黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

イタリアでピータンを売る中国系商店が警察に捜査された理由

SPONSORED LINK

こちらをツイートしてすぐに多くの反応をいただきました。早速詳細を調べてみましたので、ブログ記事としてまとめて、事情を説明してみようと思います。

この件は中国でも話題になっているようなので、紹介する記事が幾つか見られますが、最も詳細に伝えているのはこちらかと思います。

今回、イタリア警察がピータンを摘発した理由を抜き出して見ると…

  • 这种类型的带壳蛋加工过程在欧盟国家是不被承认的他们认为松花蛋由于制作时间过长基因已经发生转化,不能再被定义为蛋制品,因此禁止从任何第三国进口。
    このタイプの輝きを帯びたタマゴの加工は、EUでは認められておらず、ピータンは制作過程において、遺伝子に転化が発生するものと考えられており、いかなる第三国からも輸入が禁止されている。
    ⇒つまり、タマゴをこのように加工したものはEUでは輸入できない…という食品衛生上の問題
  • 从查获的松花蛋可以看到,在经典的半打塑料包装上都是中文文字,大部分都没有用意大利语做标注。
    摘発されたピータンを見ると、典型的な半ダースのプラスチック容器の上には中国語の文字があり、大部分にイタリア語の表示がない。
    ⇒つまり、現地(イタリア)での公用語やEUの規則に則った表示がなかったという食品表示の問題

この2点で引っかかったわけですが、そもそも考えてみると、この2つの問題をクリアしないで、イタリアにピータンを持ち込んで販売しようとした…というのは、通関をしていなかった=密輸していた…ということになりますので、そこからしてダメだったわけです。

f:id:blackchinainfo:20190415200615j:plain

重金属と化学薬品

EUでなぜピータンの輸入が禁じられているのか、理由は明らかではないのですが、そもそも中国でもピータンは問題になっておりまして、制作過程で重金属…鉛を使用するものがあったため、今は「無鉛ピータン」なるものが登場しています。

台湾産 無鉛 松花皮蛋(6個入り)

台湾産 無鉛 松花皮蛋(6個入り)

 

▲こんな感じで、「無鉛ピータン」には包装に「無鉛」と書かれています。

▲ただ、「無鉛」と書いていても、鉛が含まれることがあるそうで、油断なりません。

その他、制作の時間を短縮するために人体に有害な化学薬品を使用することもあるそうで、その点も油断なりませんね。

ブレグジットが話題になった際、日本でもEUの輸入食品のルールが厳格で煩雑なことが取り上げられていたので、それを思い出して考えてみると、中国から正規の通関を経ずに、現地の言語を使った食品表示もない、全く輸入が認められていない加工品を販売するのは、どう考えても違法になるものと考えられます。

なので、この件は異なる食文化に対する差別意識が原因とは考えにくそうです。

怖い中国食品、不気味なアメリカ食品 (講談社文庫)

怖い中国食品、不気味なアメリカ食品 (講談社文庫)