最近はラオガンマを買うために、中華食材店によく行くようになった。そこでザーサイを売っているのをみつけたので、1袋買ってみた。
▲500グラムで150円だったかな。実は、ザーサイって安いものなのです。
私が子供の頃は親の都合もあって、転々と引っ越しをした。両親共働きで、帰りは遅かったこともあり、私は小学生の頃から料理を覚えて、12歳の頃からずっと自炊している。
「料理が好き」というよりも、そうするしかなかったためであり、手間がかかるものや、材料費が高いものは困るので、最も合理的で安く作れる美味しい料理は何か…と考えた結果、中華料理に行き着いた。
中学生の時に、お年玉で料理の本を買った。今でも書斎のどこかにあるはずだ。それで麻婆豆腐などを作り始めたのであった。
その頃に住んでいた町は海が近くて、港まで行くと中華料理屋が一軒あり、その隣りが中華食材店だった。今のような中国人が中国人向けにやっているような店ではない。古ぼけた店内に茶やナマコとかの乾物が並んでいて、その中に大きな壺に入ったザーサイがあった。店には腰の曲がった小さな老婆が一人だけ。ニコニコしているけど無口で何もしゃべらない。たぶん、この人は中国人だったのだろう。
隣りの中華料理屋が地元ではちょっと有名で、本格的な中華料理を出していた。私がまだ留学に行く前のことだから、本場の中華料理のなんたるかを知らないものの、子供ながらにそこの料理はヨソの日本人がやってる店とは違うのがわかった。
たぶん…だが、この中華料理屋&食材店の人たちは、中国から逃げてきたのだろう。中共の政権になってからか、文革の時か。それで、店で使うための食材を輸入し、他の中華料理屋や華僑のために小売もしていたのだろうと思う。
そこの食材屋は小さくて陰気で静かな店だったけど、独特の雰囲気があって、特に用がなくても近くを通りかかると店に入って品物を眺めるのが好きだった。逃げ出して来た中国人が中国から輸入した商品だけを扱っているのだから、あの空間だけが小さな「中国」になっていたのだろう。そうやって考えると、私は随分昔から中国に引きつけられる運命にあったみたいだ。
その店に立ち寄って何も買わずに帰るのも申し訳ないと子供ながらに考えたので、大きな壺に入ったザーサイを買って帰った。香辛料にまみれた、握りこぶしより少し小さいぐらいのゴツゴツした塊で、1個50円だったと記憶している。持って帰って水に浸して塩抜きし、刻んで肉と一緒に炒めたり、スープに入れたりして食べた。
そうそう、昔もこんな感じだった。昔買ったのは袋に密封してなかったせいか、表面にもっと香辛料がタップリかかって、乾いていて、本当にこれは食べ物なのか?と疑いたくなるようなものだったが。
よく洗ってから切って、塩抜きする。
袋の説明では20分ぐらいで塩抜きできると書いてあったが、昔の習慣で、私は何度も水を変えながら、半日ぐらいかけてシッカリと塩抜きする。昔の壺に入ったザーサイは常温で密封せずに壺で保存するせいか、塩分がキツかった。一晩くらい塩抜きしないと塩分が残って食べにくかったのだ。
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「こんなの食べて大丈夫なの?」と聞かれるであろうから(ツイッターやってる人って本当に心配性というのか、中国食品を全く信用してませんよねw)、少し書いておくと、
日本の家庭で最もよく食べられているであろう桃屋のザーサイも「四川搾菜」で中国産である。桃屋のザーサイは塩抜き不要で、最初から味付けして瓶詰めにして売っているだけなのだ。だから、中華食材屋で売っているザーサイが安いからと言って別に悪いものではない。本来的にザーサイは安いものなのだ。
この「友盛」という会社はザーサイの輸入で有名な会社なのか、ネットでもすぐに見つかった。
だけど、送料が高いですね。
こういうものは中華食材屋に行って買ってくるのが一番です。私が子供の頃に通っていた、わけありっぽい店が近所でみつかるかも知れませんし。
- 今日の発見…昔の経験から、ザーサイは大きな壺に入れて売っているものとばかり思っていましたが、今はこういう真空パックになっているとは知りませんでした。しかもお値段は据え置き(3つで150円だから1個50円)とはw