今年に入ってからずっと Thinkpad Edge E430cの機能強化に取り組んでいます。
マウスの交換、冷却ファンの交換、キャッシュSSDの追加、メモリの16GB化…と進めてきて、かなり性能が向上しました。E430cは、発売からすでに4年が経っているけれど、まだまだ使えるマシンです。
実質上、もうこれ以上手を加えるところはありません。HDDをSSDにリプレイスする手があるけれど、キャッシュSSDを導入したことで、速度は申し分ない状態です。
ただ1つ、以前からモヤモヤしていた懸念事項がありました。
最近は、ブルートゥース接続の機器が増えたため、それに対応するべくプラネックスのBluetooth USBアダプターを使用しています。ただし、これはUSBポートを1つ使ってしまうし、ちょこっと飛び出して持ち運び時に気になります(E430cはあまり持ち運ばないけど)
PLANEX Bluetooth USBアダプター Ver.4.0+EDR/LE(省エネ設計)対応 BT-Micro4
- 出版社/メーカー: プラネックス
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: Personal Computers
- 購入: 3人 クリック: 9回
- この商品を含むブログを見る
▲安いし、挿すだけで使えるので、デスクトップPC用に購入したのですが、デスクトップPCが壊れて以来、E430cに挿して使用していました。
ただし、このBluetooth USBアダプターなるもの、どうやら出力が弱い?みたいで、これでBluetoothのスピーカーに音楽を流してやると、ノイズが多い。途切れがちになります。
同じ環境でも、iPad2やNexus7で音楽を再生してやった方がずっと明瞭な音が出ます。
私はこのあたりのことをずっと悩んでいて、
▲こちらの記事にも書きましたけど、要するに、
- 2.4GHz帯のWIFIは使わない。5GHz帯に統一する。
- 2.4GHz帯の電波を出す機器はBluetooth以外使わない。
…通信障害を避けるためには、この2つに尽きます。
E430cは有線LAN接続を前提で使っていますが、たまにWIFIを使うこともあるので、それに備えて5GHz帯対応にしておきたい。
▲E430cの通信カードは簡単に交換することが出来ます。裏蓋を開けて左上隅の部分が通信カード。これを新しいものに交換してやれば、5GHz帯にも対応出来るし、Bluetooth付きのものもある。ここに挿して使う通信カードは、E430cに内蔵のアンテナを使用するから、Bluetoothの感度も良くなるかも知れない。
そこで、この通信カードを交換することにしました。
E430cは古い機種だけど、同じようなことで悩んでいる人は、ググってみると結構多そうなので、他の皆さんへの参考のため、その詳細をこちらに公開しようと思います。
【目次】
適合する通信カードは何か?
キャッシュSSDやメモリの交換はすでにやっているので、通信カードの交換なんか簡単だろう…と思っていたら、まずは選定が面倒でした。
簡潔にまとめると
- 通信カードは汎用のものが使えない。Thinkpad用のものでないとダメ。
- 11ac対応のカードが使えるかは不明。
Mini PCI Expressの通信カードは汎用のものがあるけれど、Thinkpadで使う場合はBIOSのチェックが入るらしく、BIOSで対応している通信カードしか使えません。
これはThinkpadの場合、「FRU」というパーツナンバーが振られているものなら、基本的に使用可能。だから、対応した通信カードを探す時はFRUで検索すればいい。
WIFIとBluetoothが一緒になってる「コンボ」と呼ばれるタイプの通信カードはあるけれど、5GHz帯への対応が、11aのみのものと、11acにも対応しているものがある。
ググってみると、11acのカードを組み込んでちゃんと使えた業者の情報が出て来る。しかし、FRUナンバーが隠されているので、どのカードで対応させたのかがわかりません。
公式にE430(c)で11ac対応を表明している純製通信カードはありません。たぶん書いて無くてもドライバーが対応しているとは思うけれど、不安は残ります。
ただ、私の場合、E430cを無線LANで使用することは非常に稀で、とりあえず速度はさておき、5GHz対応しているだけでいい。というわけで11a対応の通信カードを探すと、FRU:04W3764というのが出てきました。たぶんこれ以外の選択肢はなさそうです。
▲日本のネット購入しようとすると、新品が見当たらないし、若干高価です。
そこでEbayで購入しました。新品のものが送料込みで1100円ぐらい。春節前後の混乱のためか、配送には2週間ほどかかりました。
FRU:04W3764
▲これが送られてきたFRU:04W3764。プチプチでぐるぐる巻きにしていたのを外すと、この袋が現れました。
▲中身は小さな通信カード。本当にこんなので5GHz対応のWIFIとブルートゥースも出来るのか…ちょっと信じられません。最近の技術ってスゴイですね。
▲FRU:04W3764の裏側。ちゃんと日本の技適も取っているから、日本でも安心して堂々と使えます。
通信カードの交換
▲電源とバッテリーを抜いて、裏返してネジを外して裏蓋を外すところまではお馴染みの作業。通信カードは左上隅にあります。
▲まずは、古い通信カードを取り外します。2本のアンテナは単に挿しているだけのものなので、アンテナの線を引っ張ってやると簡単に外れます。写真を撮って、アンテナ線の這わせ方を記録しておくと、後で取り付ける時に楽できます。
▲アンテナを外したところ。通信カードの左側で1本ネジ止めしているのを外せば、簡単に通信カードが取れます。
▲ネジを外すと、起き上がってきます。
▲FRU:04W3764に挿し替えて、ネジ止めして、アンテナをつけてやれば完了。
ドライバーの問題
挿し替えてから、E430cに電源投入してWIFIの通信状態を見ると、11aの電波をキャッチしていました。私の環境ではドライバーを新規にいれなくても、そのままで11aの通信には対応できました。
ただし、Bluetoothは反応しません。
この部分は、色々試行錯誤やっている内に出来るようになったので、正確なところは説明できないのですが(いい加減ですみません)、とりあえずLenovoのサイトから対応のドライバーを落としてインストールし、再起動をかけたら、Bluetoothはちゃんと使えるようになりました。
こういうのはたぶん各人の環境が違うだろうから、皆さんご自分で判断して対応して頂きたいのですが、結論的に言うとE430(c)でFRU:04W3764は使えます。これだけは間違いないのでご安心下さい。
ブルートゥースの感度向上は?
11aによるWIFI接続は何の問題もなくできました。とりあえずそれを確認したら有線LAN接続に戻したので、長期的に見てFRU:04W3764による11a通信の問題点があるのかは不明…たぶんないと思いますけど。私にとって11a対応はとりあえずの保険みたいなものなので、あまり重視していません。
私が期待するのは内蔵の通信カードでBluetooth対応すると、感度は向上するのか…ということ。それについてこの数週間試した結果を申し上げますと…明確な感度向上がありました!
これは先にも述べた通り、WIFIを5GHzのみにして、2.4GHz帯の電波を一切出さないようにしたのも感度向上の大きな要因だと思うのですけど、その環境でプラネックスのBluetooth USBアダプターを使った場合と、内蔵通信カードでBluetoothを使った場合で、Bluetoothスピーカーによる音楽再生を比較すると、感度は劇的に向上しています。
内蔵通信カードでのBluetooth接続の場合、無音時のノイズはほとんどなくなり、音楽は一切途切れることがなく、同時にBluetoothのキーボードやマウスを使っても何の問題もありません。
やはり、内蔵通信カードだと、E430c内のアンテナに接続されるため、Bluetoothの感度が飛躍的に向上したのかと思います。
たった1100円ちょっとで、これだけの機能向上はコスパ高いです。まだ古い通信カードを使用されているようでしたら、ぜひ交換をオススメ致します。