゴツン!」…すぐバレた。ミディアムヘビィのロッドだから上手く乗らないが活性は高い。ちょうど食事時が始まったばかりだからか。この勢いだと、ロッドが硬くてもシーバスの方から飛びついてくる。
なるべく遠くにミノーを飛ばして、ゆっくり、ゆっくりと忍び足で、「食わせの間」を与えながらルアーを引いてみる。すると次の瞬間…
ロッドに衝撃が走って、弓なりとなった…勢いがある。この時、ドラグはかなり強く締めていた。まったくビクともしない。それではドラグの具合がよくわからないので、緩めてやるがまったくラインが出て行かない。もっと緩めると巻き上げが出来ないところまでユルユルになった。
そこまで緩めるとさすがにラインは出て行ったが、これでは寄せることができない。どうも、新しいドラグワッシャーは強力に効くのは確かだが、スムーズに調整できるものではないらしい。指の感覚でいえば、3~4kgぐらいからドラグを効かせることができるが、それ以下では全く効いていないようである。もともと、このドラグワッシャーはライギョ釣りをする人が使うものらしいので、弱い方でもドラグをちゃんと効かせたいというのなら、元の純正品に戻すしかないのか。
PE2号にリーダーがフロロ16ポンドなので、フッキングさえしっかりしていれば、全くバレる恐れがない。追い合わせを2回入れたが、しっかりフッキングしているので大丈夫そうだ。
リールの動作を確認しながら、ゆっくりとランディングした。41.5cm。リールの調子をみるために来たついでに釣ったものとしては悪くない。幸いなことに、これで「入魂」もできた。
「浸水バックラッシュ」は発生せず
もう少し使い込んで見ないと総合判断はできないけれど、取り敢えずのところ、「近代化改修」は成功である。
全部で3時間近く、いろんなコンディションで頻繁に投げてみたけれど、充分実用に耐えうる。これだけ投げても「浸水バックラッシュ」は発生しなかったし、ミスキャストや向かい風などでバックラッシュしても、これは少しつまんでひっぱるだけですぐに修復できた。
前回も書いたが、「浸水バックラッシュ」の原因は5-56などの潤滑剤を使いすぎるせいかも知れない。そこで今回はABU純正グリスのみを少量メインギアに塗布するだけにしておいたが、それが功を奏したのだろうか。
これだけ気持ちよく使えるのならば、丸型のオールドアブを中国での大物釣りに投入するのも悪くない。この経験を元にして今後は6500C3の近代化改修に取り組んでみようと思う。